文学研究科シラバス2021
97/425

授業の到達目標原稿用紙という視点を通して、近代文学の展開と言葉で表現することの意味をあらたな角度から理解し、あわせて近代の活版印刷や出版文化をより深く理解できるようになることが、この授業の到達目標である。成績評価方法試験0%レポート70%各自が研究対象としている作家やテクストに関わる原稿についての考察を、学期末のレポートとして提出してもらう予定。平常点30%出席および授業中に随時提示する課題などを、レポートに加えて評価する。その他0%科目名日本文学講義11担当者名野網摩利子日本語日本文学コース2単位秋学期月曜日2時限1年以上―――授業概要日本近代文学を世界史と日本史的文脈から考える。日本近代は科学の移入の著しかった時代である。本講においては、なかでも医学が文学で表現される有り様を追う。とくに感染症が文学言語でどのように記述されているかについて検討するのに、現在時がふさわしいことは言うまでもない。近代文学における心身を考察するのに避けて通れない視角を手に入れる。授業の到達目標アクチュアルな問題意識により自身の研究意欲を高め、思考力を維持し、論文作成につなげることができる。成績評価方法試験0%レポート60%長編論文の附録になり得るような論文を目指してほしい。平常点40%受講者に少なくとも1回の話題提供を求める。その他0%科目名日本文学講義12文学理論と虚構論担当者名博士(文学)早大山本亮介日本語日本文学コース2単位春学期火曜日3時限1年以上―――授業概要この授業の1〜11回ではピーター・バリー文学理論講義を教科書に文学理論について検討し、12〜15回では蓮實重彦赤の誘惑を教科書に虚構論について検討する。授業の到達目標文学理論と人文学の現状を理解する。そうした知識をもとに、各自の研究テーマについて、自分なりの考察を表現できるようになる。成績評価方法試験0%レポート70%授業内容を理解して各自の研究テーマが論じられているか。平常点30%毎回のコメントシートと、授業での議論への参加ができているか。その他0%科目名日本文学講義13書物としての萬葉集とその表現性の検討担当者名松田浩日本語日本文学コース2単位春学期木曜日2時限1年以上―――授業概要本講義では、現存する日本最古の萬葉集を書物としての性質を確認しつつ、そこに現われる表現性をくことを主題として、以下の二つの観点から考えてみることとしたい。(1)萬葉集の書記法と表現(2)萬葉集の歌の配列と表現(1)では、萬葉集が訓字・音仮名・訓仮名などを駆使しつつ書記されたことの意義について概観し、それによってどのような表現が切り拓かれたかを具体的な作品に即して考えてゆく。(2)では、萬葉集の原資料とその編纂という作業を確認しつつ、掲載されて存在する歌々の配列がその解釈にどのように関わってくるかという点を、具体的な作品に即して考えてゆく。(1)(2)の講義を通して、履修生諸君が書物としての萬葉集が目指したものがどのようなものであったのかという点を考えるための材料としたい。授業の到達目標萬葉集の書記法とそれを利用した上代ならではの歌の表現方法を理解する。萬葉集が編纂作業による歌の配列などによって主題をつくり出す具体例を学ぶことを通して、書物・作品として萬葉集を捉える視点を養う。成績評価方法試験0%日本語日本文学コース―106―

元のページ  ../index.html#97

このブックを見る