文化構想学部シラバス2021
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科目名地域・都市論担当者名下村恭広構築2単位春学期金曜日5時限2年以上―合併科目―授業概要都市空間は建物や人々が単に雑然と集まっているだけに見えるが、そうした建造物群やそれらを生み出す人々の分布を丁寧に観察すると、実はある種のパターンが存在することがわかる。このパターンを都市の空間構造と呼ぼう。このような空間構造の成り立ちには、どのような要因が働いているのだろうか?様々な都市を比較したり、ひとつの都市の過去と現在とを比較すると、社会変動に伴って空間構造も変化していくことが分かる。この授業では、現代の東京を中心的な考察の対象に据え、以上のような都市の空間構造の社会的側面を理解するための手だてについて、都市社会学および隣接する諸分野(地理学や都市史など)の知見を紹介しながら解説する。授業の到達目標東京の社会-空間構造の特徴について、社会学的概念を用いて説明できるようになる。現代都市の社会-空間構造の変容過程について、社会学的概念を用いて説明できるようになる。成績評価方法試験70%学期末に実施するレポート30%授業期間中に複数のレポートを課す平常点0%その他0%科目名アジアの地域・都市の歴史開拓・入植・開発からアジア社会の地域史を編む担当者名清水美里構築2単位秋学期無フルOD2年以上オープン科目合併科目フルオンデマンド授業概要この授業では、アジアの社会・文化が歴史的交流あるいは衝突、断絶を経ながら多様性をもって形成されたことを学ぶことを目的とします。地域は台湾を中心に東アジア・東南アジアを対象とし、開拓・入植・開発、地域間交流の事例を見ていきます。また、国家のレベルではない民間交流の可能性を考えていきます。アジア世界は多様性をもつ一方でそれぞれの社会が歴史的に重層的なかかわりをもちながら形成されてきました。それぞれの文化の相違は国家の形態や民族の捉え方、土地不動産の所有、金融などの近代システムの受容においても見て取ることができますが、それが現在の状況にあるのは、歴史的な交流、衝突や断絶の結果でもあります。この授業では、アジアとは何かということを問いながら、アジアの各地域・都市の歴史を考察していきます。授業の到達目標国際関係の変化が国家間のパワーバランスのみならず、地域社会や個人のレベルにまで影響してきた歴史への想像力を身につけ養うこと。そして、歴史的思考を元に自己の文化を自明とせず異文化と向き合い、建設的な多文化共生社会の実現や持続可能な開発目標への議論を提供できることを到達目標とします。成績評価方法試験0%レポート70%ミニレポートを2回課します。課題を的確に把握し、他者理解に寄与するものであるかどうか、論理的考察がなされているかどうかで判断します。平常点30%授業内容に関するレスポンスシート等。その他0%科目名環境変容と地域・都市の社会変動環境問題と震災の社会学担当者名西城戸誠構築2単位秋学期無フルOD2年以上オープン科目合併科目フルオンデマンド授業概要本講義では、自然環境や生活環境の変容と地域・都市における社会変動の関連について、主に日本国内の事例を用いて解説する。講義の前半は、日本における環境問題の歴史と環境破壊の社会的なメカニズムを把握するための環境社会学の分析視角を学ぶとともに、地域・都市の社会変動が環境問題を引き起こした側面と、環境問題の解決のために地域の人々がどのような対応をし、地域・都市がどのように変動したのか(公害反対運動、反・脱原発運動など)という点に着目し、具体的な事例を紹介しながら講義する(前者については産業公害・大規模開発公害、生活公害の事例、後者は反・脱原発運動の事例を紹介する)。講義の後半は、東日本大震災と福島第一原発事故に関する被害の状況と、復興プロセスや、今後の防災にあり方に関して地域社会学、環境社会学、災害社会学の知見を紹介する。授業の到達目標環境問題や環境破壊のメカニズムに関する環境社会学の概念、分析視角について理解できること。環境変容に対する地域社会の人々の動態について理解を深めること。自然災害(地震、津波)と原子力災害における被害の諸相と、復興過程や防災のあり方に対する社会学的な視点を理解できること。成績評価方法試験:70%、平常点(コメントペーパーなど):30%。試験ができない場合はレポートとする。講義―128―

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