文学研究科シラバス2021
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科目名初級ラテン語1ラテン語文法の学習担当者名兼利琢也合併随意科目1単位春学期水曜日3時限1年以上―2―授業概要ラテン語とは、古代にイタリア半島中部のラティウム地方に源を発しローマ帝国と共に西地中海世界の共通語となった言語です。同時期に文語として完成して多くの古典作品を生み出しました。中世以降もカトリック教会と法律と学問の言葉として西洋の普遍的教養の伝統を担い、19世紀初期頃まで学問の伝達手段でした。他方、古代の口語のラテン語(俗ラテン語)はしだいに変化してロマンス諸語(イタリア語,スペイン語,フランス語など)へ変貌します。西洋の古文であるラテン語にそれ自体としての実用性はありませんが、西洋の言語と文化に関心のある人はぜひこの言葉を学ぶべきです。今のアメリカでも既修外国語としてスペイン語フランス語に次ぎます。英語の語彙も34がラテン語に由来するだけではありません。そもそも文法はすべてラテン語文法が元ですし、近代語学習に必ず役立ちます。春学期の本科目では、教科書の半分程度(9課辺り)まで進む予定です。授業の到達目標ラテン語文法の段階的学習習得とラテン語による詩文と歌の観賞成績評価方法試験0%なしレポート0%なし平常点100%毎回配信する課題(主に変化形書取り+小クイズ)の評点の総計その他0%なし備考・関連URL講義は今年度もオンデマンド配信(1時間(と少し)のPCキャプチャ動画)で行います。水曜日に配信して視聴/課題提出期間を二週間とします。科目名初級ラテン語2ラテン語文法の学習担当者名兼利琢也合併随意科目1単位秋学期水曜日3時限1年以上―2―授業概要ラテン語は古代ローマ帝国の言葉です。前1世紀後半の共和政末期、カエサル、キケローによって技巧的文語として完成、アウグストゥスに始まる元首政の2世紀の間に幾多の古典文学を生みました。歴史(サッルスティウス、リーウィウス、タキトゥス)、哲学(キケロー、セネカ)、文学(ルクレーティウス、ウェルギリウス、ホラーティウス、オウィディウス他)にわたる古典は、ルネサンス以降の西洋文化に深く広い影響を及ぼしています。またラテン語は、ローマ帝国滅亡後も教会と法と学術の言語として西洋の教養を担いました。それゆえ西洋のすべての学問と文化はこの言葉が源です。秋学期は教科書の後半を進めます(第10課から第20課)。余裕があれば何らかの古典作品を読む予定(学習中に随時紹介する予定)。授業の到達目標ラテン語文法の学習習得、ラテン語詩文の観賞成績評価方法試験0%なしレポート0%なし平常点100%毎回配布(配信)する課題(主に変化形書取り+少クイズ)の評点の総計その他0%なし備考・関連URL秋学期もオンラインですので(水曜日配信、視聴可能期間2週間)、この授業は、春学期と同じオンデマンド型のPCキャプチャ動画の配信によって行います。毎回の出席代わりの課題等(小テスト)の提出のさい、そこには質問や要望の類を記さないようにお願いします。学期中は常に先の授業作成が最優先のため、残念ながら学期が終わるまで提出課題の採点はできないと思います。質問等のある方は、別の方法でお願いいたします。でないと私に伝わりません。私のアドレス[email protected]が確実です。科目名初級ギリシャ語1初歩から学ぶ古代ギリシャ語担当者名博士(文学)京大宮城徳也合併随意科目1単位春学期月曜日5時限1年以上―2―授業概要本授業は全回オンデマンド授業として実施します.古代ギリシャ語は、文学ではホメロス、ギリシャ悲劇詩人たち、哲学ではプラトン、アリストテレス、歴史ではヘロドトス、トゥキュディデス、数学ではエウクレイデス(ユークリッド)という偉大な詩人や思想家に思考と記述の手段を提供し、本来ギリシャ的伝統とは無縁であったキリスト教においても、新約聖書はギリシャ語で書かれました。有名な科学者アルキメデスが、その名にちなんだ原理を発見した時、裸で町を走りながらヘウレーカ(見つけた)(英語のユリーカ)とギリシャ語で叫んだ話は良く知られています。古代ギリシャ語を学ぶことは、オリジナルを尊重する精神を学ぶことです。ギリシャ語の修得は決して容易なことではありません。しかし、敢えて挑戦する精神こそあらゆる学問に必要なことではないでしょうか。ギリシャ語は難しいです。教え方には一層の工夫が必要であることを痛感していますが、ともかく名詞・形容詞の格変化と動詞の活用、特に後者を中心とする文法事項とギリシャ文化の紹介がもう少しバランスよく組み立てられるように努力したいと思います。シェイクスピアのジュリアス・シーザーには有名なそれは私にはギリシャ語(分けがわからん)という台詞が出てき合併随意科目―457―

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