経営管理研究科
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国際認証EQ世界最高水準の学びProfessor's Interview川上 ゼミ形式の授業も高く評価されたポイントですね。海外のビジネススクールでゼミの形式をとっているところは少ない。WBSにおいてゼミは、ミッションの一つに掲げるDynamic learning communityの象徴とも言え、OB・OGとのつながりを強めたり、ゲスト講師による授業や企業訪問といった産学連携の活動の拠点になったりと、重要な役割を果たしています。また、教員やほかの学生との距離が近いゼミは、学生にとってホームのような場であり、学びを進める上での不安の解消にもつながります。竹原 今回のEQUIS認証を、われわれはゴールではなくスタートだと捉えています。認証機関による審査は継続的に行われ、今後は、前回と比較してどれだけ向上したかが問われます。より良いものを目指して教育の質を高めていく不断の努力が必要です。川上 認証を取得したこと以上に、認証取得への取り組みを機会として、世界最高水準のビジネススクールとなるべく努力を重ね、そしてこれからも努力を続けていく、そのプロセスにこそ意義があると言えます。取り組みを通して、WBSが組織としてますます一体感を強めながら、教育の質を高めることができている実感があります。竹原 その取り組みの一つが、2015年から継続するAssurance of Learning(AOL:学びの質保証)です。WBSはミッションに基づき、MBA取得時に学生に達成してほしいラーニング・ゴールと、そこに向かうためのより具体的なラーニング・オブジェクティブをプログラムごとに設定しています。AOLは、ゴールの達成度合いを測定するもの。われわれ教員がより良い教育を提供できているかを確認すると同時に、学生が修了時に身につけた能力をエビデンスとして示す意味もあり、教育の質のさらなる向上に役立てられています。川上 私はちょうどAOLの取り組みが始まった2015年にWBSに着任しましたが、教育のクオリティーがしっかりと管理されていることに、驚くと同時に感動しました。それでいて、マニュアルで画一的な教育が行われているわけでは決してなく、目標を明確に据えつつ、各教員がそれぞれのバックグラウンドを活かして工夫を凝らしながら授業を展開し、学生とともに学び合うコミュニティがあります。竹原 学生にとっても、ラーニング・ゴールが明確に設定されていることで、修了時に自分がどのような能力を獲得しているべきかを具体的にイメージしやすい。さらに、もう少し先の5年後や10年後のキャリアパスも意識した上で主体的に学びに臨めるメリットがあります。組織として一体感を持って改善を重ねるプロセスに意義竹原 早稲田大学ビジネススクール(WBS)は2019年3月、国際認証EQUISの資格を取得しました(P.8に詳細)。WBSの教育研究事業が世界最高水準の品質であることが国際的に評価されています。EQUIS認証の取得に際して、WBSが特に高く評価を受けた点の一つが、国内のビジネススクールでも数少ない英語で全教育を行うプログラムがあり、多国籍の学生が学ぶ国際的な環境です。もう一つは、研究者教員に加えて経験豊富な実務家教員が多く在籍することによる、産業界とのつながりの強さです。川上 智子 教授大阪大学文学部卒業。ミノルタカメラ株式会社(現コニカミノルタ)に入社し、基礎研究所で新事業開発に従事。大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了、神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。博士(商学)。2015年4月 より現職。専門分野はマーケティングとイノベーション。2019年6月より宝ホールディングス株式会社社外取締役。ワシントン大学ビジネススクール連携教授、INSEADブルーオーシャン戦略研究所客員研究員他を歴任。国際ジャーナルへの論文掲載多数。Journal of Product Innovation Management編集委員。欧州EIASM Innovation and Product Development Management国際会議委員。著書『顧客志向の新製品開発:マーケティングと技術のインタフェイス』は日本商業学会賞と日本経営学会賞をダブル受賞。2017年アジア・マーケティング研究者トップ100に選出。6

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