文化構想学部シラバス2021
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科目名フランス中世・ルネサンス文学クレチヤン・ド・トロワのイヴァンまたは獅子の騎士を読む担当者名瀬戸直彦仏文コース2単位秋学期金曜日5時限3年以上―合併科目―授業概要フランス中世とルネサンス文学については,フランス文学史1というリレー講義で概説は示すが,この授業のほうは,かんたんな概説を行った後に、古フランス語(=中世フランス語)で作品をじっさいに読んでいく。中世語に慣れていれば、ルネサンス期以降のことばの読解も基本的にはそれほど困難ではないからである。テクストとしては、1170年ころに成立したといわれるクレチヤン・ド・トロワの作品イヴァンまたは獅子の騎士という散文による作品を,写本(ギヨという写字生の書写したもの)と校訂版から読む。最初は担当教員が写本の読み方など一から指導するので,安心して受講されたい。出席者による写本の読解,テクストの解釈が中心である。なお前期のフランス語史(おなじ金曜日5限)でもこのテクストを用いるので,後期はその続きを題材とする。両方を受講すれば広い視野が得られるかと思う。こちらの授業は,受講者の顔ぶれにもよるが,より実践的pratiqueに行いたいと思う。(注意)(1)現代フランス語既習者が受講すること。(2)前期の同一時間帯のフランス語史の授業とおなじテクスト(その続き)を用いるが,前期のその授業の履修は必須ではない。(3)対面式の授業を予定しているが,状況によってはリアルタイム配信授業になる可能性もある。授業の到達目標辞書(電子辞書がインターネットで引ける)や語彙集を使えば、独力で中世フランス語が読めるようにするのが目標であるが、前期にフランス語史を受講すればさらに力がつくはずである。成績評価方法平常点科目名フランス詩その起源からロマン派まで担当者名川瀬武夫仏文コース2単位春学期無フルOD3年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要まず中世以来のフランス詩の歴史を簡単にたどってから、フランス語による定型韻文詩を原語で読むために必要な韻律法ver-sificationの基本的な規則を平易に解説します。そのうえで主として19世紀前半のロマン派の作品のなかから、人口に膾炙した代表作をとりあげて、詳細に味読していきます。定型韻文詩は韻律やリズムといった音声的(=音楽的)要素も大切ですので、ネイティヴによる朗読や歌曲のCDなども常時参考にします。*本授業は全回オンデマンド授業として実施します。授業の到達目標詩は分かりにくいものと決めつけている学生諸君も多いと思いますが、なによりも原語で読んで、その言葉の繊細にして優美な響きを聴きとることで、フランス詩の真の魅力に到達することを目標とします。成績評価方法試験70%春学期末に授業内容の理解を確認するためのレポートを課します。レポート0%―平常点30%レポート評価に平常点(出席状況、レヴューシート提出状況等)を加味します。その他0%―備考・関連URL当然のことながら、受講者にはフランス語の基礎的な読解能力が求められます。科目名フランス小説フランス小説を代表する小説家を読む担当者名芳川泰久仏文コース2単位春学期木曜日2時限3年以上―合併科目―授業概要フランス小説の歴史のなかで、近代小説を確立したバルザック、小説技法を一新したフローベール、現代小説への扉を開いたプルーストの主な仕事を取り上げ、その意義について考える。90篇近くの作品を残したバルザックについてrは、その全体像をテクスト論のかたちで語り、フローベールについてはボヴァリー夫人に焦点をあて、やはりテクスト論のかたちで語る。プルーストについては、失われた時を求めてを中心にどのような問題点が提起されているかを論じる。三者三様の姿が、それぞれ様相の異なるテクスト論として展開できればと考える。基本的に対面授業だが、3回ほどオンライン授業をする予定である。授業の到達目標フランス小説の重要な展開点をそれぞれ取り上げるが、それらがどのようになされたかの理解を深めると同時に小説テクストの解読方法の一端に触れる。また、対面授業での理解を深めるため、それぞれの小説家について論じたあと、課題を設けるが、そのときは解題の説明から解説、さらには質問と応答をZoomをつかったオンラインで行なう予定だが、詳しくは教場で伝える。成績評価方法試験0%試験は行なわない。レポート0%レポートは出さない。平常点50%授業への参加や発言、さらには質問等への応答から総合評価する。その他50%課題を3つ用意するが、その内容と提出回数を総合的にみる。備考・関連URL受講者には、できるだけ取り上げる小説家の作品に触れていることが望ましい。講義―205―

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