法学研究科
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 大手総合法律事務所で海事全般を専門的に取り扱っています。この分野を自らのキャリアの軸に据えたのは、9年前に早稲田の法学研究科に入学し、国際海事問題を掘り下げて学んだことがきっかけです。それまで海事を扱った経験はほとんどなく、学び始めた当初は、海事特有の専門用語の多さや条約の複雑さに戸惑いながら、それらを一つひとつ覚えるところから始めました。ゼミの同期生には船会社や損害保険会社に勤務する人もいて、事業会社側のリアルな声や課題にも触れながら法と実務の両面からレベルの高いディスカッションを重ねられたことは貴重な経験になりました。 仕事と両立して研究に取り組んだ2年間は確かに大変でしたが、時間をどうやりくりするかは、社会人として腕の見せ所でもあると思います。私の場合は、移動の電車内で論文に目を通して考えをまとめるなど、隙間時間を有効活用することを意識しました。法学研究科を修了した翌年、事務所の留学制度を利用して海事の本場であるイギリスのロースクールに留学。専門知識をより深め、現在の業務に活かしています。世界各地の海事弁護士とも連携しながら、スケールの大きな案件に取り組める醍醐味を実感しています。 インハウスロイヤー(企業内弁護士)の増加により法務の内製化が進む昨今、法律事務所の弁護士としてキャリアを発展させる上で、専門性を磨く重要性が増しています。大学院で特定の法分野を理論的・体系的に学び直すことは、価値ある選択肢の一つだと思います。研究科での2年間をキャリアの転機に海事弁護士としてグローバルに活動中修了生佐々木 政明 さん2007年京都大学法科大学院修了。2009年よりTMI総合法律事務所に勤務。弁護士の業務と並行して2012年より早稲田大学法学研究科修士課程民事法学専攻で国際海事問題について研究に取り組み、2014年3月修了。2015年から2年間、英国・スウォンジー大学ロースクールで学ぶ。民事法学専攻2014年3月修了佐々木 弘治 さん1979年より東京都東久留米市役所に勤務し、企画調整課長、職員課長、企画経営室長等を歴任。現在は総務部長を務める。1992年中央大学法学部通信教育課程卒業。2019年より早稲田大学法学研究科修士課程民事法学専攻で環境法研究に取り組む。2021年3月修了。民事法学専攻2021年3月修了 市職員として40年以上にわたり地方行政に携わってきました。以前、企画経営室長時代にエネルギー管理統括者を務めた際、地方行政における環境政策や省エネの規制整備が等閑になっていることを認識させられました。特に近年は、猛暑や集中豪雨が頻発し減災レジリエンスの強化が必要とされる中で、この分野を支える人材が不足している現状があります。「学び直し」を通して、先ずは自身が行動することで人材育成上も役立つと考え、社会人学生として法学研究科で「環境問題と法」について学ぶことを決めました。 在学中は、「地方自治体における地球温暖化対策のあり方、方向性」をテーマに、研究成果を実践に活かすことを念頭に進めました。国の政策等にも携わっておられる大塚直教授にご指導いただき、多くの資料や先端的情報にも恵まれたことから、限られた期間の中で課題解決に向けた方向を導き出すことができたと思います。日々の調査や研究が職務上の結果に結びつき、その確かな手応がやりがいにもつながりました。加えて、私が入学した翌年に後輩職員が同じく本研究科で学び始めたことも刺激と励みになりました。 仕事との両立に努める中で、やむを得ず授業を欠席・遅刻することもありましたが、その都度、先生方には柔軟かつ親身に対応いただき、社会人でも通学しやすい環境や体制が整っていることを実感しました。少しでも関心がある方は、トライしてみることをおすすめします。長い社会人生活で、かけがえのない価値ある時間を手に入れられるはずです。実践を意識して環境法研究に取り組み得た成果を行政課題の解決に活用修了生Graduate School of Law15修士課程 : 社会人入学

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