文化構想学部シラバス2021
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レポート0%平常点70%各回の授業で取り組んでもらうワークをもとに、各回の講義内容の理解度を評価する。その他0%科目名美学藝術と哲学担当者名高橋陽一郎哲学コース2単位春学期無フルOD1年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要その昔、画家の岡本太郎がテレビCMで語った藝術は爆発だという言葉が日本中に浸透したことがあった。この浸透自体、藝術をもっぱら情緒的に考えがちな多くの人々の藝術イメージと合致した結果であったといえよう。もちろん藝術は感情や情念の産物でもある。しかしそれだけで出来上がる藝術は存在しない。まず論理的で厳格な技法があり、さらに同時代の哲学・思想からの巨大な影響がある。この講義では、これらのうち後者、すなわち各時代の藝術に大きな影響を与えた哲学思想の側から、藝術を考察してゆく。扱う時代は、近代(ルネサンス)から現代までとする。授業の到達目標受講者は、本講義を受講することによって、(1)藝術史が思想史と内容的にパラレルな関係にあることを知識として獲得することができ、ついで(2)受講者みずからも、藝術をたんに感情的・感覚的に享受するのではなく、思想の側から理知的に(しかも場合によっては感情的・感覚的に享受するよりも容易に)理解する方途を学びうる。成績評価方法試験0%レポート60%学期中に課す2種類のレポート平常点40%授業の出席状況その他0%備考・関連URLなし科目名哲学2担当者名橋詰史晶他/峰尾公也哲学コース2単位秋学期木曜日3時限1年以上―合併科目―授業概要現象学とは、人間の根源的な生に立ち戻ることによって学問を基礎づけようとする哲学的方法論である。現象学は20世紀以降の哲学の歴史を理解するために必須の知的教養であるのみならず、今日においても様々な哲学的問題にアプローチするための重要な方法であり続けている。現象学の成果のひとつとして、時間と歴史の問題の特異な重要性を明らかにしたことが挙げられる。本講義では、主にフッサール、ハイデガーの哲学を参照し、現象学における時間と歴史の問題を概観する。※本講義は昨年度科目哲学1の続編だが、内容は本講義からでも受講できるよう配慮する。橋詰:第1回授業でフッサール現象学の基本的方法を確認したのち、第2回〜第4回の授業ではフッサールの内的時間意識の現象学を取り上げ、彼の初期時間論の内容を概観する。そして第5回〜第7回の授業では主にクラウス・ヘルト生き生きした現在を参照し、フッサール後期時間論における生き生きした現在の問題を中心に扱う。峰尾:第8回授業でハイデガー哲学の基本的前提を確認したのち、第9回〜第11回の授業では、ハイデガーの存在と時間を取り上げ、おもに現存在の歴史性にかんする彼の議論の内容を概観する。そして第12回〜第14回の授業では、ハイデガーの後期思想における存在の歴史に焦点を当てる。授業の到達目標フッサール、ハイデガーらの基本的な用語法を身に着け、授業で紹介する彼らの学説の概要を理解する。成績評価方法試験0%試験は行わない。レポート70%期末レポートに基づき評価する。平常点30%出席のほか、毎回提出するリアクションペーパー上での意見や感想なども評価に含める。その他0%その他の評価基準は設けない。科目名倫理学2近代倫理学と現代社会の問題担当者名御子柴善之哲学コース2単位春学期木曜日1時限1年以上―合併科目―授業概要倫理学は、ひとの世に日常的に存在している道徳・倫理を対象として、その根拠を問い尋ねようとする哲学的な営みです。また、哲学にさまざまな学説があるように、倫理学にもさまざまの学説があります。倫理学2では、まず近代倫理学の代表としてのカントの倫理学と功利主義の倫理学の特色を明らかにします。加えて、カント倫理学を批判した代表的な哲学者の主張を検討します。その上で、それぞれの主張の限界を現代社会の倫理的問題によって照らし出すことを試みます。次に、現代倫理学の代表としての正義論と共同体主義の主張を理解し、それらが現代社会のどのような問題と関連しているかを明らかにします。これらの過程で、さまざまな哲学者の所説にも目を配り、全体として、重要な倫理学説の歴史的展開を照らし出すことをも試みます。もっとも、この講義は歴史の話を意図するものではなく、各学説の意義を現代の観点から照らし出すことを意図するものです。現代社会に生きる私たちがその諸問題を自分の問題として考えることによってこそ、古代以来のさまざまな倫理学説がもつ重要性を明らかにすることができるでしょう。講義―144―

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