【文学研究科】2019年度シラバス
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究に際しては、古典籍そのものに関する知識と、取り扱いの技術を身につけることが不可欠である。それら古典籍の、特に形態に関する学問が書誌学(形態書誌学)であり、また本文に関する学問が文献学である。本講義では、日本古典文学に関わる原本資料の翻刻・校合・校訂作業を行っていくことによって、文献学を活用した日本古典文学研究の方法と意義を学んでいくこととする。その過程で当然、くずし字を解読する練習も積み重ねていくこととなる。具体例としては、中世までの和歌・物語などに関する写本・版本・古筆切(こひつぎれ、写本を観賞用に分割したもの)を中心に取り上げていく予定であるが、また受講生の専門分野に応じて、臨機応変に対処していきたい。なお受講生に、授業テーマに即した個別発表を行ってもらう場合もある。授業の到達目標・くずし字を的確に解読できるようになる。・奥書・識語類の価値と、その読解方法・活用方法を学ぶ。・翻刻・校合・校訂に関する知識と技術を習得する。・活字化された校訂テキストを批判的に扱えるようになる。成績評価方法・くずし字解読の習熟度:30%・奥書・識語類の理解・読解度:25%・課題提出状況:25%・受講態度:20%*なお全回出席を前提とする。科目名文献研究2書誌学を中心に担当者名博士(文学)総合研究大学院大久保木秀夫日本語日本文学コース2単位秋学期金曜日5時限1年以上―――授業概要日本古典文学は、かつては写本や版本といった古典籍に書写・印刷され、読まれ、伝えられてきた。従って、日本古典文学研究に際しては、古典籍そのものに関する知識と、取り扱いの技術を身につけることが不可欠である。それら古典籍の、特に形態に関する学問が書誌学(形態書誌学)であり、また本文に関する学問が文献学である。本講義では、教員の持参する原本資料(近世整版本を主とする)をはじめ、複製本・影印本・デジタル画像・webデータベースなどを活用しながら、書誌調査の具体的な方法と、書誌学を活用した日本古典文学研究の方法と意義とを、実践的に学んでいくこととする。また講義の後半の方で複数回、早稲田大学図書館が所蔵する原本資料の中から、受講者の専門に関わるものを各自撰定した上で、実地に調査し、その書誌学的・文献学的特徴について、まとめてもらう予定である。授業の到達目標・書誌学の方法と意義を理解する。・書誌調査に関する知識と技術を身につける。成績評価方法・書誌学に関する知識・技術の習熟度:40%・課題提出状況:30%・受講態度:30%*全出席を前提とします科目名日本文学講義1懐風藻を読む担当者名博士(文学)早大高松寿夫日本語日本文学コース2単位春学期木曜日4時限1年以上―――授業概要現存最古の日本漢詩集懐風藻を精読する。漢詩はもちろん、人物伝も含めて検討する。日本書紀万葉集などの同時代の他の文献の語彙や典故との関わりにも配慮することで、7世紀後半から8世紀の文筆の総合的な状況把握にも努める。授業の到達目標上代の日本漢詩文をめぐる文学史的問題としてどのような問題点があるのかを理解する。上代の日本漢詩文を専門的に検討するにあたっての知識をひととおり身につけ、それを各自で駆使・応用し、みずから作品の評価ができるようにする。成績評価方法試験0%レポート50%学期末に課す。平常点50%出席状況等。その他0%科目名日本文学講義2懐風藻を読む担当者名博士(文学)早大高松寿夫日本語日本文学コース2単位秋学期木曜日4時限1年以上―――授業概要現存最古の日本漢詩集懐風藻を精読する。日本書紀万葉集などの同時代の他の文献の語彙や典故との関わりにも配慮することで、7世紀後半から8世紀の文筆の総合的な状況把握にも努める。授業の到達目標上代の日本漢詩文をめぐる文学史的問題としてどのような問題点があるのかを理解する。日本語日本文学コース―96―

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