学部入学案内
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カリキュラムの特色1年次の基礎教育を経て、2年次からコースへ進級する「1・3制カリキュラム」を導入しています。1年次では資料検索のノウハウ・論理的思考能力・表現能力の基礎を養う必修基礎演習・基礎講義や基礎外国語・必修英語などを重点的に履修します。2年次以降は18のコースに分かれ専門性を磨いていきます。各コースの教育体系に沿って専門演習が設置されており、卒業論文につなげていきます。1年次に英語と基礎外国語(フランス語、ドイツ語、ロシア語、中国語、スペイン語、イタリア語、朝鮮語の各言語の中から1つ選択)を重点的に学びます。2年次からは、各自の目的(留学、資格取得、大学院進学等)や関心に従って体系的に学べるよう、多彩な外国語科目を開講しています。文学部と文化構想学部は、外国語科目と講義科目を「ブリッジ科目」として共有しています。両学部を合わせたスケールメリットを最大限に活かして約1,000科目を設置。文化・人文、社会の各分野にまたがる古典から新領域まで学ぶことができ、各々の興味に合わせてダイナミックな学問の広がりを体験できます。コースを超えて履修でき、フィールド実習、ボランティア実践、専門特殊研究などの科目も用意しており、自身が取り組みたいテーマについて多角的に学べます。外国語、演習など、教員と学生との直接的なコミュニケーションが必要なシーンでは、きめ細やかな少人数教育を実施しています。スケールメリットを活かした多様性と“face to face”の親密なコミュニケーションを両立させた教育の場を実現し、広い視野や豊かな人間力を構築することができます。基礎を知り、専門を磨く1・3制カリキュラム外国語教育の充実他に類を見ない多種多様な「ブリッジ科目」徹底した少人数教育を展開MESSAGE FROM PROFESSOR少年たちの“心”に寄り添う「非行臨床」 犯罪や少年非行の事件は連日のようにテレビや新聞で報道され、途切れることがありません。昨今は犯罪や非行の内容が複雑化していますが、「非行は世を映す鏡」と言われるように、非行に走る少年たちは時代や社会の影響を受けやすく、「面白そうだから」という軽い気持ちで犯行に及ぶ危うさもあります。 私は、20年近く法務省矯正局に勤務し、犯罪者や非行少年に対して臨床心理学の知見を持って心に寄り添いながら、立ち直りを支援してきました。日々少年たちと接するうちに、大切なのは犯罪・非行を防止することだと考えるようになり、「予防するにはどうすべきか」を研究するために、大学で「非行臨床」に取り組むことにしたのです。 「非行臨床」とは、非行に走ってしまった少年少女を対象とした臨床心理学の一つのジャンルで、「なぜ非行に走るのか」「更生にはどのような支援が効果的か」「予防する手立てにどのようなものがあるか」などがテーマです。しかし、心理学的なアプローチのみでは予防や更生への道筋を明確に示すことはできません。政治、経済、法律、教育などの視点と心理学の視点を融合させることが肝要なことから、非行臨床は学際的な学問領域であるとも感じています。非行少年への理解は“人”への理解に通じる 大学での学びは、ある物事や課題に対してどのように「考え、対処するか」のプロセスを身につけることと、とらえています。私のゼミでは、まず犯罪者や非行少年の事例を数多く学生に見てもらうことから始めます。その上で、「彼らと同じ境遇に自分がなったらどうするか」を考えてもらいます。人の心に寄り添うにはイメージすること、共感することが重要だからであり、「犯罪を起こす」という非日常的な物事を、いかに自身にも起こり得ることとして考え、対処しようとできるかが問われます。こうした過程で、想像力や共感性が磨かれていくわけですが、これらは一般的な“人”を理解するためにも必要な資質であり、犯罪者や非行少年を理解しようとすることは、そうした境遇にない人たちを理解することにも通じると言えます。 心理学は実験や調査・分析も含む科学的な学問であり、机上の空論に陥ることなく、しっかりと社会の現実を見据えながら研究をしていくことが大切です。そうして身につけた心理学的な考え方は心理の専門職だけでなく、福祉、学校教育といった職種はもちろん、一般企業などへの進路をとる場合にも、活きてくることでしょう。社会に適応できず非行に走る少年たちその予防と更生の道筋を心理学の面から研究文学部心理学コース 教授藤野 京子Fujino Kyoko政治経済学部法学部教育学部商学部社会科学部国際教養学部文化構想学部基幹理工学部創造理工学部先進理工学部人間科学部スポーツ科学部文学部95

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