文化構想学部シラバス2021
338/620

備考・関連URLZoomによるリアルタイム授業を予定しています。科目名ドイツ語圏文化を知る3(芸術)トリスタンとイゾルデを読む担当者名村井翔独語2単位春学期月曜日5時限2年以上―合併科目4授業概要古今東西のあらゆる愛の物語のなかでも最も美しいものの一つ、あらゆる不倫物語の一つの原点とも言えるトリスタンとイゾルデの物語を読みます。もともとケルト人の吟遊詩人たちが語り継いだこの物語は英語、フランス語、ドイツ語、それぞれの言語で幾つもの文学作品に結実していますが、ドイツ語のものとしてとりわけ名高いのは、十三世紀に書かれたゴットフリート・フォン・シュトラースブルク作の叙事詩でしょう。しかし、中世のドイツ語、しかも韻文で書かれた叙事詩をそのまま読むわけにはいきませんから、第10回までは平易な現代のドイツ語に書き直したものを教科書版(絶版なのでPDFで配布、注つき)で講読します。その後にヴァーグナーのオペラトリスタンとイゾルデの台本を読むための準備という意味もありますので、ヴァーグナーのオペラでは幕が上がる前に起こったことになっている前史の部分が読めれば充分です。第11回〜第15回はリヒャルト・ヴァーグナーのオペラトリスタンとイゾルデ(1865初演)の台本(作曲者自身によるもの)を抜粋の形で講読します。台本それ自体では第一級の文学作品とは言いがたいことが多いヴァーグナーのオペラ台本ですが、トリスタンだけはゴットフリート・フォン・シュトラースブルクの原作をより緊密な物語に圧縮することに成功していて、非常に見事な台本と言えます。タネ本が中世の叙事詩ですから故意に古風な語法が使われていますし、韻文であるために皆さんにとってはかなり読みづらい代物なのですが、原作と比較しながら、いっそう興味深く読んでいただけると思います。また、数種類の上演映像を用意していますので、授業の進行にあわせてMoodle上のオンデマンド動画で観ていただきましょう。授業の到達目標第10回までとそれ以後のドイツ語テキストの難易度が極端に違うところが悩ましい授業ですが、第10回までのテキスト:ロベルト・シンチンゲル著トリスタンとイゾルデ物語は初級文法終了直後の人でも問題なく読める、平易な、しかしなかなか格調高いドイツ語です。これに対し、第11回以後のヴァーグナー作の台本は、はっきり言って大学院レベル。ドイツ語学習三年目以降の人におすすめしたい難解なドイツ語で、私自身も個々の文はちゃんと読めても、文と文のつながりが分からない、完全に読みきれない箇所があちこちにあります。けれども、後半は私の手作り教材で、片側に原文、もう片側に注というように注を豊富に付けましたので、ドイツ語を習い始めて二年目の人でも何とか食いつけるでしょう。成績評価方法試験0%レポート0%平常点100%毎回の授業で(ドイツ語を読んで訳す)授業に参加してくれた人に差し上げる出席点のみで評価が決まります。その他0%備考・関連URL2021年度のこの授業はすべてZoomによるリアルタイム・オンライン授業で行います。学期途中で状況が変化しても、授業形態の変更はありません。毎週、月曜5時限(16時30分〜18時)にZoomミーティングに接続できそうにない人は、この科目の履修はお控えください。今年は試験がないので、毎時間の出席点がないと単位取得は無理です。また、中級ドイツ語の授業ですから、最低でも初級文法修了程度(戸山の学生さんなら1年ドイツ語修了程度)、できればさらにそれ以上のドイツ語力が必要です。科目名ドイツ語圏文化を知る4(芸術)ヨーロッパのカフェと大衆文化の成り立ちについて、残されたエピソードや断片から考察する。担当者名大宮洋子独語2単位秋学期木曜日4時限2年以上―合併科目4授業概要ベルリンのカフェ黄金の1920年代(ユルゲンシェベラ著)の中から数章を抜粋して読み進め、、文法事項を丁寧に説明し、復習しながらドイツ語読解の力を伸ばしつつ、大衆文化の中心地でもあったベルリンのカフェに集う文化人達のエピソードから当時の社会の動向を探ってゆきます。ワイマール共和国の中に潜んでいた崩壊の芽についても考察し、今の私たちの社会についても考える機会があると思います。他にヨーロッパのカフェ文化(クラウスティーレ=ドールマン著)等を参照しつつ、ベルリンを中心にウィーンなどの都市におけるカフェの役割や文化的背景などを概観するとともに、ドイツ語の映像作品を通してリスニングの練習もします。さらにコーヒーやケーキの歴史やレシピ、クリスマス文化などについてもドイツ語のテキストや画像、映像を通して知識の幅を広げてゆきたいと思います。授業の到達目標既習のドイツ文法を丁寧に復習しながらドイツ語の文章を精読する力をつけ、ドイツ語のテキストや映像を通して、ドイツを中心に、ヨーロッパの文化や芸術についての知識を深めつつ、ヒアリングにも慣れることが目標となります。当時のカフェやカバレットが文学、絵画、建築、音楽等の芸術、さらに総合的な大衆文化において果たした役割や当時の社会の動向を、そこに集う文化人、知識人達の楽しいエピソードや悲しいエピソードを通して探ってゆくことが目標です。当時のワイマール共和国の中に潜んでいた崩壊の芽についても感じることができれば、現在の私たちの社会についてもより深く考える材料になると思います。成績評価方法試験50%オンラインテスト。授業中に読んだドイツ語の文章を範囲を指定して、その中から和訳し、テキストの内容についての短かい感想を書いていただきます。レポート0%特になし。平常点50%授業中に読解するドイツ語テキストの担当箇所の和訳や質疑応答なども点数に加算します。その他0%特になし。選択外国語―344―

元のページ  ../index.html#338

このブックを見る