【文学研究科】2019年度シラバス
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レポート20%教育学研究7に続いて境域学研究8で扱ったテーマから選択したレポートの内容と水準に基づく。平常点80%出席状況と、授業での発言内容や、毎回の授業コメント(RP)での課題把握と問題意識のありように基づく。その他0%なし科目名教育学研究9社会教育・成人教育実践研究の理論と方法担当者名村田晶子教育学コース2単位春学期火曜日2時限1年以上―――授業概要今日、人々が暮らす地域社会が直面する課題は深刻であるが、その解決のためには社会教育・成人教育の充実が欠かせない。地域に人々の豊かな関係を構築していくために学びあうコミュニティをつくり、人々の学びあいを支えるシステムを構築することが課題である。本演習では、社会教育・生涯学習・成人教育をめぐる理論と歴史、今日的課題についての基本的な文献講読を行う。授業の到達目標社会教育・生涯学習・成人教育をめぐる理論と歴史、今日的課題についての基本的な文献購読成績評価方法試験0%実施しないレポート50%社会教育に関する課題意識、論理性平常点50%社会教育研究論文の読解その他0%特になし科目名教育学研究10社会教育・成人教育の専門職養成と実践研究の方法担当者名村田晶子教育学コース2単位秋学期火曜日2時限1年以上―――授業概要春期の理論研究を受け、秋期は、専門職養成と実践研究の方法に主眼を置き、いくつかの先行事例に学びつつ、D・ショーンの省察的実践とは何か省察的実践者の教育の講読を軸にする。また、授業を実践と理論の往還の場としていくために、毎年開催される早稲田教育実践研究フォーラムの企画、運営、コーディネートに携わり、また自らの実践を報告し、省察する機会を持つこととしたい。専門性形成に向けての実習の場として、また自らの実践を実践研究の俎上にのせる場として位置づけていく。授業の到達目標教育・社会教育の現場で求められている多様な専門性に検討を加えると共に、その専門性形成の方法と、その方法の一部をしめる実践研究の意義とその方法を実践的に学ぶことを目標とする。成績評価方法試験0%なしレポート50%教育実践研究フォーラムの記録作成平常点50%実践力、理論性その他0%なし科目名教育学研究11地域と学校(1)担当者名細金恒男教育学コース2単位春学期木曜日3時限1年以上―――授業概要地方消滅地方創生というときの地方とは、中央の政治家や官僚あるいは大都市から見下ろした言い方だと思う。地方という官製用語にたいして、日常の暮らしと文化を守るための自前の努力を重ねてきた人びとは、その足場を地域と意識的に呼んできた。地域づくり地域再生とは、自然・しごと(生業・産業)・文化、それを紡ぎだす人間の共同性を“意識的に維持する”ことだという理解も広まってきている。筆者は21年前、学部ゼミでの農業・農村体験活動を始めたのがきっかけで、その後、食と農の教育の実践にとりくむ地域・学校や、統廃合の危機に直面する小さな学校を訪ねたり、あるいは原発事故後の福島県内各地の避難先の学校を訪ねる旅を重ねてきた。土地の人びとの話に耳を傾けながらいつも心に響くのは、学校は地域の宝地域あっての学校、学校あっての地域という言葉だった。小中学校はもちろんのことだが、特に、まちやむらに高校がある場合、その存続が、地域の維持可能性を大きく左右する課題だとの認識も人びとのあいだで高まっている。それゆえ近年では、高校存続のためのさまざまな方策が打たれてきた。地元学地域学習を学校の教育課程に位置づけることや、子ども・若者たちが地域づくりに参加するとりくみも意識的にすすめられている。原発避難後の福島県双葉郡の小中高校ではふるさと創造学という名の学習が学校教育の主軸をなしている。地域のなかの学校は、地域に生きる人びとにとっての精神的拠点である。学校は、地域の社会的諸関係をつくり、人びとの信頼と共同を育んできた場でもあった。そのことは、大震災後の被災・避難地で、あらためて可視化されてきたところでもある。古くから続く地域と教育の多様で豊かな関係を維持し、または修復し、あるいは新しく生みだすことから、再び学校が地域に根を張り、子ども・若者の生きる希望をみいだす手がかりが、どの地域にもあるのではないだろうか。本講義では、各地の事例に基づきながら、地域と学校との関係のあり方について考察する。授業の到達目標地域と学校の結びつきの意義を理解し、地域づくりと学校づくりの展望を探る。成績評価方法試験0%教育学コース―81―

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