文化構想学部シラバス2021
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さらに、演劇の構成要素として欠くことのできないのは、観客である。演劇について考察することは、必然、観客について、すなわち我々自身について考察することにもつながる。授業の到達目標演劇についての諸条件を学ぶことを通して、演劇という文化がいかに多岐にわたって偏在しているかを知る。あわせて、演劇を学ぶための基本的な条件について知見を広げる。成績評価方法試験50%理解度の確認をおこなう。レポート0%課さない。平常点50%感想・質問シートを以て、出欠調査に代える。その他0%特になし。科目名日本演劇史1担当者名児玉竜一演映コース2単位春学期月曜日5時限2年以上―合併科目―授業概要日本の演劇の歩みを概観する。日本の演劇史は、古代から近現代までの演劇ジャンルが重層的に現存しているところに特色があるとされる。だが、たとえば今日の能は、中世の能と全く同じわけではなく、現在の宝塚と大正時代の草創期宝塚は、およそ異なるジャンルといってもいいほどに違う。あらゆるジャンルは、それが最前衛であった時代の記憶をとどめながら、伝承の過程で変容しつつ、現在に至っている。この面倒くさい歴史を解きほぐしながら、今日に至る道筋をともに考えてゆく。春期は、演劇の濫觴から人形浄瑠璃までを予定している。授業の到達目標現在は歴史の果てであると同時に、歴史は現在の目によって再編成される。その関係を、演劇という現在性から離れられない事例を題材として認識すること。あわせて、日本の文化史のなかにおける演劇の占める位置を認識すること。成績評価方法試験50%理解度の確認をおこなう。レポート0%課さない。平常点50%感想・質問シートを以て、出欠調査に代える。その他0%特になし。科目名日本演劇史2担当者名児玉竜一演映コース2単位秋学期月曜日5時限2年以上―合併科目―授業概要日本の演劇の歩みを概観する。日本の演劇史は、古代から近現代までの演劇ジャンルが重層的に現存しているところに特色があるとされる。だが、たとえば今日の能は、中世の能と全く同じわけではなく、現在の宝塚と大正時代の草創期宝塚は、およそ異なるジャンルといってもいいほどに違う。あらゆるジャンルは、それが最前衛であった時代の記憶をとどめながら、伝承の過程で変容しつつ、現在に至っている。この面倒くさい歴史を解きほぐしながら、今日に至る道筋をともに考えてゆく。秋期は、歌舞伎の濫觴から現代演劇までを予定している。授業の到達目標現在は歴史の果てであると同時に、歴史は現在の目によって再編成される。その関係を、演劇という現在性から離れられない事例を題材として認識すること。あわせて、日本の文化史のなかにおける演劇の占める位置を認識すること。成績評価方法試験50%理解度の確認をおこなう。レポート0%課さない。平常点50%感想・質問シートを以て、出欠調査に代える。その他0%特になし。科目名西洋演劇1ヨーロッパの演劇の歴史日本現代演劇の起源担当者名藤井慎太郎演映コース2単位春学期木曜日4時限2年以上―合併科目―授業概要古代ギリシアから現代に至るまでのヨーロッパの演劇の歴史のエッセンスを半年間に凝縮して講義する。演劇の歴史は、おもしろい戯曲とすぐれた劇作家の歴史だけではない。演劇はどの時代にあっても生きた芸術であり(それゆえにその記録はつねに不完全なものでしかない)、観客の感覚(とりわけ視線)と理性に訴えかける芸術であり、もっとも人間らしく社会的な芸術であり、19世紀に至るまではもっとも社会的な影響力の強いメディアでもあった。それゆえ、演劇をときに擁護し、ときに規制し、ときに利用しようとした権力との政治的な関係も見過ごすことができないし、国の盛衰と演劇の盛衰とはしばしば一致を見せている。舞台機構や照明、近年では映像やコンピュータなど、上演を支える技術的条件が進歩するのに応じても、演劇はその姿を変えていった。演劇の歴史のダイナミズムを感じとってもらいたい。講義―217―

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