文化構想学部・文学部
4/32

 事実を追究して知ることが学問だとすると、それだけで終わらないのが人文学です。「人間とは何か」を探究する学問である人文学は、その道のりにおいて、研究対象に自らを重ね「自分はどう思うのか」を問うことなしには成り立ちません。言うなれば「われ思う、ゆえに人文学あり」。人文学とはジブン学なのだと、言葉遊びも込めて表現したいですね。 例えば文学の場合、作品を読んで作者が言いたいことを考える高校までの国語の授業と違い、大学の学びでは「自分はそこに何を見いだし、どう思うのか」が重要になります。さらに「なぜそう思うのか」を、根拠を示して論証していくことが求められます。その作業は、自分の心の動きを、外部との関係の中で捉え直し考察していくことであり、そこに正解はありません。学生の数だけ異なる読み方があり、議論を深めていく面白さを体感できるはずです。 人文学の教養は、その人自身に人間としての幅を与えます。培った「論じる力」はこの先、価値観や文化の異なる人々と協業していく助けになるでしょう。世の中のほぼすべての仕事は、人間による人間のためのものであり、大学で「人間とは何か」を突き詰めて考えた経験は、必ず活きてくると思います。School of Culture, Media and Society文化構想学部専門は英米文学、現代英米演劇。早稲田大学第一文学部卒業。ロンドン大学修士課程修了、早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。中央大学助教授、早稲田大学文学部助教授などを経て2003年より同文学学術院教授。仕事と趣味を兼ねる舞台鑑賞は年間300本に上る。Odashima Koshi小田島 恒志教授Q.1いろいろなタイプの人がいること。多様な学生の「自分はどう思うか」に触れることで、探究はさらに深まります。人文学を学ぶ上で早稲田大学の魅力は?Q.3英文学者の父の影響が大きい ですね。父がいつも友人の作家たちと楽しそうに文学論を戦わせている姿に、自分もこんな大人になりたいと憧れました。高校までは理系だったとか。大学で英文学を専攻したきっかけは?この続きはWebでイギリスの作家D.H.ロレンスの戯曲に注目し、舞台の上での肉体を通した表現という観点から研究を続けています。注力している研究テーマは何ですか?Q.2ジブン学 人文学とは である。早稲田大学では様々な出会いがあった父(中央)、息子(右)とのひとときINTER[3

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る