学部入学案内
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脳の細胞の個性や秩序が 形作られるメカニズムを探る脳の表面を覆う大脳皮質は多様な細胞で構成され、一つの細胞が時には数千個の接続を介して細胞同士の複雑なネットワークを形成しています。個性豊かなこれらの細胞は、元はごく少数の幹細胞が幾度も分裂と分化を繰り返してできたものです。私たちの研究室ではこの発生のプロセスにおいて、細胞がどのように個性を獲得し、集団として脳の情報処理機能を担っていくのかを解析しています。これまでの研究から細胞の個性を決める重要な要素として、遺伝子プログラム、周囲の細胞との相互作用、外からの刺激に対する応答、の3つを私たちは考えています。その仕組みについてはまだ分からないことが多く、実験の結果が予想に反することもあり、まったく新たな仮説が浮上することも往々にあります。そうした試行錯誤の道のりも自然科学研究の醍醐味と言えます。私自身も早稲田大学の出身ですが、その後海外のさまざまな大学や研究機関で活動して実感したのは、早稲田で培った自主性やコミュニケーション能力は、世界に通用する一生の財産になるということです。自由な校風の中で皆さんも経験の幅を広げ、論理的思考力と実行力の両方を磨き、研究活動の礎にしてほしいと願っています。研究では共焦点レーザー顕微鏡や遺伝子導入などを用いて細胞を生きたまま観察したり、分子のはたらきを調べたりします。生物学専修の 研究室が入る早稲田大学先端生命医科学センター(TWIns)は共用の 大型実験機器や分析装置も充実していて、技術職員による機器の利用 ガイダンスもあり、非常に恵まれた環境で研究活動を行えます。共用の実験機器やサポート体制も充実大脳皮質を顕微鏡で観察すると、細胞がきれいな法則性を持って並び、バウムクーヘンのような6層の構造になっているのが分かります。これらの層はさらに視覚・聴覚・体性感覚野ごとに厚みが異なり、三次元のネットワークを構築しています。少数の幹細胞からこの秩序だった機能構造を形成する仕組みの解明に挑んでいます。整然とした法則性を有する脳の構造早稲田大学教育学部理学科生物学専修卒業、同大学院理工学研究科博士課程修了。博士(理学)。米国スローンケタリング 記念がんセンター研究員、ニューヨーク大学スカーボール 生物分子医学研究所研究員、理化学研究所大脳皮質発生研究チームリーダーを経て2017年より現職。専門は発生生物学。花嶋 かりな Hanashima Carina教育学部 理学科 生物学専修 教授37の早稲田で探求力を磨く世界で輝く

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