学部入学案内
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好奇心を原動力に最先端の動きを捉えバトンをつなぐ外国の法律の中でも特に、イギリス、アメリカ、さらにはヨーロッパ全体の法律を専門にしています。英米の法律は、日本が明治時代以降に法律を作る過程で参考にした対象の一つであり、日本の法律のルーツに当たると言えます。一方、ヨーロッパの法律であるEU法は、戦後に新しく出てきた法体系で、国境を超えたリージョン(地域)にまたがる法律という点で、世界でも珍しい存在です。ヨーロッパの人々がEU法と向き合う中で得てきた知見やアイデアを参考にしながら、今後のアジアの国々の関係強化に、法の側面から貢献したいと考えています。研究者として私が日頃心がけているのは、国内外の最先端の動向に広くアンテナを張り、世界共通で起きている事象や、これから顕在化しそうな問題をいち早くキャッチすること。そしてそれを既存の法学の概念に翻訳して各分野の研究者に手渡す、いわばリレーの第一走者の役割が、基礎法学である外国法を専門とする私の務めだと捉えています。研究に好奇心は必須要件であり、新しいことに挑戦する原動力にもなっています。知識や機会、人との出会いに対して貪欲であれゼミや講義では基本的に、最初に私が質問し、学生が答え、それに対して私やほかの学生がまた質問し、答える、という対話方式の「ソクラティック・メソッド」を取り入れ、学生ができるだけ主体的に学べるよう工夫しています。私が学生の皆さんに身につけてほしいのは、法律の知識そのものよりも、問題を整理して考え、バランスよく解決できる力です。これは将来どの道に進んでも必要になる力であり、過去から現在までの「もめごと解決の知恵」が集積された法学部だからこそ培える力とも言えます。さらに早稲田の法学部は、法学以外の語学や教養の科目も非常に充実しています。このカリキュラムを活かして、法学の専門的な方法論を中心に据えながら、なおかつ各自の興味関心に沿って自由に学びを深めてほしいと思います。将来の目標や就きたい職業というのは、しばしば偶然の出会いをきっかけに具体化していくものです。だからこそ大学時代は、あらゆる知識や機会に対して貪欲な姿勢を持ち、積極的に外に出てたくさんの人と出会うことを大切にしてください。法学部の学びを通して身につく「もめごとを解決する力」はどの道に進んでも必ず役に立つMESSAGE FROM PROFESSOR法律主専攻と副専攻の履修モデルを設定法律主専攻履修モデルは、法曹(裁判官・検察官・弁護士)を目指す「司法・法律専門職」、法律の知識を企業で生かすための「企業・渉外法務」、外交官、公務員、ジャーナリストを目指す「国際・公共政策」の3つを用意しています。また、副専攻履修モデルは、グローバル社会で活躍するための言語文化圏研究等と法律学に隣接する社会科学系の学問領域から構成されています。導入教育の徹底と少人数教育の充実1年次には法律を学ぶための導入として法学入門(講義)と導入演習が開講され、法の基礎理論の学習、法律文献の検索・引用方法、小論文・レポートの書き方、ディベートの方法等を訓練します。さらには2年法学演習、2年次秋または3年次から4年次までの法学演習(主専攻ゼミ)、および教養演習(副専攻ゼミ)を用意しており、4年間を通して少人数制による対面教育を充実させています。中村 民雄Nakamura Tamio法学部 教授法学部School of Law4年次3年次2年次1年次※3年次春開始の主専攻ゼミ・副専攻ゼミもあります。全学オープン科目等その他選択必修科目必修科目会計トラック経営トラックマーケティング・国際ビジネストラック金融・保険トラック経済トラック産業トラック総合学際科目外国語専門科目学術的文章の作成思想と芸術/人間と環境/社会と歴史/科学と技術/演習科目(プロゼミ)専門教育科目専門基礎科目総合教育科目共通選択科目外国語科目導入教育(講義・演習)春秋法律基礎、外国語、教養の学習 法律専門分野、副専攻の選択、学習法律専門分野、副専攻の発展的学習春秋春秋春秋一般教育科目導入教育(演習)主専攻ゼミの選考2年法学演習外国語科目部部主専攻法学演習(主専攻ゼミ)※教養演習(副専攻ゼミ)※共通選択科目所属トラック決定ゼミ (3・4年次)少人数で専門のテーマについて調査、分析、プレゼンテーション、ディスカッションなどの活動を行い高度な研究を進めます。英語/ドイツ語/フランス語/スペイン語/中国語/朝鮮語4年次3年次2年次1年次■ カリキュラムの特色29

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