文化構想学部シラバス2021
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科目名複合文化論系演習(民族文化論)担当者名寺崎秀一郎複合2単位春学期火曜日2時限2年以上―――授業概要文化や民族という概念はア・プリオリに存在するものではなく、それらを担う人間集団によって歴史的に形成されたものであり、自己と他者との差異に基づく分類ということになる。この差異、すなわち、文化や民族を規定するものは何だろうか。たとえば、言語は文化や民族集団を識別する手がかりとはなるが、現実には、同一民族集団としての認識を持ちつつも、異なる言語を使用している例、あるいはその逆、なども知られていることから、言語は自らの文化や民族と他と識別するアイデンティティとしては不十分である。そこで、本演習では、文化や民族を規定するアイデンティティとして世界認識の方法に着目し、その歴史的背景や自然環境、場合によっては隣接する他集団との関係、あるいは、世界の秩序を説明するためのマニュアルとしての神話などについて、各地の事例を比較検し、アイデンティティの生成と受容について文化人類学的なアプローチによって明らかにする。授業の到達目標私たちと彼らの間にはどのような異同が存在するのか。多様な人類社会のあり方について、自ら問題を設定し、読み解くための文化人類学の手法を学ぶ。成績評価方法試験0%実施しないレポート0%実施しない平常点100%出席状況,研究報告の達成度、討議への参加状況等、総合的に判断する。なお、受講生は受講後、WasedaMoodle上のフォーラム機能を活用して,研究報告に対する質問や意見を投稿してもらう。この投稿をもって出席とする。その他0%特になし科目名複合文化論系演習(カルチュラル・スタディーズと人類学)担当者名松平俊久複合2単位秋学期火曜日3時限2年以上―――授業概要カルチュラル・スタディーズは、学問的に等閑視されがちであったテレビや広告、映画、ポップミュージック、ファッション、アニメ、ゲームなどの大衆文化(ポピュラー・カルチャー)と若者文化を主たる対象として、それらを日常生活(実践)との関わりのなかで捉えてさまざまな学問の理論や概念、方法を借用して理解・考察し、文化の問題にとり組むことを基本としてきた研究領域です。そのスタンスは、さまざまな民衆の文化を対象とし、調査結果から実証的にアプローチしていく先行学問である文化人類学とけっして無関係ではなく、むしろ両者には相互性がみられるといえます。本授業では、そうした関係をもつカルチュラル・スタディーズと文化人類学双方の基本的な特徴・性格を踏まえて、文化(の多様性)の見方・考え方についてともに学び、考えていきます。授業では、導入として数回講義を実施しますが、演習であることに鑑み、関心をもつ身近な対象・テーマについて発表をおこなってもらい、発表後には質疑応答・議論(WasedaMoodle上のBBSも使用/対面式での実施は状況をみて判断)をするという、履修者主体の実践的なものとなります。そして最終的には、発表内容をブラッシュアップし、レポートとして文章化するという作業をおこなってもらいます。なお、発表に関してはフィードバックとして講師からコメントを出します。授業の到達目標導入の講義内容を参考・意識しつつ、自身が関心をもつ身近な対象・テーマについていろいろと調べて(調査をして)考えを巡らし、その内容を発表して、さらに他の履修者の発表でとりあげられるいくつもの対象・テーマに触れ、履修者間の質疑応答・議論ならびに講師からのフィードバックをも介することで、カルチュラル・スタディーズと文化人類学双方の立ち位置からの文化(の多様性)の見方・考え方を多角的かつ経験的に身につけてもらうことを目標とします。また、学術的な思考法や発表構成の組み立て方をはじめとして、発表の仕方(レジュメやpptのスライドの作り方などを含む)や発表内容の文章化といった、自身の考えを的確にアウトプットする能力を身につけることも目標に設定しています。成績評価方法試験0%なし。レポート35%発表内容を的確に文章化できているか、質疑応答・議論で指摘されたことなどがうまく踏まえられ、発表時よりも内容がさらによくなっているかなどを評価基準とします。平常点65%発表を35%、質疑応答・議論・BBSへの参加度を15%、出席状況を15%とします。発表は、構成が論理的に考えられているか、限られた時間のなかで的確に内容を伝えられているか、独自の考察が展開できているか、質疑応答で質問に答えられているか、レジュメやpptが適切に作成されているのかなどを評価基準とします。その他0%なし。備考・関連URL本年度の授業実施形式は、原則対面式となります。大学の指示によってオンライン授業へ変更・切り替えとなった場合、講義についてはオンデマンド形式で動画を配信、発表については発表者各自に動画・音声ファイルを作成してもらい、講義動画同様、オンデマンドで配信することを、それぞれ予定していますが、詳細についてはそのときにWasedaMoodleでアナウンスします。なお、第1回のオリエンテーションでは発表に関する詳しい説明や割当もおこないますので、欠席しないようにしてください。また、履修者数などの都合により、授業内容・計画が変更となる場合があります。専門演習―433―

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