文化構想学部シラバス2021
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科目名アジア考古学交流東アジア古代都城の比較考古学担当者名城倉正祥考古コース2単位春学期火曜日1時限2年以上―合併科目―授業概要多極化が進む現代社会において、東アジア各国の結び付きはますます深く、そして濃密になりつつある。しかし、歴史的にみれば、東アジア世界は常に相互に深い関係を保ちながら発展の道をたどってきた。特に、中国で隋唐帝国が出現する6-8世紀には、東アジア各国が中国の最先端の文化・文物を競って取りいれたことが知られる。都城と呼ばれる中国式の都市もその一つである。皇帝(天皇)の居住空間であると同時に政治・経済・行政の中枢である宮城と皇城、その周囲に整然と区画された碁盤目状の街区で構成される都市空間(里坊)、東アジア各国における都市の成立は、まさに唐帝国を模倣した中央集権体制の成立(日本の律令制など)と不可分の関係にある。本講では、隋唐期に頂点を迎える都城という都市機能が中国においてどのように成立し発展したか、そして隋唐期の都城がどのように東アジア各国に伝播し、各国の伝統と結びつきながら受容されたかを考古学の発掘成果に基づいて比較検討する。我々の地下に眠る古代都市の復原を通して、文献史学とは異なる角度から古代東アジアの国際交流を考えてみる。授業の到達目標本講は、考古学からみた古代東アジアの国際交流について理解を深めると同時に、受講者自身が東アジアの視点で歴史を捉える力をつけることを目標とする。レポートの作成を課題とする。成績評価方法試験0%なしレポート30%授業の内容を踏まえ、特定課題のレポートを義務づける。その内容により評価する。平常点70%授業への出席状況より評価する。その他0%なし科目名文化財の保存と活用埋蔵文化財の保存と活用担当者名西田健彦考古コース2単位春学期土曜日5時限3年以上―合併科目―授業概要日本の文化財保護法は、その目的を文化財を保存し、且つその活用を図り、もって国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献する。としています。日本各地には先人が残した多様な文化遺産が今も豊富に伝えられてきています。それらは地域の誇りであり、地域への愛着をもたらす精神的な拠り所でもあるとともに、地域の歴史的、文化的環境を形作る重要な資産です。その価値は国民、地域住民が直接、間接に享受することが求められ、文化財保護行政は保存と活用のために様々な施策を行ってきています。戦後、我が国の文化財保護行政において大きな役割を果たしてきたのが、遺跡をあつかう埋蔵文化財保護行政の分野です。開発事業から遺跡を保護するために、都道府県だけではなく、市町村も含めて考古学を専攻した専門職員を配置して、多くの発掘調査を行ってきました。その結果、歴史を書き換える新発見や、全国各地域に豊かな固有の歴史があることを明らかにしてきました。これまでに蓄積された豊富な成果は、今日の社会が求めている地域づくり、ひとづくりにつながる資産となっています。授業では埋蔵文化財保護の歴史、法制度、行政施策、世界遺産などについて、我が国の埋蔵文化財保護を中心に概観します。授業の到達目標日本の文化財保護について、埋蔵文化財や史跡を中心にして、以下の項目について理解するとともに、これからの地域づくり、まちづくりのために、文化財の保存と活用をどのように展開させるかを学びます。1、文化財の種類と内容2、埋蔵文化財保護の歴史3、埋蔵文化財保護の法制度と仕組み4、史跡・埋蔵文化財の保存と活用5、文化財保護と地域づくり6、世界文化遺産と日本成績評価方法試験80%第15回目の授業時間中に試験を実施し、理解度の確認を行います。試験の解説も同時間内に行う。資料の持ち込みは一部認めます。レポート10%国又は地方公共団体により指定された史跡を現地調査し、現状と今後の活用に向けての課題についてレポートを提出してもらいます。平常点10%出席状況。その他0%無し備考・関連URL最新の埋蔵文化財保護情報(新たに指定された文化財、発掘調査成果、展覧会など)については、文化庁、奈良文化財研究所、都道府県教育委員会、都道府県の埋蔵文化財発掘調査組織(公立または公益財団法人の埋蔵文化財調査センター)のホームページに掲載されているので、参考にすること。科目名原始古代の社会と宗教(アジア)担当者名田畑幸嗣他/高橋龍三郎考古コース2単位秋学期無フルOD1年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要アジア地域における宗教と社会について、日本および東南アジアの考古学から解き明かす。特に先史時代から古代にかけての社会動態は前近代の基層社会を形成しただけに重要視される。当時の文化と社会が大きく宗教的側面との関わりで形成され、その変化に際しても大きな影響力をもっただけに、当時の精神世界を詳しく検討する必要がある。講義では日本と東南アジアの講義―250―

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