文化構想学部シラバス2021
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科目名教育史学中等教育問題の歴史的研究-イギリスと日本担当者名細金恒男教育コース2単位秋学期無フルOD2年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要戦後(第二次世界大戦後)の日本とイギリスの教育の変化の跡を、ときどきの社会・経済・政治の変動とかかわらせながらたどってみたい。二つの国の戦後教育のあゆみを全体的にとりあげることはできないので、考察の対象は、中等教育とその周辺の歴史に主として絞られる(必要があれば、戦前の歴史にさかのぼることもある)。それとて、戦後の中等教育にかかわる政策とシステムの変転の表層をなぞる程度のものではあるけれど、近代国家がその社会統合上の難題としてかかえ、つねに地域政治の争点でもあり続けてきた中等教育問題の歴史をふり返ることによって、教育と社会・経済・政治の関係史を描くひとつの試みとしたい。授業の到達目標教育と社会・経済・政治の関係について、歴史的な視野からの理解を深める。成績評価方法試験0%なしレポート70%前後2回にわたって、講義内容の理解度を確認するレポートを提出してもらう。1度目は日本編講義終了後、2度目はイギリス編講義終了後に一定期間をおいて、それぞれ2000〜3000字程度のレポートを予定している。平常点30%出席状況を評価する。3分の2以上の出席を必須とする。その他0%なし備考・関連URLこの講義はオンデマンド配信により行う。毎回の授業開始時間に合わせて、講義録画ビデオおよび講義レジュメならびに講義関連資料(PDF版)を配信する。配信後、次回授業開始時までの1週間以内に、上記ビデオ、レジュメ・資料を視聴・閲覧できているかによって出席確認をする。科目名学校教育学地域と学校担当者名細金恒男教育コース2単位春学期無フルOD2年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要子ども・若者の成長と、教育の存続にとって、〈地域〉のささえが大事であるということに関しては、おそらく誰にとっても異論がない。しかし、そこでいう〈地域〉とはどのような意味をもつのか、あるいは教育の存続や人間の成長をささえる〈地域〉とはいったいどのような要件からなるのかということについて、共通理解があるわけではない。戦後日本の地域史にはつねに、近代化、工業化を普遍的価値とみて開発を進める側と、風土と民衆の生業のもつ個性的価値をまもろうとする側との相克があった。開発や近代化の必要を唱える中央や支配層の側からみた〈地域〉とは、経済成長のための対象手段としかみなされてこなかった。戦後日本の学校もまた、近代化の先鋒をになわされたため、〈地域〉とは学校教育をささえる条件か、啓蒙の対象としてしかみなされてこなかった。これにたいして、民衆のことばとして〈地域〉を掲げてきた人びとの論理には、自然と人間と文化とが融合された土着の響きがあり、その個性ある自然と人間と文化とからなる価値としての地域を断固としてまもり育てようとする気迫がある。自然と人との結びつきは、生業としての農によってまもられ、そこから文化が紡がれてきた。そうした維持可能な地域づくりのうえに教育を築くことが求められている。上記の観点を持ちながら、この講義では、戦後日本の〈地域と学校〉の関係について再検討する。なお筆者は、東日本大震災と原発事故以来、福島県相馬・双葉地域の避難自治体と避難先で再開された学校への調査をつづけてきている。原発避難が地域と学校の営みにもたらした困難と、その困難に立ち向かい苦闘をつづけているさまざまな人びとの姿を、本年度の講義のなかでも紹介していきたいと考えている。この講義はフルオンデマンド形式で行う。毎回の講義映像の配信に合わせて、講義レジュメならびに講義関連資料(PDF版)を配信する。配信後、一定期間内に、上記ビデオ、レジュメ・資料を視聴・閲覧できているかによって出席確認をする。授業の到達目標講義全編をつうじて伝えたいメッセージを一言で表せば、地域あっての学校、学校あっての地域という思いである。都市に住む人間の感覚からは縁遠いかもしれないが、とりわけ農山村社会に息づいてきたこのことばの含意を理解してもらえればと思う。成績評価方法試験0%なしレポート70%講義内容の理解度を確認するためのレポートを、第7回講義終了後と第15回講義終了後の前後2回に分けて提出してもらいます。平常点30%出席状況を評価します。3分の2以上の出席を必須とします。その他0%なし科目名比較・国際教育学(教育改革の視点とその方策)担当者名山西優二教育コース2単位春学期木曜日2時限2年以上―合併科目―授業概要比較教育または比較教育学とは、比較研究や外国研究を通して、自他の教育の特性を把握し、教育の法則性・規則性を探究し、国内外の教育改革に寄与・貢献することをねらいとする研究領域である。また最近では、いわゆる国際化・グローバル化が進展する中で、異文化にまたがって生きる子どもたちにとっての教育のあり方や地域での多文化化・多言語化への対応、開発問題・環境問題・人権問題・民族紛争などの地球的諸問題の解決をめざす教育のあり方などを問う国際教育という領域を含めて、比較・国際教育学と称せられることもある。講義―168―

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