【文学研究科】2019年度シラバス
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科目名教育学研究6子ども支援学・子どもの権利学担当者名博士(文学)早大喜多明人教育学コース2単位秋学期火曜日3時限1年以上―――授業概要教育学がどちらかといえば、教える側のイニシアチブを軸として成り立つ学問であることに対して、本講義の子ども支援学が対象とする支援とは、教わる側、支えられる側、権利主体の側がイニシアチブをもち、自らの力と意思で、自立と参加、生活と成長への自主的活動を行うことに対して、これを維持し、さらに促進し、発展させていくためのあらゆる行為、事業、考え方の総称である。その支援概念は、エンパワーメント実践として、つとめて実践的な理念であるとともに、これを支えていく政策、制度理念でもある。今日、この対極にある政策理念としての厳罰主義(ゼロ・トレランス)が台頭してくる中で、支援主義の実践、政策を深めていくことが重要である。実践領域としては、子ども参加の学校づくりのほか、多様な学び支援の実践のほか、子ども支援NPOの活動など幅広く子ども支援の実践と理論、制度論などに言及したい。授業の到達目標この講義では、上記のような意味における権利主体たる子どもの支援の特質、目的論(エンパワーメント・自己啓発)、実践・方法論(教育学・福祉学・政策学などの学際的研究)を授業の到達目標とする。成績評価方法試験0%レポート0%平常点100%その他0%備考・関連URL年間を通しての演習目的に沿った研究活動の成果を十分にあげてきたかどうか、その研究者としてのオリジナリティ、クリティーク、ライティングの力量について、向上とその努力が見られるかを総合的に評価する。科目名教育学研究7ともに生きる学ぶ働く社会へ(1)担当者名綿貫公平教育学コース2単位春学期水曜日2時限1年以上―――授業概要現在学校から社会へわたる課題は多岐に及ぶ。担当する講師(綿貫)は、2012年3月まで35年間、都内公立中学校で勤務し、教科(美術科)の学習指導だけでなく、学校内外を行き来する取り組みをしながら、生徒や保護者/地域や社会運動(若者の労働、反貧困、奨学金問題、…)に関わってきた。現在もなくそう!子どもの貧困全国ネットワークの世話人なども続けている。長く民間教育研究団体:全国進路指導研究会に所属、諸先輩の経験を受け継ぎながら実践、研究を行ってきた。特に、1990年代末明るみになった若者の就職難学校から社会(仕事)への接続の困難。…社会と学校とのつなぎを、自らの行動を通して、検討・検証している。現在は、若者の就労支援をになうNPO団体の理事・非常勤スタッフとして、不登校引きこもっていた子ども・若者の進路模索や就労(以前の困難)に向けたサポート、居場所のスタッフを主たる仕事としている。授業の到達目標学校に立ち現れている具体的な問題や実践をもとに、教育とは何かの本質と、それを担う教師の役割、子ども理解と学校の可能性を探求・認識する。教育学研究を通して、人間洞察や自己理解を深化させる。生徒一人ひとりが自分のことも、他者のことも傷つけることなく尊重し、よりよい学校生活やその先の進路を創り出していけるようになるために、教員はいかに現状を把握し、どのような教育実践を行うべきであるかを理解する。教育は、当事者である子ども・若者の為だけでも、学校教育に限った問題でもない。日々の学校生活を通して指導する、ともに生きる・学ぶ・働くために学び続ける課題である。同時に学校から社会への接続、学校間接続に関わる課題や共通性に気づき、社会全体の課題として考えることを重視する。すべてが学校で完結するわけではない。地域社会の資源に気づかせ、それぞれが置かれる場で、その当事者及び実践者としての一歩を踏み出す、その資質形成を目標とする。成績評価方法試験0%なしレポート20%教育学研究で扱ったテーマから選択したレポートの内容と水準に基づく。平常点80%出席状況と、授業での発言内容や、毎回の授業コメント(RP)での課題把握と問題意識のありように基づく。その他0%なし科目名教育学研究8ともに生きる学ぶ働く社会へ(2)担当者名綿貫公平教育学コース2単位秋学期水曜日2時限1年以上―――授業概要春学期教育学研究7に同じ秋学期は、特に具体的な学校内外の取り組み、近隣地域の実践現場から学ぶ機会を設けたい。授業の到達目標春学期教育学研究7に同じまた、履修生各自の関心に基づく個別研究テーマを立て、報告・討論を重ねながら、研究・調査をまとめ上げていく。成績評価方法試験0%なし教育学コース―80―

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