学部入学案内
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Spirit早稲田大学を「世界で輝くWASEDA」にする―これが、総長として実現 を目指し取り組む大きな仕事です。世界トップクラスの大学へと、本学が さらなる進化を遂げるためには、2012年に策定された「Waseda Vision 150」を次のステージへと進めることが重要になります。その考えのもと、 早稲田大学の新たなグランドデザインとして、「研究の早稲田」「教育の 早稲田」「貢献の早稲田」の3本の柱を掲げました。これらは、建学の理念 である三大教旨に合致し、創設者・大隈重信の精神を現代に継承するものです。本学の学部教育では特に「基盤教育」の整備に力を入れています。これ は大学で学問を学ぶために必須の、なおかつ社会に出ても知的職業に就く 場合に不可欠なアカデミックツールを学ぶもので、所属する学部を問わず、 ①英語での発信力、②日本語の論理的な文章作成能力、③数学的な思考力、④統計学の知識、⑤情報科学の知識の5つを修得することができます。ほかにも、専攻する分野以外の考え方などを学ぶ「教養教育」も一層充実 させていきます。フィールドワークやアクティブ・ラーニングを導入した教育 など、人間的力量を育成する教育プログラムの整備も進めています。このように、早稲田大学は絶えず進化を続けています。その一方で、変わることなく大切に受け継がれる伝統があります。「早稲田の今」を知る一助に、このガイドブックを活用してほしいと思います。研究・教育・貢献の3本柱を掲げ、世界で輝くWASEDAへ早稲田大学での学びを通して、「たくましい知性」と「しなやかな感性」 をぜひ身につけてほしいと考えています。「たくましい知性」とは、答えの ない問題に挑み、自分の頭で考え抜く力です。現代社会の問題の多くには、 答えがありません。時には何が問題なのかすら、分からない場合もある でしょう。こうした難問に対し、自分なりの仮説を立てて解決案を提示し、 それを裏付ける根拠やデータを示す。うまくいかなければ原因を探り、仮説 を立て直す。そうした「たくましい知性」を、学部での専門教育や、先に挙げた基盤教育を通して磨ける環境が本学には整っています。二つめの「しなやかな感性」は、異なる国籍や言語、宗教、文化、価値観 などを持つ人々に敬意を持って接し、理解する感性です。年間約7,900人 以上の外国人留学生を受け入れ、約4,600人の学生を海外に送り出す早 稲田大学は、しなやかな感性を養うには、この上ない環境と言えるでしょう。 日本一の水準を誇る国際性豊かなキャンパスに身をおき、さまざまな国籍の 学生や教職員と日常的に交流するなかで、多様性を考え、認めて受け入れる 経験を積み重ねてほしいと思います。また、在学中に一度は海外に留学し、 中長期間は住んで学び、外から日本を見てみてください。その経験を通して 獲得できるグローバルな視点は、将来、世界や日本のどこで仕事をするにしても強みとなるだけでなく、皆さん自身の人間的価値を高める財産にもなるはずです。答えのない問題に自分なりの解決策を提示する力を磨こうたくましい知性としなやかな感性を磨き答えなき課題に挑むグローバルリーダーに学生の自由闊達な主体性を大切にする風土は、本学の伝統であり誇りでもあります。学問はもちろんのこと、芸術、文化、スポーツなどジャンルを問わず、自分のやりたいことに打ち込める場が必ず見つかるはずです。万一、見つからなければ、自分で一から新しく作り出すこともできます。また、社会に貢献したいという意志を持った学生が多いことも早稲田 大学の伝統です。毎年1万人を超える学生がWAVOC(平山郁夫記念ボラン ティアセンター)に登録し、国内各地の被災地をはじめ、海外でも活動して います。企業や自治体と連携して課題解決に取り組む教育プログラムも充実 しています。これらの経験を通して、在学中から社会と関わりを持ち、多くの 刺激を受けながら、世の中に貢献する実感をつかむことができるでしょう。 皆さんの中には、人の役に立ちたいけれどその方法が分からない、あるいは、自分が何に関心があるのかが分からない、という人も少なからずいると思いますが、心配は無用です。無限の可能性の中から、自らの力でそれら を探り出すことができる環境が、早稲田大学にはあります。「たくましい知性」と「しなやかな感性」を糧に、世界や地域が直面する 答えのない課題にも果敢に挑む人材を、早稲田大学は送り出していきます。 早稲田で学び、人類社会に貢献するグローバルリーダーになる。そんな気概を持つ皆さんと、キャンパスで出会えるのを楽しみにしています。在学中から社会に貢献する実感をつかみ、進む道を探る手掛かりに

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