文学研究科シラバス2021
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科目名初級ギリシャ語(速修)古典ギリシャ語文法の全体を1セメスターで修得する担当者名兼利琢也合併随意科目2単位春学期火5時限金5時限1年以上―2―授業概要このコースでは、1セメスター週2回計30回の集中学習で古典ギリシャ語文法の基礎を学びます。講読を行う秋学期の中級ギリシャ語等に接続し、計1年間でギリシャ語文献を読解するための基礎的な知識をつけるのが目標です。最初からしっかりギリシャ語を学びたい人、入門ギリシャ語や自習で学んだが基礎固めをしたい人を念頭に置いています。西洋の文化を調べるとたいていどこかでギリシャ語につきあたります。西洋文化と教養の基礎に直接触れたい、自分にそれが必要だと感じる人にはこの言葉を学ぶことを勧めます。ギリシャ語は古来むずかしい言葉の代表で、それはそのとおりです(学ぶ楽しみはとても大きいのですが)。戸山では週二回という恵まれた状況で学習でき、春学期の30回でも文法の全項目を網羅できずとも基礎は十分に学べます。秋学期は講読の合間に復習や補足をするので、年間を通して学べば古典ギリシャ語について全般的な理解が得られるでしょう。なお、この授業で学ぶギリシャ語は現代ギリシャ語ではなく、西洋古典文学、つまり紀元前8世紀頃のホメロスに始まって5世紀頃まで続く古代文化が遺した膨大な言語遺産の言葉です。ギリシャ語は古典の傑作:叙事詩・叙情詩・劇・歴史・演説・哲学・小説などを生み出したことにつきません。今日に繋がる学問の礎はギリシャ人が築きました(数学や哲学など抽象度の高い学問はギリシャ語の独壇場で、古代ではラテン語は学術語でありません)。また,これら異教古代の遺産と並んで西洋文化の基礎をなすキリスト教は、ギリシャ語圏ユダヤ世界で生まれ,新約聖書はローマ時代の日常語のギリシャ語で綴られました。西洋の言葉と文化の知識を深めたいと思うのであれば、古典ギリシャ語を学ぶのがいちばんです。授業の到達目標古典ギリシャ語の基礎的文法と語彙の習得成績評価方法試験0%学期末試験はしません。レポート0%期末の提出物はありません。平常点100%毎回の練習問題の回答,変化形の書取りの出来、クイズの成績などです。時折小テストや小さな課題を出すことがあるかもしれません。その他0%とくにありません。備考・関連URL週2回の対面授業です。時間割に気をつけてください(片方だけだと挫折します)。*なお、この週2のコースは,遥か昔から、古典ギリシャ語読解力の習得に真剣な学習を願い覚悟する文学学術院の優秀な学生諸君を受講者に想定してきています。私の他の(とくに教養系の座学)講座とはレベルが格段に違いますから、古典語を教養として学んでみたい人は、この厳しい授業は避けて、他の講座、他学部の授業等を選択してください。科目名中級ギリシャ語1古典ギリシャ語散文の基礎講読担当者名兼利琢也合併随意科目1単位秋学期金曜日5時限1年以上―2―授業概要秋学期の中級ギリシャ語1は、戸山キャンパス設置科目の週2回の初級ギリシャ語(速習)または週1の初級ギリシャ語12を履修したか、以前に何らかの形でギリシャ語の初級文法を学んだ人を対象に、実際の文章に直接当たることで読解力を養成することを念頭に置いています。講読なので文法の大枠を理解していることを前提にしますが、多くの人はまだ始めて3か月です(し夏の休止があります)から、基礎知識の説明と復習は常に繰り返します。平易な散文で読む意義の大きな古典を(可能であれば比較的速めに)読んで読解力を鍛えたいと思います。今年はプラトン饗宴からの抜粋を読む予定です(場合によっては別のものに変更するかもしれませんが)。これは文学の香り高い中期のプラトンの傑作で、難しいところもなくはないのですけれども、多くの点で楽しめるでしょう。終ったあと時間の余裕があれば、ホメーロスイーリアスからの抜粋を読みます(古代ギリシャとは結局のところホメーロスの文化ですから、これに一度は触れておくべきです)。講読ですから毎回少しずつ訳読していきます(あらかじめ割り当てをしておきます).細かな文法的な説明をしますが、あわせて教科書や文法書の該当個所を復習して変化や文法の知識を固めます。毎回ごとに復習と訓練を積み重ねていきますから半年でもギリシャ語文法の全域を学べます。授業の到達目標古典ギリシャ語文献の初歩的な読解能力の養成成績評価方法試験0%テストは行いません。レポート0%期末提出物はありません。平常点100%毎回の訳読です。その他0%なし。備考・関連URL本授業は教場での対面授業です。合併随意科目―456―

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