教職大学院
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在学生・修了生の声在学生・修了生の声Graduate School of Education, Specialization in Advanced Teacher Training 専門職大学院の大きな役割は専門職としての進路を保障することです。本大学院はそうした役割を確実に果たしているといえます。本教職大学院の教員就職率は非常に高く、その多くは中学校、高等学校に就職しています。 右の表は、2年制コースを2020年3月に修了した学生の進路状況です。◆2年制コース修了生の状況教員採用公立学校専任15名臨任1名非常勤2名私立学校専任10名非常勤3名他進路民間企業1名在学生の声経験を重ねるにつれ、自身に期待される役割に対して実力が足りていないのではないか、次々に課される教育施策に十分に対応できないまま、ただ振り回されているだけなのではないかとの思いが強くなり、一度現場を離れ、確かな理論に裏付けされた、自分の「核」となるような教育理念をもちたいと考え、大学院への進学を志望しました。教職大学院では、第一線で活躍されている教授陣から最先端の理論や実践を学んだり、専門的な見地からご助言いただくことができ、新たな概念や考え方を学ぶことができました。また、地域や校種の違う現職教員や、瑞々しい感覚をもったストレートマスターとのディスカッションからは沢山の気づきをもらいました。そして、学会やシンポジウムに参加し、専門的かつ最先端の教育について学ぶことができたこと、現場に戻っても学会等に参加し、学び続けることのできるようなつながりをもてたことも大きな収穫です。1年間も現場を離れ、学びに専念できるチャンスはめったにありません。ぜひ、教師としてのキャリアに大学院での学びを取り入れることをお勧めします。学び続ける教師であるために●教員免許:音楽(中学校・高等学校)坂井 百合子 さかい ゆりこ1年制コース(1年生在籍)学部の教育実習を通し、授業力や生徒との関わり方など様々な面で課題が残りました。また、教員の業務が多様化し、学校の在り方が変動する中で、教師としての高い専門性のほかに、自分の教員としての軸を探したいと思い、教職大学院への進学を決意しました。早稲田大学の教職大学院では、授業設計やカウンセリングの技法のほかに、カリキュラム設計や学校経営など学校教育に必要な理論を総合的に学ぶことができます。また、学校臨床実習では、自ら課題を設定し、理論と実践の往還を図ることができます。また、志の高い仲間や、異校種・異教科の学生や現職の方々との学び合いを通して、自分の指導法を客観的に振り返りつつ、新しい視点や気づきを得ることができるのも本学の魅力だと感じています。教員を志すうえで、様々な教育問題や自分なりの問いについて研究を深めたい、もっと教員として成長したいと思う方は、私たちと一緒に学びを深めてみませんか。教職大学院での学び●教員免許:国語(中学校・高等学校) 二瓶 志保 にへい しほ2年制コース(1年生在籍)本研究科に入学し、今年で2年目になりました。他大学の教育学部に在籍していた私ですが、このまま教員になることに対する漠然とした不安を解消できればと思い、大学卒業後そのまま進学しました。修士2年になり思うことは、入学前の漠然とした不安は消え去っていた、ということでしょうか。講義で扱う内容は多岐に渡りますし、なにより同じ目標をもち真剣に、時には楽しく学び合える友人や現職学生との出会いのおかげで、自分の教職への思いを再確認できました。彼ら彼女らと過ごした時間は私にとって一生の財産です。大学院だから明確な目標をもって進学すべき、と考える方もいるでしょう。それも答えの一つだと思います。研究のための設備も充実していますし、教授も真剣に向き合ってくれます。一方、漠然とした不安を抱きながら門を叩くのも時には悪くありません。私のように振り返って気が付くこともありますから。入学し、振り返ってから「今」気が付くこと●教員免許:英語(中学校・高等学校)鈴木 惇 すずき じゅん2年制コース(2年生在籍)修了生の声2020年度読売教育賞最優秀賞被表彰、2019年度東京新聞教育賞被表彰今の教育活動の礎となった2年間 ●東京都公立高等学校 教諭高橋 伸明 たかはし のぶあき2年制コース(2015年3月修了)大学では近現代文学について学んでいました。3年次に自主参加した教職インターンシップ先のエンカレッジスクールで、いじめに苦しんだ生徒や発達障害を抱える生徒たちに出会い、様々なバックグラウンドをもった生徒たちへの理解と理論研究の必要性を痛感し、大学院進学を決意しました。国立大学の大学院の合格もいただいていましたが、自分が学びたい教授陣や授業があり、より多くの仲間たちと切磋琢磨できる早稲田の門を叩きました。大学院では授業やカリキュラム設計、学級や学校運営、カウンセリングの技法など列挙できないほど多くの理論を学び、それを学校臨床実習で実践するというサイクルで学びを深化させました。学外でも、特定非営利活動法人での困難を抱える子どもたちへのボランティア活動や、区立中学校での非常勤講師を大学院と両立できていたのは、学内での学びを経て「全ての教育活動の中心を子どもたちに」という想いが生まれ、それを体現したいという一心でした。実習先は、外国にルーツがある生徒が全校生の約3割を占めるというグローバルな学校でした。そのダイバーシティの中で、学内外での学びを総動員し、試行錯誤と省察を重ねていった日々が、今の自分の教育活動の礎となっていると確信しています。15

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