法務研究科
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20第一線で活躍する先輩たちが語る、やりがいと法律家としての早稲田の魅力弁護士業は、自分のどんな経験や属性もすべて強みにできる職業です 法曹への道を目指したきっかけは、小学生の頃に観たドラマで興味を持ったことですが、実際に法学部に進んで法律を勉強してみると楽しかったということと、ジェンダーについて学び、性的マイノリティの人を支援したいと思ったことから、真剣に法曹を目指すようになりました。 法務研究科では、「ジェンダーと法」という、法の規定や判例などをジェンダーの視点から見ていく授業で、普段の授業とはまた違う法の世界を見ることができました。授業を通して、マジョリティとしての男性の視点でできている法や判例が存在することに問題意識を持ち、少しでも多くのマイノリティ・女性が法曹になっていかねばならないと思いました。それは現在の日本弁護士連合会の男女共同参画推進本部での活動(私の担当分野は弁護士における女性割合の拡大)に繋がり、今もジェンダー問題に取り組むことができています。 弁護士になってみたら、思っていた以上に楽しかったです。自分のどんな経験も、どんな属性も、全て強みにできる職業だと思います。やりたい時にやりたいことをやる、そのために法曹という資格は非常に有用です。ぜひ、いろんな経験や属性を持つ方に目指していただきたいと思います。松岡 佐知子弁護士司法試験の基本書を執筆されている先生から直接学べます 本研究科では、司法試験科目のいずれの科目でも、司法試験受験者の多くが使用する基本書を書かれた先生方がおられます。基本書を読んで自分で勉強するだけでなく、その本をお書きになった先生の授業を受け、さらにわからないところは直接質問できます。このように先生方に恵まれた環境は、早稲田を置いて他に無いのではないでしょうか。また、切磋琢磨できる仲間に恵まれることも強みだと思います。法科大学院では、自主ゼミを組んで勉強することになります。私は最終的には3人でゼミを組んでいたのですが、上手く書けた答案も出来の悪い答案もさらけ出し、率直な意見交換をしました。客観的に自分の答案を分析してもらい、良いところも悪いところも分析できる機会に恵まれたことが、司法試験合格の重要なポイントだったと思います。 弁護士という仕事は、人の人生を背負って立つ、場合によっては人の命を救う仕事です。訴訟の結果によって、依頼者のその後の人生は大きく変わっていきます。その分、依頼者が納得できる形で紛争が解決した際、心からの笑顔が見られたり、ほっとして涙を流されたりする場面に立ち会えることに、本当にやりがいを感じます。一度法曹を目指してみようと決断したのならば、人生の数年間をかけてでも、一心に打ち込んでみるのも良いと思います。江藤 寿美怜弁護士先生・学生・制度などあらゆる面から法曹への道をサポートしてくれます 本研究科の強みは3つあります。1つ目は、弁護士の先生とともに実務を学べる授業が充実していることです。事案の解決手段について先生方と意見交換を行うのは刺激的で、私自身も学ぶモチベーションを保つことができました。2つ目は、多くの学生に自主性があることです。自分の意見を持っているので、意見が対立するとお互いが納得するまで議論することが多かったですが、自分が当然と考えていた知識や見解を見直し洗練する機会となり、また相手を説得するための表現力を磨く練習にもなりました。3つ目は、充実した奨学金制度です。多くの学生が経済的支援を受けながら勉強に専念できるだけでなく、成績優秀者は年間授業料相当額分の稲門法曹奨学金をいただくことができるので、成績を上げるインセンティブにもなります。 当然、司法試験合格は大切ですがそれ以上に、法曹として仕事をするために問題について自ら深く悩みその思考を表現する力をつけることが重要です。本研究科の先生方は、学生が問題について悩んだとき「自分で考えなさい」と冷たく突き放さず、自らの意見も教授しながら、学生が自ら志向できるように誘導して下さる方々ばかりです。私自身も研究でも業績を出しつつ、そのような充実した指導を行える研究者になることが目標です。加藤 甲斐斗 研究者2011年 早稲田大学法学部卒業2011年 早稲田大学大学院法務研究科入学2013年 早稲田大学大学院法務研究科修了2013年 司法試験合格/67期司法修習生2015年 弁護士登録2016年~弁護士法人中央総合法律事務所に 弁護士として勤務2007年 東京大学法学部卒業2008年 早稲田大学大学院法務研究科入学2011年 早稲田大学大学院法務研究科修了2012年 司法試験合格/66期司法修習生2013年 弁護士登録     早稲田リーガルコモンズ法律事務所勤務2015年 早稲田大学法務教育研究センター助手2018年 早稲田大学法務教育研究センター助手退任     株式会社LIFULL 勤務2016年 早稲田大学法学部退学(飛び入学のため)2016年 早稲田大学大学院法務研究科入学2017年 司法試験合格2018年 早稲田大学大学院法務研究科修了2018年 早稲田大学法学部助手

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