文化構想学部シラバス2021
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ヘレニズム時代,ローマ時代,中世,ルネサンス期,近現代に多くの,冒険物語もしくは,その関連作品が創作された.代表的なものにダニエル・デフォーのロビンソン・クルーソーの生涯と冒険(1719年)がある.オデュッセイアとロビンソン・クルーソーには共通点も多く,後者は前者の何らかの影響を間違いなく受けているが,2500年の時代差がある以上,その意味するところや,読後感は自ずから異なる.個々の作家の資質,個性が異なることは言うまでもないが,それらが創作された時代背景が大きな意味を持っていると思われる.オデュッセイアとロビンソン・クルーソーという代表的な冒険物語を中心に,幾つかの文学作品を取り上げ,その背景となる文化,思想,価値観がどのように影響したかを考えていく.授業の到達目標ギリシア,ローマ,キリスト教中世,ルネサンス,近現代の冒険物語から,地域,時代に固有の文化,思想,価値観を考察する成績評価方法試験0%レポートと平常点で評価しますレポート40%授業で発表した内容を,学期末にレポートとして,WasedaMoodleで提出してもらいます(2000字程度以上)平常点60%冒険物語について調べて,その結果を授業で発表してもらう.また,毎回授業内容のもしくは発表内容の要約,感想を書いたものを提出してもらい,平常点とします.その他0%その他は特にありません.備考・関連URLhttp:www.f.waseda.jptokuyamindex.htm科目名複合文化論系演習(主題系の研究)主題としてのルネサンス担当者名宮城徳也複合2単位秋学期木曜日3時限2年以上―――授業概要絵画、彫刻、建築、映画、音楽、詩、思想に現れた人文主義(ヒューマニズム)について、中世、イタリア・ルネサンスから現代まで続くその影響を考察します。遠い日本の現代の日常にも人文主義は見られます。できるだけ多くの題材を取り上げていきたいと思っています。イタリア・ルネサンスを支えた理念は人文主義(ヒューマニズム)と言われます。キリスト教中心の中世に、ギリシャ・ローマの人間中心の価値観が復活して、近代の芽生えであるルネサンスが花開いたとされ、実際にその通りである面は確かにあると思われます。しかし、現代に至るまでヨーロッパではキリスト教中心の価値観が維持され、宗教改革を経て、プロテスタントのキリスト教も大きな力を持っていますが、ローマ・カトリックの影響力は決して小さくありません。さらに、イタリアのルネサンスを芸術方面から考察するとき、現代のベルギーなどがある北方のフランドル地方の影響が大きかったことに気づかされます。そもそも中世初期のゲルマン的要素や、中期の南仏の影響も無視することはできません。ルネサンスにおけるギリシャ・ローマの影響(ヘレニズム)に関する知識を整理して、なおかつそれ以外の要素を点検して、その上でルネサンスの現代における意義を考えたいと思います。授業の到達目標文化史に現れる、主題としてのルネサンスの文化・芸術を通じて、その変容と展開を考察します。成績評価方法試験0%レポートと平常点で評価しますレポート40%学期末に、2000字程度で学習成果の報告を求めます(WasedaMoodle提出)平常点60%授業の際に参考にした映像や、発表の内容をまとめ、それに対する見解を記したレビューシートの提出を求め、自分の発表、他の受講者の発表の際の討議などと合わせて平常点として評価します。その他0%その他は特にありません.備考・関連URLhttp:www.f.waseda.jptokuyamindex.htm科目名複合文化論系演習(国民文学から世界文学へ)山下智久研究――アイドル学をアップデートしながら担当者名柿谷浩一複合2単位秋学期金曜日6時限2年以上――2授業概要活動の主軸を日本から世界に移し、国民的アイドルから世界的アーティスト・役者へ。本格的に舵をきった山下智久。彼の新たな挑戦(とりわけ言語に関わる表現活動)を対象に、アイドル(という存在や概念)と国民/世界の関わりについて、いま求められる視点や研究方法を含めて、多角的に検討を試みます。俳優としての演技(台詞)、自作による歌詞表現、またinstagram等を中心とした自身によるメッセージ発信。活動のエッセンスにあるそれらは“言語を媒介にした表現・作品”と捉えることも出来て、よくも悪くも消費されゆく傾向が強いアイドルにあっては、そうした言語芸術的で審美的な捉え方や評価は、きわめて重要です。0409やいPʼsstyle等の連載エッセイの言葉のありよう。ドキュメンタリールート66〜たった一人のアメリカにおける異文化・言語接触。多くの出演テレビドラマ作品の文学性……。さまざま、広義の文学的視座から考えるべきもの・見えてくることは、たくさんあるはずです。そして日本のアイドルが世界へ羽ばたき、世界へ拡張していこうとする時、国内/世界からどういったまなざしが寄せられ、何が求められるのか。またそうした中で、私たちは(日本国内から)何をすることが出来るか、また必要か。言語や地域をこえた様々な点検・検証も大事になってくると思われます。山PからTomohisaYamashitaへ。彼の動向と軌跡を追いかけながら、考察をしてみましょう。取り上げる具体的な作品や事象は、受講生の関心も考慮しながら決めていきますが、最新の作品・活動は外せませんので、適宜、英語等の原語での作品鑑賞や、海外記事の購読も含むことになるでしょう。もちろん別のアイドルに関心があって、それを絡ませた考究も歓迎です。専門演習―426―

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