学部入学案内
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グローバル社会で活躍できる人材を育て世界に貢献する大学であり続けるために 早稲田大学は、建学の理念である「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」の三大教旨を教育・研究の原点としています。それを現代社会にふさわしい形で実現することを目指すのが、創立150周年に向けての将来計画「Waseda Vision 150」です。これは4つのビジョンをもとに改革を推進するもので、日本や国際社会の発展に貢献する大学としての姿勢を示しており、特に学部教育については、高い志と人間力・洞察力を備えたグローバルリーダーの育成を目指しています。 また、“Waseda Ocean構想”が文部科学省平成26年度「スーパーグローバル大学創成支援」のタイプA(トップ型)に採択されました。これは、日本を代表する研究大学として、世界に向けて大学を開放し、ダイナミックな頭脳の国際的流動の中で、教育・研究の質と量の飛躍的向上を目指すもので、これにより早稲田大学の改革はますます加速していくことが期待されています。 早稲田大学の卒業生は、社会のあらゆる分野で活躍しており、昔も今も高い評価を得ています。それは、大学の主役は学生であるという考え方を基本とし、「学生のために」という観点からすべての改革を進めていることに源泉があると言えるのではないでしょうか。 大学の本来の役割は、単に知識を伝授することのみにあるのではなく、各人がその潜在的能力を再確認し、自らの進むべき道を見出していくための基礎力を涵養するところにあると考えています。早稲田大学には自由と多様性を重んじる伝統と、それを実現するための環境があります。 勉強・研究面はもちろん、学術・文化・スポーツ等の活動に挑戦できる機会とともに、世界各国・日本各地から集まった個性豊かな学生たちと切磋琢磨する機会に恵まれています。インターンシップやボランティア活動など、社会との接触を通じて学ぶプログラムも充実しており、異なる文化や価値観を持つ人、立場の違うさまざまな人たちとの交流による人格形成が期待できるのは、本学ならではのものだと自負しています。 早稲田大学は学生数が多く、ともすれば大講義中心のマスプロ大学と思われがちですが、50人以下の対話型授業の割合は80%を占めています。また、返済不要の給付型学内奨学金の交付総額は年間約35億円で日本トップクラスの充実度を誇っています。こうした環境を積極的に活用し、学生時代にしかできないことに精一杯チャレンジしてください。 現代社会が直面する課題の多くは地球規模で考えなければならず、これからの大学教育は、グローバル化の視点を抜きにすることはできません。その点で早稲田大学は、さまざまな留学制度、実践的な外国語授業、英語の授業のみで学位を取得できる制度、国際水準のクォーター制などを整えています。また、86の国や地域の725の大学や機関と協定を結ぶなど、すでに教育・研究体制とキャンパスのグローバル化は日本随一の水準になっているのです。 外国人学生は5,000人を超え、海外留学などを体験する学生は年間約4,200人に及んでいます。他大学にはない大きな特徴は、同じ教室で外国人学生と日本人学生が一緒に学ぶことはもとより、サークル活動や生活面など、あらゆる場面において異文化交流が密に展開されていることです。例えば、国際学生寮WISHでは、日本人学生と外国人学生がともに生活を送り、「自ら考え、行動し、他者と協働しつつ成果を出すための人材」となるためのSocial Intelligence(SI)プログラムも実施されています。また、国際コミュニティセンター(ICC)では年間300以上のイベントを実施するなど、“早稲田スタイルの異文化交流”を展開しています。 みなさんの多くは大学卒業後に社会へ羽ばたくことになります。民間企業が自社の利益を追求し、国家公務員が自国の利益を追求するのは当然でありますが、それが人の尊厳と対立する場合は、大隈重信の「模範国民の造就」―世のため人のために尽くす人格の涵養―の理念が、各人の行動の規範として生かされるべきだと思います。早稲田大学で学んだ先輩たちには、この理念を体現した誇るべき人たちが数多くいます。 例えば、第二次世界大戦中にリトアニアの日本領事代理だった杉原千畝さんは、本国からの命令に背いて「命のビザ」を発給し続け、ナチス・ドイツの迫害から逃れてきた6,000人以上のユダヤ人難民たちの命を救いました。杉原さんは後に「外交官としてではなく人間として当然の正しい決断をした」と語っています。 学生時代は、自由な立場で自分の生き方を模索し、自分なりの価値観を形成することのできる人生で最も大切な時期です。早稲田大学を志すみなさんには、ここで自らの可能性を大きく育てるとともに、人類や世界に貢献するという志を培い、社会で活躍してほしいと願っています。自由と多様性の中で人間的成長を人類や世界のために貢献しようという志を「学生のために」という観点から改革を推進教育研究とキャンパスのグローバル化は日本随一“Waseda Vision 150”4つのビジョン世界へ貢献する高い志を持った学生Vision 1世界の平和と人類の幸福の実現に貢献する研究Vision 2グローバルリーダーとして社会を支える卒業生Vision 3アジアの大学のモデルとなる進化する大学Vision 47

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