学部入学案内
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早稲田大学は、日本の文化を主導する多くの人材を文学界、出版界、ジャーナリズム、メディアの世界に輩出してきました。本論系では、純文学からエンターテインメントまでを含む小説・詩歌・シナリオ・戯曲・批評・評論・随筆・エッセイといった文芸諸ジャンルの実作者の育成、日本語の質の高い翻訳者、文学性に富み方法論に習熟した研究者および批評家を育成するほか、美術・映像・演劇・音楽批評など幅広い領域を横断的に学ぶことができます。さらに、雑誌の編集や書籍の制作・出版に携わる人材、あるいはテレビなどのヴィジュアル・メディアを介して文芸をプロデュースする人材、書籍や書物の流通や販売、書店の経営に携わる人材の育成にも応えていきます。文芸・ジャーナリズム論系文芸創作に関わるさまざまな専門教育を展開する文芸創作プログラム小説家、詩人、翻訳者、劇作家、脚本家など、文筆に携わる人材の育成を目的とし、さまざまなジャンルの文章表現・文芸創作全般にわたる授業を提供します。編集・ジャーナリズムプログラム雑誌・書籍などの活字媒体を編集制作する人材や、書物の流通・販売に携わる人材の育成を目的に、編集の視点から文学にアプローチする方法および編集実務、書店の可能性まで広範囲に学びます。テクスト・文化批評プログラム近現代の文学研究や文学理論、文学運動に触れる授業や、文学を文化やメディアの視点から見る授業、理論や方法論を学ぶ授業、サウンド批評、多角的な文化批評などを通じ、文学研究や批評の基礎力を養います。■主な科目(科目名称には副題等を含む)演習科目例小説表現 近代からの日本の文学 テクスト論 同時代文学論 翻訳表現 などブリッジ科目例20世紀小説表現史 文芸批評理論 文学とジェンダー 日本近代文学とマスメディア 横断文学論現代文学史 マイナー文学論 翻訳文化論 編集論 など現代社会の構造について、歴史的・文化的視点でのアプローチに基づく分析を中心に、社会現象の矛盾や問題点をえぐり出し、それらを克服すべき新たな社会構築の方法、それを担いうる主体のあり方を構想する教育・研究を推進していきます。本論系は、多様な民族・国家などに着目して、社会構造の基本的な編成のされ方を研究する社会構造論プログラム、地域・都市に焦点を当て現実に構築すべき社会のありようを探る地域・都市論プログラム、グローバルなレベルでの諸問題を克服して人々が共生できる社会のありようを構想する共生社会論プログラムで構成されています。歴史・文化に対する豊かな知識や認識を踏まえながら、社会の諸分野で能動的・実践的に活動することができる人材の育成を目指します。社会構築論系 歴史的に現代の問題点を捉え、新たな社会の構築を模索する社会構造論プログラム日本社会と西洋社会の成り立ちや、近代社会がはらむ問題点とそこからの脱却の道を考えることに軸足を置き、世界の国家・民族などのカタチを歴史的に見渡すとともに、社会進化の到達点としての現代社会の構造に目を向けます。共生社会論プログラム資本主義経済のグローバル化にともなう周辺社会の窮乏化や民族対立など、地球レベルで増大する社会的リスクの根を歴史的に問い直すとともに、フィールド調査を交えてグローバルな視野から分析し、人々がともに平和に生きていくための方法を考えます。地域・都市論プログラム実生活の場としての社会である地域・都市に対し、主に住民の自治という側面からアプローチします。地域・都市の形成過程を歴史的にたどるとともに現在のありようを検討し、その能動的な担い手を育成します。■主な科目(科目名称には副題等を含む)演習科目例戦後日本の社会構造を考える 「市場社会」の制度構造とその思想 コミュニティ/地域課題の発見・探求 都市・地域社会の解読 貨幣の社会学 などブリッジ科目例国家形成論 近代日本の社会制度と社会思想 現代日本社会論 地域・都市論研究 子ども支援論 国際教育論 平和・人権論 社会システム論 国家と軍隊 経済と社会 家族と社会 など精神文化論プログラム人間の本質としての精神文化が形成する「わたし」について、自己理解の成立(宗教学)・言語による自己の創出(ナラティヴ論)・心身の地平における主体の構築性(ジェンダー/セクシュアリティ研究)を通じて探究します。人間発達論プログラム現代に生きる人間がアイデンティティを構築し発達していく過程について、身体・心理・社会が織りなす多元的視点と、生涯にわたる持続的な視点から考察します。関係構成論プログラム現代社会が抱える人間関係や企業倫理、生命倫理などの多様な問題について、それを生み出す社会的メカニズムを客観的に把握し、どうすべきかを規範的に考えます。福祉社会論プログラム現代社会が直面する貧困や格差、障害と少子高齢化の問題などを通じて、人々の健康で文化的な生活とその多様な生き方を保障するとともに、自己実現と参加の機会を広げ高めていく社会のあり方を探求します。現代人間論系現代社会の人間の営みを多彩な学問や方法を用いて探究する古来からの「人間とは何か」という究極的な問いに基づきながら、「ともに生きる」をテーマに掲げています。現代を生きる人間の精神構造、倫理的問題、コミュニケーション、発達、福祉、人のつながりといった問題への多面的なアプローチを通して、現代社会の諸課題に高い意識で取り組めるたくましい叡智を備えた人材の育成を目指します。そのために、心理学、社会学、倫理学、宗教学、教育学、社会福祉学、文学などを基盤としつつも、既存の学問的枠組みを超えた融合と創造を目指し、新たな発想に基づくプログラムをバリエーション豊かに展開します。現代に軸足を置き、わたしたちが直面する具体的な課題を念頭に思考と論究を進めることで、その解決へと展望を開いていきます。■主な科目(科目名称には副題等を含む)演習科目例共在の技法 宗教と共同体 生の詩学/生の解釈 環境問題の論理と倫理 生命・医療の論理と倫理 サイバー空間の論理と倫理 個人化の社会学 心をみる 現代社会とセラピー文化 子どもの福祉と子育て支援 福祉社会の臨界 などブリッジ科目例現代人間論系総合講座 キリスト教と祝祭 ナラティブの理論 ユートピアと性 社会倫理学 応用倫理学 コミュニケーション論 グローバル化と日常生活 日常生活の社会学 個性の発達と差異 福祉社会論 児童家庭福祉論 障害学 など表象・メディア論系メディア・身体・イメージから表象文化を分析する人間が生み出してきた芸術文化活動を、「メディア」「身体」「イメージ」という3つのキーワードを切り口にして分析します。表象とは、世の中に存在する事物、観念、出来事などに何らかのイメージを与え、別の形にして表されたものです。そのイメージを媒介するものがメディアであり、これを手がかりに、表象を生んだ社会的・文化的状況を検証することが可能になります。メディア、身体、イメージという3つの視点を相互に交差させることで、芸術文化を見つめなおし、政治・経済の諸問題やテクノロジーの進化、諸文化の歴史的背景との関連性を考えていきます。また、現代人文諸科学の成果を活かし、多角的なアプローチで新たな文化研究の方法も模索していきます。メディア論プログラム伝統的な人文科学や社会科学に加え、領域を横断する複合的な視野から多様なメディアの諸相と将来を分析し思考します。メディアの現在・過去・未来を見通す広い視野と深さを兼ね備えた、総合的なメディア学の構築を目指します。イメージ論プログラム映像や造形芸術はもとより、言語芸術の中にもふんだんに存在するイメージを研究対象とし、時代やジャンルを超えて理論的・原理的に追究していきます。身体論プログラム身体は私たちに最も生きている実感を与えてくれるはずのものですが、現代のそれはバーチャル化され、実感を失い、浮遊しつつあります。そうした人間の身体とどのように向き合うべきかを考えます。■主な科目(科目名称には副題等を含む)演習科目例メディア原論 表象文化の政治経済学 イメージの記号論 テレビ文化論 芸能文化論 などブリッジ科目例メディア論 サブカルチャー論 メディア・アートとデジタル表現 オカルト芸術論 テレビ文化論写真論 広告イメージ論 アニメ・マンガ論 コンテンポラリー・アート など政治経済学部法学部教育学部商学部社会科学部国際教養学部文学部基幹理工学部創造理工学部先進理工学部人間科学部スポーツ科学部文化構想学部91

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