文化構想学部シラバス2021
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その視覚化を中心に概説していく。授業の到達目標最近の研究は、細分化された各国美術史を扱うことが多いが、地域・時代を超えて偏在するイスラーム美術の特質を理解することを第一義とする。生物描写の禁忌の実態やその影響を、イラン・イラクを中心とした東方イスラーム世界における建築装飾や工芸の絵付け、絵画を概観することによって考察し、学期末には各自が問題意識をもってレポートを作成する。また、ミクロの芸術である写本挿絵は、文学とも密接な関連をもつもで、講義後半は挿絵史を通して中東の文学に親しみ、視覚芸術と併せて基礎知識を習得することを目標とする。成績評価方法出席確認小テスト(各回、正誤問題、選択肢のある問題2-5題が中心であるが、短い記述式問題も1回含む)50%学期末レポート(註含めて原稿用紙5−8枚程度)50%備考・関連URL授業形態は、対面とオンデマンド動画のハイブリッドの予定。画像や映像の版権の問題でいくつかの講義は教室での対面講義もしくはZoomを用いたリアルタイム配信となる。顔料(絵の具の素材)やインク、羊皮紙や特殊な素材の紙など実際に手に取って感触を確かめるワークショップを含む講義回は、教室でのワークショップに参加して欲しいが、事情があって大学に通学できない学生や社会環境の変化で対面授業ができない場合には代替処置を取る予定。オンデマンド動画による講義の場合は、本来の講義時間―水曜日の14:45―に公開予定。出席は、受講後に講義内容の簡単な質問数題(正誤問題、穴埋め式など)もしくは短いリアクションペーパーを提出することによって確認予定。講義内容や評価方法、対面(もしくはリアルタイム配信)の講義日程については初回のガイダンスにて、詳細を伝達する。また、今期は出席確認小テストの比重を大きくしたので、レポート課題(原稿用紙5−8枚程度)は学期末のみ実施。*今後講義内容に大きな変更はないが、状況に応じて細かな変更はありえる。科目名中東・イスラームのフィールドワーク担当者名堀内正樹イスコース2単位春学期無フルOD2年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要*本授業は全回オンデマンド授業(フルオンデマンド)として実施します。毎週月曜日の正午に講義動画と関連資料をWasedaMoodle上で公開するので、翌週の月曜日までに視聴して、感想やコメント、質問等をフォーラムに寄せてください。*本講義では、中東・イスラーム世界でフィールドワークを実施するということが何を意味するのか、どのような経緯でどのように行われ、結果として何をもたらすのか、といったことを私の具体的な経験にもとづいて話します。講師(私)は19歳のときにヒッピーのようにしてアラブの土地を踏んで以来60歳代後半の現在に至るまでの約50年間、アラブ・中東・イスラーム世界をさまざまな立場で歩き回ってきました。私の学問的立ち位置としては社会人類学者ですが、かつて社会人類学の専売特許であったフィールドワークというもの自体に対する懐疑も含めて、これは学問ではないぞ(少なくとも近代科学ではない)と、50年の経験を通して実感しています。文系・理系を問わず近代科学の発想のいしずえとなっているのは確率論と集合論(記号論理学)を柱として出来上がった数学基礎論をモデルとするパラダイムすなわちゲッティンゲン的知性ですが、その呪縛からの脱出はヴィットゲンシュタインのように思索を巡らさなくても、中東を歩き回るだけでできるのではないかと思っています。パターン認識を志向する科学的パラダイムを無効にするような旅の話を老人の口から聞いてみたいという方の受講を歓迎します。授業の到達目標答がない、筋や起承転結もない、結論もなければ見通しの良い終着地点もない、あるのはただ淡々と移り変わる組み替えの風景のみという世界で、我々多種多様な人間がどのように生きてきたか、生きているか、生きてゆくのか。地図(すなわち写像)に頼らずに具体性の中で生きることを感覚的につかんだとしたら、この授業の目標は達成されたことになります。成績評価方法試験0%レポート50%授業終了の頃にレポートを出していただきます。詳細は時期が来たらWasedaMoodleからアナウンスします。2,000字程度のレポートを考えておいてください。平常点50%授業への積極的なレスポンスを評価します。その他0%講義―259―

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