文化構想学部シラバス2021
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や絵画史料なども使用するので、日本思想・宗教研究ばかりでなく、日本文学・歴史・美術史等の研究のためにも有益となるでしょう。なお、日本思想・仏教・文学に関連する辞書の使用法、インターネットと図書館を利用した参考文献の検索、論文の書き方のコンテンツは、授業開始時から随時参照できるように設定します。授業の到達目標日本古代の宗教思想、特に聖徳太子信仰の成り立ちとその諸相など、日本の伝統的な思想についての基本的な知識を持ち、古典史料や絵画を読解する能力を養います。成績評価方法レポート70%:期末に講義内容と関連するレポートを課します。詳細は、WasedaMoodleのアナウンスメント機能によって指示します。出席30%:規定により、三分の二以上の出席(10回以上)が単位授与の必要条件です。毎回、200字以上300字程度の感想文を課し、コンテンツ最後までの視聴とレビューシート提出をもって出席とします。第14回と第15回のコンテンツは、視聴を出席と数え、レビューシート提出は求めません。締切は、コンテンツを公開した一週間後の日曜日23:59です(休業中でもこの締切は変わりません)。ただし、第1回と第2回締切のみは、追加登録者があることを考慮し、第3回締切と同じ、10月17日(日)23:59とします。出席点(計30点)は、授業ごとに2点を付与しますが、内容が劣る場合は1点、欠席の場合は0点とします。なお、動画コンテンツをただ流しただけで、実際には視聴していないにもかかわらず、内容空虚なコメントを提出した学生に対しては、厳しく対処します。以上について、詳しくは第一週に配信するコンテンツを視聴してください。備考・関連URL原典を提示して読解するので、高等学校卒業程度の古文・漢文の基礎知識が必要です。しかし、初学者でも不安を持つ必要はありません。意欲ある学生の受講を望みます。科目名漢文講読1老子を読む担当者名森由利亜東哲コース2単位春学期月曜日5時限1年以上―合併科目―授業概要皆さんは大器晩成天網恢々あるいは素朴自然といったことばの典拠が老子にあることをご存じですか?老子は、論語と双璧をなす最も基本的なアジアの古典です。孔子の思想がどこまでも人の社会、人々相互の関係に基盤を置く倫理思想を説いたのに対し、老子は宇宙そのものにそなわる規範に基づく倫理を中国で最初に提唱した書物です。その後の儒教は、老子に端を発する自然的な世界観を摂取することで、その様相を大きく変えていきます。また、後世の道教も老子を重要な経典として重視しながら発展します。中国の思想・宗教を考える上で老子は必ず踏まえていなくてはならない書物といえるでしょう。また、中国のみならず、日本を含むアジア世界に広く受容され、広い地域で人々の教養を支えてきました。この授業では、江戸時代の伝統的な版本をテキストとして用いながら、老子の思想を漢文で読み解きます。漢文訓読入門としても役立つ授業にしたいと思います。授業の到達目標以下の3点を目指します。(1)中国思想のみならず、東アジアの古典である老子に触れることで、アジアの思想の源流を理解する糸口を得る。(2)道家思想の原点を知ることで、老荘や道教への理解の基礎を作る。(3)哲学的な漢文を読解することで、漢文理解力に奥深さを加える。成績評価方法試験0%コロナ禍のためオンラインでの授業が予測されるため、原則としてテストは行わず平常点とレポートを勘案する。レポート60%学期末にレポートを提出してもらう。平常点40%毎回の授業では、予習にもとづいて漢文テキストの訓読と現代語訳を行ってもらう。主としてその結果を平常点とする。予習しなくては点数の獲得はできないので、必ず予習を行うこと。その他0%特になし。備考・関連URL特になし。科目名漢文講読2仏教漢文―最澄晩年の思想を探る―担当者名大久保良峻東哲コース2単位秋学期金曜日5時限1年以上―合併科目―授業概要日本天台宗の宗祖である最澄は、その後の日本仏教の方向性を決めた人物と言える。最澄の晩年における重要な活動の一つとして、大乗戒独立の主張が挙げられる。それは、小乗戒を捨てることで、対立していた奈良仏教から、比叡山を大乗戒のみで独立させることを意味する。そのことに関わる文献が、山家学生式と呼ばれる一連の文書や顕戒論である。幸いに直筆の文書が現存するものもあるので、その名筆も含めて、幾つかの文献によって最澄の思想を探ることにしたい。本年は最澄没後千二百年の遠忌(おんき)である。その思想や実践が現在に息づいていることを確認する。授業の到達目標山家学生式や顕戒論の講読を通じ、最澄についての理解を深め、併せて、仏教漢文に興味を持てるようにしたい。成績評価方法試験70%点数に応じて評価する。レポート0%なし。平常点30%参加状況を考慮する。その他0%特になし。講義―149―

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