文化構想学部シラバス2021
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レポート50%学期末のレポートを評価対象とします。平常点50%教科書の各章の内容についてのグループ発表、および討論への参加の度合いを評価の対象とします。その他0%備考・関連URL春学期開講語用論入門、秋学期開講ヨーロッパのことばと文化認知言語学入門をあわせて履修すると、いっそう理解が深まるでしょう。科目名複合文化論系演習(日常言語の論理学)担当者名峯島宏次複合2単位春学期金曜日5時限2年以上―――授業概要人間の言葉を形式的に分析するという考え方は、G.フレーゲ、N.チョムスキー、R.モンタギューらの研究を経て、形式文法・形式意味論という分野に発展し、現在では論理学・哲学・言語学の境界領域で活発に研究されています。この講義では、現代的な観点からその成果の重要な部分を見通しよく提示し、主に日本語と英語を対象にして、私たちがふだん使っている言葉(自然言語)を論理的手法によって分析することの意義について考えます。これは形式意味論の分野で現在標準的な考え方の基本を学ぶと同時に、その基礎を問い直す試みでもあります。論理学や言語学の特別な知識は仮定せず、授業と平行して、言語分析への応用を念頭に置きつつ、現代論理学の基礎を学ぶ予定です。授業の到達目標(1)現代論理学の考え方に基づく言語分析の基本的な方法を学ぶ。(2)その背景にある言語学・言語哲学の主要な課題、言語学者・哲学者の間で論じられてきた主要な言語現象について概観を得る。成績評価方法試験0%レポート50%平常点50%その他0%備考・関連URL自然言語の文法・意味論に興味のある人、形式言語・論理学に興味のある人、言語一般について哲学的な興味を持っている人など、幅広い背景・専門をもつ人を含めて、言語に関心のある学生の参加を期待します。科目名複合文化論系演習(意味と文脈)担当者名酒井智宏複合2単位秋学期木曜日2時限2年以上―――授業概要ことばの意味を研究する学問分野には意味論のほかに語用論があります。意味論はその名のとおりですが、どうしてこれとは別に語用論なる分野が存在するのでしょうか。それは、言語表現が実際の文脈中で用いられることにより、プラスαの意味が伝わることがあるためです。そこで従来、意味論言語表現の辞書的意味(文脈独立的意味)を扱う分野、語用論言語表現が文脈中で使用されたことによって伝わるプラスαの意味を扱う分野という棲み分けが行われてきました。しかし、近年の語用論では、文脈中でプラスαの意味が生まれるだけでなく、辞書的意味自体が変容することがある(あるいは常に変容する)ことが指摘され、意味論と語用論の棲み分けは従来考えられてきたほどすっきりしたものではないと考えられるようになっています。さらに、1980年代に成立した認知言語学では、意味論と語用論の間に明確な境界線を引こうとすること自体に意味がないと考えられています。この演習では、意味論と語用論の関係についての議論を読み解き、日常なんとなく言われることばの意味は前後の文脈に依存するということが具体的に何を意味するのかを考えます。授業の到達目標1.ことばの意味に対する多面的な見方を身につける。2.ことばの意味は文脈に依存するという言い方が何を意味するかを厳密に理解する。3.論理的に書かれた英語文献を正確に読むスキルを身につける。成績評価方法試験0%レポート50%学期末のレポートを評価対象とします。平常点50%講読する論文の内容についてのグループ発表・グループワークへの参加・レビューシート・討論への参加の度合いを評価の対象とします。その他0%備考・関連URL言語学は突き詰めて考えることにより少しずつ面白さがわかってくる学問分野です。結論を急がず、文献をゆっくり丁寧に読みながら(速読の必要はまったくありません)、論理的に一歩一歩思考を進める楽しさをこの演習で身につけていただきたいと思います。春学期開講語用論入門および秋学期開講認知言語学入門をあわせて履修すると、いっそう理解が深まるでしょう。専門演習―430―

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