経営管理研究科
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多様性と創造性に 継続的に学び高め Professors' Interview川上 新型コロナウイルス感染症の影響が広がった2020年以降も、WBSにおける学生の国際性や多様性の豊かさは変わっていません。オンラインを活用したハイフレックス型講義のいち早い導入により、来日が難しい海外学生も世界各地から授業に参加し、高い意欲を持って学んでいます。WBSは、EQUISとAACSBという2つの国際認証を取得し、その教育研究事業が世界最高水準の品質であることが国際的に評価されています。グローバルスタンダードに則って教育の質をきちんと管理・保証する一方で、教え方を画一化していない点もWBSらしさであり、各教員の個性が際立つ授業が展開されています。池上 ミッションの1つにdynamic learning communityの形成を掲げるWBSでは、学生が相互に、あるいは教員と議論を重ねながら、新たな考え方を創造していくダイナミックな学びの場があります。異なるプログラムやゼミ間の交流も盛んで、学生を見ていると、それぞれのコミュニティにおいてTakeするだけでなくGiveできる存在でありたいとの意思を持った人が多いですね。自分の意見を主張しつつ、異なる考えや価値観も尊重し合い、建設的に合意点や解決策を見いだしていく理想的な関係性が築かれています。川上 支え合って切磋琢磨する温かなコミュニティは、WBSに根付くカルチャーと言えますね。欧米のビジネススクールでは、学生は互いを競争相手と捉え、議論の場でいかに自己の主張を通すかに価値を置く傾向があり、その点は対照的だと感じます。コロナ禍においてWBSが注力してきたDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の取り組みでも、教職員のみならず学生たちも各自の知見やスキルを持ち寄ってクリエイティブに課題解決にあたる場面が多く見られ、WBSのコミュニティの底力と素晴らしさ再認識しました。池上 われわれ教員は日頃から授業で「ピンチをチャンスに」と学生に伝えていますが、コロナ禍はまさにその実践の機会となりました。2020年度には「WBS教授陣の考えるコロナ危機とその後の世界」と題したオンライン講義シリーズを在学生・修了生向けに無料で開講。毎回1000名を超す参加者を集め、活発な意見交換も行われました。2021年度も内容をさらに進化させ、多様な教員で実施を予定しています。川上 独自の「ERSアワード※」を設けるなど、経済合理性だけでなく、グローバルな視点と強い倫理観を持ったリーダーの育成に注力していることもWBSの特色です。コミュニティに各教員の個性が際立つ講義やゼミ活動が展開されています池上 早稲田大学ビジネススクール(WBS)が提供するプログラムの最大の特色は、形式や内容におけるバリエーションの豊富さと、クオリティの高さの両方を、極めて高レベルで兼ね備えている点と言えます。昼間と夜間の選択肢があることで、各自の状況や目的に合わせて学修を進めることができ、また、ジェネラルマネジメントを幅広く学ぶほかにも、特定分野に特化して専門性を深めることも可能です。国内のビジネススクールでは数少ない英語で全教育を行うプログラムも提供し、多国籍の学生が集う環境の中でグルーバルな視野が培われます。川上 智子 教授大阪大学文学部卒。精密機器メーカー勤務後、2000年神戸大学で博士号 取得、関西大学教授を経て2015年より現職。2019年マーケティング国際 研究所(MII)を設立、所長に就任。ワシントン大学(アメリカ)・INSEAD(フ ランス)・南洋理工大学(シンガポール)の客員研究員を歴任。2006年日本商業学会賞・日本経営学会賞を受賞。2014年よりJournal of Product Innovation Management編集委員に日本から唯一参画。2017年アジア・マーケティング研究者トップ100に選出。日本マーケティング学会常任理事、日本商業学会 本部理事、国際企画委員長、学会賞審査委員長、文部科学省・会計検査院委員を歴任。2019年より宝ホールディングス株式会社社外取締役。専門はマーケティング論、イノベーション論。6

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