学部入学案内
122/196

神経科学に関する研究への社会的ニーズが高まっている 人間の脳は神経幹細胞と呼ばれる母細胞が分裂しながら、さまざまな役割を持つ神経細胞(ニューロン)を生み出すことで発達していきます。脳には膨大な数の神経細胞があり、それらが相互に関係し合って脳が持つ複雑な機能が維持されているのですが、うつ病や統合失調症、アルツハイマー病などは、こうした脳の働きに変化が生じた場合に引き起こされます。脳の仕組みの解明や神経幹細胞の働きに影響を及ぼす遺伝子の研究が進むことで、こうした病気の治癒につながることが期待されており、神経科学に関する研究への社会的ニーズが高まってきています。 人間に関わる全ての事象を研究対象としている人間科学部で神経科学を研究することの意義としては、他領域への広がりを意識できるという点が大きいでしょう。例えば、人の好き嫌いを司るとされる脳の扁桃体の仕組みを理解すると、人間同士の相互作用や社会性についての研究へ応用することができます。学問領域の“壁”が取り払われている学部だからこそ、行動分析学や心理学、文化人類学といった分野から多角的な思考を巡らせるためのヒントを得ることができるのです。興味や関心の移ろいにも柔軟に対応できる学部環境 人間科学部は学科間の垣根も低く、他学科の授業やゼミの履修も可能です。心理学に興味があって入学してくる学生も多いのですが、心理学の研究を進めていくにつれて心理的事象の一因である脳の仕組みを知りたくなった、と方向転換する学生もいます。そうした柔軟性の高さも学部の強みであり、実際に私のゼミでも学科はもちろん文科系、理科系も異なる学生たちが活発に交流しています。ゼミでは論文精読による知識の習得と、遺伝子実験や細胞培養などの実験による手技の習得を柱としながら、実際の脳を見る機会もあります。これは他大学で実施している脳の解剖を見学させてもらっているのですが、手で触れ、重さや質感を感じる体験は学生たちの研究に対するモチベーションを高めてくれています。  学生たちの興味、関心の対象は多岐にわたるため、自ずと研究テーマも一人一人異なります。それが教員として彼らを指導する上での面白さであるとともに難しさでもあると感じますが、さまざまなバックグラウンドを持った学生たちが集う環境は刺激に満ちています。学問領域から学生、教員に至るまで、すべてにおいて文理が融合した環境に身を置く楽しさを感じながら、卒業後いかなる分野に進んだとしても活かせる汎用性の高い学識と、俯瞰的な視点を養ってほしいですね。学問領域の“壁”が取り払われていることにより多角的な思考を巡らせるためのヒントが得られる榊原 伸一 Sakakibara Shinichi 人間科学部 健康福祉科学科 教授月火水木金土1時限 9:00 10:30心理学概論進化論2時限10:40 12:10ドイツ語会話入門Ⅰ人間計測・人間情報モデリング家族社会学社会予防医学3時限13:00 14:304時限14:45 16:15スタディスキル・学生生活とセルフマネジメント環境シミュレーション実習ドイツ語基礎ⅠCurrent TopicsⅠ5時限16:30 18:00データリテラシーⅠ6時限18:15 19:45基礎ゼミ7時限19:55 21:25※掲載されている情報には2017年4月時点で名称変更があったものや 開講されていないものが含まれます。■ 時間割モデル 【1年生の例】不動産・建設3.9%旅行・運輸5.8%商業9.5%金融22.8%メーカー12.5%教育1.9%教員0.2%公務員8.6%非営利0.7%専門サービス12.0%その他0.2%エネルギー0.4%情報通信13.8%マスコミ7.7%■ 進路実績主な就職先 ※2017年4月20日現在、キャリアセンター調べ三井住友銀行(7)/東京海上日動火災保険(6)/みずほフィナンシャルグループ(5)/三菱東京UFJ銀行(5)/大和証券(5)/第一生命保険(5)/三井住友海上火災保険(5)/三菱UFJ信託銀行(4)/あいおいニッセイ同和損害保険(4)/エヌ・ティ・ティ・データ(NTTデータ)(4)/アクセンチュア(4)/富士通(3)/三菱電機(3)/住友商事(3)/花王カスタマーマーケティング(3)/バンダイ(3)/千葉銀行(3)/野村證券(3)/三井不動産リアルティ(3)/ワークスアプリケーションズ(3)/トーカイ(3)/東京都職員Ⅰ類(3)/山崎製パン(2)/日本経済新聞社(2)/キャリアデザインセンター(2)/マイナビ(2)/日本アイ・ビー・エム(日本IBM)(2)/パナソニック(2)MESSAGE FROM PROFESSOR*人間科学部では、学科の縦割り的な構造を越えて、それぞれの学問領域をまたがって多くの視点から学べる学際的なカリキュラムを用意しています。120

元のページ 

page 122

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です