文化構想学部シラバス2021
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授業の到達目標・分析哲学において論じられてきた哲学的諸問題を理解する。・数理論理学の初歩を理解する。成績評価方法試験30%学期末に授業内容の理解を確かめる試験を行う。レポート0%平常点70%初回を除く各授業で行うワークへの取り組みと授業参加の姿勢を評価する。その他0%科目名哲学専門講義3(中世哲学)なぜ何も無いのではなく、何かが存在するのか担当者名小山田圭一哲学コース2単位春学期火曜日2時限2年以上―合併科目―授業概要哲学は驚きから始まる(プラトン、アリストテレス)。ところで、ものごとが存在することは驚くべきことである。最大限に驚くべきことかもしれない。だとすれば、<何かが存在すること>への驚きからも哲学が始まるとしてよいだろう。考えてみれば、物質的なものであれ、観念的なものであれ、その他いかなるものであれ、それが存在するとはどういうことか。何秒後かには別のものになるという変化はあっても、綺麗に消失するような変化が全く見られないのはなぜなのか。無いこともできるかもしれないのに、何かが在るのはなぜか。こうした問いへの解答に何らかの見当をつけることはできるか。こうした課題について、中世哲学の様々な主張や理論的概念をヒントにして考えていきたい。この講義において取り上げられるのは、例えば、神の存在証明、存在(esse)と本質(essentia)、無限遡行の不可能性、可能態・現実態、能力などである。こうしたことに関する議論を踏まえつつ、なぜ何も無いのではなく、何かが存在するのか、という問いについて考察を深めていきたい。授業の到達目標副題に掲げた問題に対する考察を通して、中世哲学における代表的な形而上学的理論を学習し、各自が哲学的な問題に対処するのに必要な知見を得るための参考や補助として活用できるようにする。成績評価方法試験0%レポート100%授業内容を理解しているかが70%、授業内容を踏まえて自分で考えを深めているかが30%の割合で評価します。平常点0%その他0%科目名哲学専門講義4(フランス哲学/現代哲学)現代における思考のプラクシス担当者名西山達也哲学コース2単位秋学期火曜日4時限2年以上―合併科目―授業概要私たちは、なぜ、どのような時に、思考するという行為をおこなうのだろうか。なぜ私たちは、時として思考停止に陥り、あるいは突然、何かに取り憑かれたように思考を開始するということがあるのだろうか。思考はそもそも何を〈為す〉のだろうか。フランス近現代の哲学は、思考するという行為をめぐって、たえず自己反省を積み重ねてきた。そのよく知られた例がデカルトのコギトであり、パスカルのパンセであるが、こうした探求は現代哲学において発展的に継承されている。本講義においては、現代フランスの哲学者たちが思考というプラクシスをめぐって展開した様々な学説を概観する。講義の第一の目標は、これらの学説を理解し、比較検討する技法を身に着けることにあるが、同時に、それらがいかなる歴史的文脈において形成されたのか、哲学以外の領域(人文科学の隣接領域、自然科学、芸術、宗教思想、等々)からいかなる影響を受けたのか、そして新たな時代にいかなる発展可能性を有するかという点にも意識的でなければならない。授業の到達目標20世紀フランス哲学の特殊性と普遍性を学ぶことで、混沌とした現代世界を考え抜く思考力を身に着けることが最終目標となる。成績評価方法授業は基本的に講義形式で進める。期末レポートおよび毎回の授業に対するレスポンスカード、授業時の積極的な質問、討議への参加を成績評価の対象とする。科目名哲学専門講義5(宗教哲学/キリスト教思想)担当者名西村雄太哲学コース2単位秋学期木曜日2時限2年以上―合併科目―授業概要宗教哲学とは、人間理性によって宗教という現象を理解しようとする哲学の一分野です。すでにこの言葉そのものに語義矛盾を感じる人も多いでしょう。一般に宗教の原理は信じることにあり、哲学の原理は理解することにあるからです。本講義では、この一見矛盾するような宗教哲学という営みについて、その内実を明らかにするため、様々な側面から検討を加えていきます。その際、常に問題となるのが、絶対的・無限定的存在としての神という観念です。有限的存在でしかなく、その有限性により絶えず心の騒乱を覚えざるを得ない人間が、最終的に選ぶべき最善の道は何か、その点について哲学することが本講義の目的です。授業の到達目標宗教の存在理由や意義、あるべき宗教の在り方などについて説明できるようになる。神、存在、知性、生。これらの概念の関係性を学ぶことで、西洋哲学の歴史において、なぜ神が常に問題とされてきたのかに講義―141―

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