文化構想学部シラバス2021
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ジェンダーについて精神分析的主観性と社会的主体の違いと関係を理解し、自らの分析に応用できる力を身につける。自らが愛好家しているか、あるいは強い興味を持つポピュラーカルチャーについて、主観的な熱意と客観的な分析眼をもって、他者に対して適切かつ具体的な分析を発表するスキルを身につける。学術論文を書くためのトレーニングとして、先行論文や評論の戦略的な読解能力、適切な調査能力と資料参照、引用能力を身につける。他者の発表に対して、即興的に生産的な質問やコメントをする能力を養う。成績評価方法授業内発表(20%)学期末レポート(40%)授業貢献(40%)質疑やコメントの回数および内容的な貢献度を見る。備考・関連URL1週目(第1&2回)の授業には必ず出席すること。発表予定日に無断で欠席した場合は自動的に20%がマイナスとなる。発表およびレポートの内容に剽窃が認められた場合は成績評価の対象から外す。個別相談を希望する人は、授業前後に口頭で、あるいは初回に示すメールアドレスにメールで、アポイントをとってください。(講師は授業後、すぐに移動しなくてはならない場合が多いので、まとまった相談はアポをとってください。)講師紹介として執筆、または登壇しているweb記事:https:bunshun.jparticles-39683https:bunshun.jparticles-36925https:note.comakikomiznn727f7e231ce1https:note.comhowdy90mmeda037430296(有料部分あり)科目名表象・メディア論系演習(表象文化の政治経済学2)精神分析を読む担当者名工藤顕太表象2単位秋学期水曜日3時限2年以上―――授業概要本演習では、精神分析にかかわる文献を取り上げ、それをベースとして参加者による発表と議論を行う。まずは精神分析の創設者であるジークムント・フロイトの論考を複数取り上げ、教員が適宜解説することで、精神分析の基本的な理解の共有を図り、参加者自身による作業のベースとしたい。そのあとで取り上げる文献(日本語ないし邦訳を用いる予定)は参加者の関心を踏まえて選定するが、次のようなカテゴリーが想定される。①フロイトの著作②フロイトに後続する精神分析家の著作(例えばジャック・ラカン、ジャン・ラプランシュなど)③フロイトやその他の分析家についての研究書ないし概説書④精神分析の影響を受けた哲学者や思想家の著作(例えばジャック・デリダ、アラン・バディウなど)等々。以上の文献から出発して議論になりうるテーマは、狭義の精神分析には限定されない。それはおのずと、社会と心理療法の関係、無意識や欲望のあり方の歴史的変化、アイデンティティや自己イメージをめぐる文化論・文明論など、多岐にわたるだろう。したがって参加者に求められるのは、真摯にテクストと向き合い、議論すること、そしてそこから自分自身の問いを(再)発見することである。授業の到達目標文献を正確に読解すること、議論によって考えを深めること成績評価方法試験0%レポート50%平常点50%その他0%備考・関連URL本演習はリアルタイム配信を用いて行うこととする。ただし、必要に応じて、資料提示やオンデマンド動画をつうじた解説や情報の補足を行う場合がある。科目名表象・メディア論系演習(ゲームデザインの考現学)ゲームについて学問的に考える担当者名村井翔表象2単位秋学期火曜日3時限2年以上―――授業概要ゲームにはボードゲーム、カードゲームなどもあり、約五千年の歴史があると言われますが、今日ではゲーム専用機ないし携帯電話やPCを使って行われるコンピューターゲーム、テレビゲームないしビデオゲーム(欧米での一般的呼称は後者)が圧倒的な比重を占めており、ここでいうゲームもそのことです。この種のゲームが現在見られるような形態を整えたのは1980年代以降ですから、ゲームについての学問的研究はアニメ、漫画と比べても遥かに遅れていますが、一方、ゲームは現在、きわめて多様なジャンルに分化しており、そのすべてを包括しうるような研究の視点は見出しがたいとも言えます。それでもRPG(ロールプレイング・ゲーム)など何らかの意味でストーリーのあるゲームに対しては物語論(ナラトロジー)という文学研究の方法が適用できることは明らかであり、たとえば東浩紀ゲーム的リアリズムの誕生(2007、講談社現代新書)は実際にはゲームよりもライトノベルがもっぱら論じられているとしても、特筆すべき優れた成果と言えます。ゲーム研究専門家の書いた本ではイェスパー・ユールハーフリアル(2016、ニューゲームズオーダー)が、やや古びた感はあるものの(原著、英語版は2005)、広く浅くの概括的入門書として良く書けています。最新のものではミゲル・シカールプレイ・マターズ(2019、フィルムアート社)がちょっと小難しいながら、名著の誉れ高いもの。また中川大地現代ゲーム全史(2016、早川書房)は日本で発売されてきた膨大なゲームの大半について、当時の社会情勢や業界事情などとからめて論じた大作。約600タイトルのゲームが論じられた、なかなか凄い本です。この授業ではゲームと小説のストーリーはどう違うのか、といった基本的な事柄から出発して、現代のゲームデザイン(システム面を含めたゲームの内容、またその設計のこと)を考察してゆきたいと思い専門演習―453―

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