文化構想学部シラバス2021
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室授業を受けるつもりでノートを取ること。科目名西洋思想史2(中世)西洋中世哲学の三人担当者名石田隆太哲学コース2単位秋学期水曜日2時限1年以上―合併科目―授業概要中世ヨーロッパ哲学のうち、トマス・アクィナス、ドゥンス・スコトゥス、ウィリアム・オッカムの三人を取りあげてその哲学的思想を論じる。大まかには存在論、認識論、価値論(倫理学)という三つの領域を意識して論じていくが、中世哲学では同じ思考上の枠組みが複数の領域において同時に使われることがしばしばあり、そうした思考の現場を紹介していくことにもなる。そのなかで、哲学とは何か、人間とは何かという大きな問題に対して中世哲学ならどのように答えるのかをともに考えたい。授業の到達目標西洋中世哲学を対象として、今まで知らなかった考え方についてイメージを持ちそれについて語ることができること。また、そうした考え方を他の場面においても応用できる基礎を養うこと。成績評価方法試験80%期末試験。持ち込み不可、論述式、試験期間に実施の予定。レポート0%平常点0%その他20%コメントシートの提出。ただし毎回ではなく不定期で、授業計画の変更などにも活用する。備考・関連URL・授業全般について、COVID-19の感染状況に応じて何らかの変更を行う可能性が常にある。・授業中の質問を随時受けつける。・ラテン語の知識があるとベスト。科目名西洋思想史3(近代)パッションとは何か:その歴史と現在担当者名西山達也哲学コース2単位春学期木曜日3時限1年以上―合併科目―授業概要パッションとは情熱、熱意、激情、情念、情欲、受苦、受難といった多様な語義をもつ語であり、古代ギリシア語のパトスに由来する。それは精神の受動的な状態をあらわすものと一般には定義されているが、情熱や熱意という語義からも分かるように、より能動的・活動的な側面もあわせもっている。西洋哲学はパッションというこの不思議な現象を問い続けてきた。この問題を扱う部門として伝統的に情念論という分野が存在し、古代以来の哲学における重要な部門をなした。現代哲学においても、パッションをめぐる問いは、論理的思考と感情の関係、自己/他者、精神/身体、人間/動物の関係、自由意志の定義、共感の限界といった諸問題に直結している。本講義では、(1)古代・中世の情念論の基本的な枠組みと、(2)これを継承した近代初期の情念論の考え方を概観しながら、(3)現代の哲学によって情念論がどのようなかたちで刷新されているかを検討し、パッションをめぐる思考の新たな可能性を探究する。本講義を通じて、西洋思想の歴史における蓄積を引き受け、新たな時代の中で発展させる力を習得することを目指す。授業の到達目標西洋近代哲学史の様々な学説を理解し、比較・吟味する能力を身に着ける。近代哲学において特定の問いがどのように展開し、現代的な課題として継承されているかを理解する。成績評価方法授業評価は基本的に期末レポートによる評価とする(8割程度)。授業中に提出するミニアンケートや授業終了時に提出するレスポンスカード、授業時の積極的な質問、討議への参加も成績評価の対象とする(2割程度)。科目名西洋思想史4(近現代)分析哲学の発展と論理学の進歩担当者名伊藤遼哲学コース2単位秋学期火曜日3時限1年以上―合併科目―授業概要現在英語圏を中心に広く受け入れられている研究のスタイルである分析哲学がどのようにして成立したのか、そのあり方を数理論理学の発展という観点からまとめて紹介することで、分析哲学と呼ばれる営みの特徴を紹介する。また、分析哲学のそうした成立過程において論じられた諸問題が現在どのように扱われているのか、授業の後半で簡単に紹介する。各回の授業では、ワークに取り組んでもらう。この取り組みを通じて、一見抽象的でわかりづらい哲学の概念や数理論理学の概念になじんでもらうためである。授業の到達目標(1)分析哲学とよばれる研究スタイルのいくつかの特色を理解する。(2)数理論理学の初歩(述語論理の記法、素朴集合論の記法、真理値表、真理の再帰的定義、可能世界意味論のエッセンス)を理解する。成績評価方法試験30%学期末の試験において講義全体の内容の理解度を評価する。講義―143―

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