学部入学案内
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カリキュラムの特色MESSAGE FROM PROFESSOR人間科学部では、高校までの「文系」「理系」の枠や学問領域を越えて、関心のあるテーマを融合的に学ぶことができます。「基礎ゼミ」や「人間科学概論」では、教員の先端研究にふれながら、探究に必要な視点や知識を多角的に学びます。専門科目では、Ⅰ群(実験調査研究法)、Ⅱ-A群(基盤科目)、Ⅱ-B群(発展科目)などの科目群が設定され、専門性を行き来しながら体系的に人間科学を学ぶことができます。人間科学部は教員と学生の距離が近いのが特徴です。「Tutorial English」ではネイティブの教員から生の言葉を学びます。「スタディスキル」では、「自ら考える力」のスキルを実践的に育みます。「データリテラシー」では、「データを読む力」や「統計的に分析する手法」を基礎から学びます。チューターから個別指導を受けながらライティングスキルを高める授業もあります。人間科学部の学びは教室内での座学にとどまりません。アクティブラーニングやグループワーク、教室の外に出て調査を行うフィールドワーク、様々な機材を使用した実験実習、社会的な課題についての問題発見・探究をめざすプロジェクト型科目など、実践的で多様なスタイルの授業により学生の知的好奇心と問題意識を喚起します。短期留学や、夏期集中講義などへの参加の機会も設けられています。人間科学部では、大学における探究の総仕上げとして「卒業研究」を必修としています。1人の教員につき平均8名という少人数環境のなかで卒業研究を書き上げることで、1年次からの系統的な学習を通じて培った「自ら考える力」を発揮して「人間とはなにか?」という問い、および現実の諸問題を解決する方法に対する自らの答えを発見し、学びの集大成とすることで次の進路に羽ばたいて行きます。複数の専門性を行き来しながら体系的に学ぶインタラクティブに「自ら考える力」を身につける教室の内外で体験的・実践的に学ぶ卒業研究をとおして「人間科学」を深める“心”という概念を使わない心理学 人前で話すのが苦手な人のことを「その人は社交的ではないから」、授業中に立ち歩いてしまう生徒のことは「その子は落ち着きがないから」という言葉で、人の性格などが結論づけられてしまうことがあります。しかし、それは単なる状況の説明でしかなく、人前でうまく話せない人や、落ち着きのない子どもを支援することにはつながりません。そこで、そうした行動が起きる時の環境や状況に着目し、困っている人の行動を変えるためには何が必要かを突き詰めていくのが、私の専門である「行動分析学」です。 行動分析学は、言い換えれば“心”という概念を使わないで人間を理解するための心理学であり、ある人の行動に何かしらの問題があった際には、その問題が起きた要因を“その人の中(心)”にだけ焦点化するのではなく、周りを変化させようという発想に立ちます。その結果、不登校やいじめといった子どもに起きる問題の場合は、周囲の環境を変えることで改善につながるケースは多々あります。また、うつ病や不安症の患者さんの場合は、自身の言葉や認知で自分を苦しめていることが多く、それらと行動がどう関連しているのかを調べて変化を促す、認知行動療法などを用いています。自分と周囲のwell-beingを実現してほしい それぞれの行動を環境などの視点から研究するということもあってか、ゼミ生たちの研究テーマは自身の生活や経験が取っ掛かりとなることも多くあります。例えば、緊張を強いられた際に一般的な心理学では緊張を打ち消そうとしますが、むしろ緊張を受け入れた方が良い場合もあります。ある環境下で発生する自分の言葉や認知を自然なものとして捉えることで、行動を好転させることにもつながるのです。学生には、行動分析学を使って自分自身の生活を豊かなものにしてほしい。その上で、自分がwell-being(心身ともに良好な状態)を実現できたら、周りの人のwell-beingを支えられる人材になってほしいですね。 そして、well-beingには何が必要か、さまざまな角度からのアプローチを試みるのが人間科学部での学びといえます。なぜなら、「誰かのためになる」には心理学の知識だけでは不十分なケースも当然ありますし、そうなれば他領域の人たちとの協働が必要です。こうした実践を伴う局面でこそ、複数の学問領域に知見を広げる「学際性」が強みを発揮します。幅広く学びつつ、専門も積み上げていくことができる人間科学部で、皆さんの志や将来の夢を実現させるための一歩を踏み出してみませんか。多分野からのアプローチが必要な人間科学実践を伴う局面でこそ、学際性が強みとなる人間科学部健康福祉科学科 准教授大月 友Ohtsuki Tomu政治経済学部法学部教育学部商学部社会科学部国際教養学部文化構想学部文学部基幹理工学部創造理工学部先進理工学部スポーツ科学部人間科学部121

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