文化構想学部シラバス2021
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授業の到達目標武家法を素材に前近代日本史の基礎知識を獲得し、その特質を理解すること。成績評価方法試験100%期末に筆記試験を行う。レポート0%平常点0%その他0%科目名民衆世界論神社をめぐる民衆史担当者名徳永健太郎構築2単位秋学期月曜日2時限2年以上―合併科目―授業概要日本の神様と民衆世界との関わりといえば、何を思い浮かべるでしょうか。初詣や七五三、縁結び、厄年のお祓い、あるいは合格祈願など、神様は現代に生きる私たちにとっても関わりの深い存在だといえるでしょう。しかし神社や神道と言い換えた時、私たちとの関わりは急に疎遠なもののように感じられてしまいます。かつて神社や神道は民衆世界のなかにあり、仏教とともに社会のなかで大きな宗教的役割を占めてきました。しかし近代以降、従来の神仏習合は否定され、明治国家のもとで国家神道が体制化されていきます。敗戦後に制度として解体され、現代に至るものの、神社は今なお国家との関係を引きずっており、民衆世界のなかでの位置づけが非常に見えにくいことは否めません。現代の神社や神道をめぐる政治的な動向からは、むしろ民衆世界と隔絶した国家とのつながりを求めているようにさえみえてしまいます。そこでこの授業では、民衆世界と神社、国家という三者の関係を歴史的に問い直し、民衆世界のなかに神社を位置づけていくことを試みていきます。それは神社と国家との関係性を、民衆世界の視座から相対化することでもあります。神道を掲げる言説のなかには、現実に神社を担ってきた民衆世界の主体性や神社の歴史的展開を顧みることなく、ひたすら神代や古代の本質を追い求めようとする向きもあります。しかしそうした国家とのつながりだけで神様は民衆に支持されてきたのでしょうか。この授業では、そうした見方に対する批判的な立場から、あくまで民衆世界との関わりのなかに神社を位置づけていきます。本質を追い求める視点にはあたかも黄昏時の現象として映るような、神仏習合以降の時代にみえてくる民衆との関わり、神社の歴史的展開こそが、現代につながる神社の歴史だといえるからです。またそこから、歴史に伝統や本質といった不変性を求めようとする、現代の歴史をめぐる視線のありようへの相対化といったことについても考えてみたいと思います。授業の到達目標・一般的な神社・神道言説を歴史的に検討する視座と知識を習得する。・民衆史をめぐる視座と知識を習得する。・歴史学、特に中世を中心とした学説展開史の概要を理解する。・授業内容の把握と理解を通じて、歴史的な批判検討能力の涵養をはかる。成績評価方法試験0%レポート60%民衆世界のなかに神社を位置づけていく上での歴史的な論点を授業に即して理解し、民衆世界と国家・宗教との関係とその変容について、各自が自分なりの観点から具体的に把握できているかどうかを評価します。平常点40%リアクションペーパーの提出状況や授業への参加度を総合的に評価します。その他0%科目名近代日本社会論風刺画でたどる近代日本担当者名藤野裕子構築2単位春学期無フルOD1年以上―合併科目フルオンデマンド授業概要本講義では、明治維新以後、新聞・雑誌などに掲載された風刺画を時系列にそって読み解くことをとおして、近代日本の政治・社会と、そこを生きた人びとの文化にアプローチします。講義で取りあげる風刺画は、外国人の手によるもの、政治的な内容のもの、社会の風潮を批判するものなど、多岐にわたります。それらが描かれるにいたった政治・社会的な背景や描き手の意図・メッセージを、文献史料と重ねあわせながら、読解していきます。授業の到達目標1.風刺画をたどりながら、近代日本の政治・社会・文化の変容を理解する。2.文献史料と照合しながら、図画史料を読解する力を身につける。成績評価方法試験0%レポート60%期末レポート平常点40%授業への参加度/コメントペーパーの内容その他0%科目名アジア地域社会論言語の思想−19世紀から21世紀の中央・内陸アジアの諸民族を中心に担当者名荒井幸康構築2単位春学期月曜日3時限2年以上オープン科目合併科目―授業概要アジアにおける言語改革、言語の近代化の一つの流れを追う。はじめはトルコ・イランからテュルク系の諸民族を経て、ソビエト連邦のさまざまな民族、さらに中国の少数民族の言語政策に至るまで波及してゆく流れを検討する講義―125―

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