学部入学案内
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 高校時代は陸上部で長距離に打ち込んでおり、大学ではエンジ色の襷をかけて箱根駅伝を走りたいという憧れを持っていました。しかし、いざ競走部に入部してみると、全国大会などを経験したライバルたちの走りにただ圧倒されるばかり。ひたすらに練習を続け、彼らと寮で寝食を共にしているうちに、メンバー争いに食い込めるだけの力が徐々についていきました。結果として箱根駅伝に出場できたのは4年生の時だけでしたが、苦楽を共にした仲間と襷をつなぎ、優勝できた喜びは何ものにも代え難い財産です。 「日本代表になりたい。」これは就職活動の時に私の軸となった思いであり、日の丸を背負って仕事がしたいと心に決めて就職先を選びました。現在は国内外の船舶取引仲介が主な担当業務で、日本の技術の結晶である船を世界に送り出すためのお手伝いができることに誇りを感じています。商社で取り扱う事業の多くが予め先を読み、そのための準備や手立てを考えることが求められます。「結果を出すためのプロセスをしっかりつくる」という点では競技と共通するものがあり、学生時代の経験が今に活きています。 勉強、スポーツ、仕事など何事においても、ライバルの存在は自分を高めてくれます。私自身、三菱商事という日本を代表する企業の“担当者=代表”としてお客様の前に立つために、日々の業務を泥臭く、丁寧に行うことで信頼を得てきました。いろいろな趣味嗜好を持ち、トップを目指す人が日本中から集まる早稲田で学ぶことは、まさにライバルの存在を身近に感じる環境に身を置くことといえるでしょう。切磋琢磨しあえる仲間と過ごす時間のひとつひとつが将来への糧となるはずです。ライバルは自分を高めてくれる存在仲間と切磋琢磨した経験が仕事に活きている在学中は体育会競走部に所属し、2011年第87回箱根駅伝に5区走者として出場。前年11月の全日本大学駅伝にも出場し、史上3校目となる出雲、全日本、箱根を合わせた学生三大駅伝の三冠達成に貢献。三菱商事入社後は船舶・宇宙航空事業本部船舶部に配属され、主に船舶取引などの事業に携わっている。三菱商事株式会社福島県立会津高校出身2011年 スポーツ科学部 卒業猪俣 英希Inomata HidekiPROFILE> “いのち支える”活動に少しでも貢献したいと、学業やさまざまな取組みに精を出しました。きっかけは大学2年生の時に受けた、高校時代の友人が自ら命を絶ったという悲報でした。何もできなかった後悔から、以来、自殺対策を生涯の目標にしています。 将来を考え、地元の放送局でラジオパーソナリティを経験した際に「もう少しだけ生きてみようと思えた」とリスナーから貰った言葉を思い出し、全学共通副専攻のジャーナリズムを選択。沖縄の米軍基地やホームレスの方への取材など、生きた学びでジャーナリズムの重要性を実感し、多くの方に届けられるメディアだからこそ、誘発の危険性と予防の可能性を研究する必要があると思い、大学院へ進学しました。WHOのメディアガイドラインを用い、憲法学の川岸令和教授の下で自殺予防におけるメディアのあり方を考えた2年間は、今の活動を進める上での基盤となっています。 大学院修了後、広告会社やテレビ局の社員として、いのちに関する啓発活動に取り組みましたが、自殺とはあらゆる社会問題と絡みあっていることからも、予防を国民一人ひとりに促す必要があり、行政の立場で「人と情報」「人と人」をつなぎたいと考え、転職を決意しました。現在は全国各地の方々との連携、SNSによる若い世代に向けた情報発信など、多方面に活動を展開しています。 社会を変えていくのは人であり、人自身を変えるのも、また人です。早稲田の魅力は自分の可能性を広げてくれる人との“縁”を結べることにあります。実際に、私の活動を知って協力を申し出てくださる先輩方にも恵まれました。これから早稲田を目指すみなさんには、キャンパス内外でつながる縁を大切にしてほしいですね。企業や自治体といった垣根を超えて、“いのち支える”活動を多方面で展開2012年、大学院政治学研究科修士課程修了。博報堂プロダクツを経て佐渡テレビジョン、秋田朝日放送でいのち支える番組制作などに携わった後、2015年、内閣府自殺対策推進室※の広報担当職に転身。「いのちつなぐFacebook」などによる情報発信のほか、啓発活動の一環としてラジオなどにも積極的に出演している。厚生労働省 自殺対策推進室 広報担当富山県・富山第一高校出身2010年 教育学部 国語国文学科 卒業天坂 真理Amasaka MariPROFILE>※2016年4月に厚生労働省へ移管先輩たちのキャリア選択165

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