【文学研究科】2019年度シラバス
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科目名美術史学特論7中世後期からバロックにかけての西欧美術比較研究―16世紀を中心に担当者名Ph.D.ピサ高等研究院児嶋由枝美術史学コース2単位春学期火曜日5時限1年以上―――授業概要中世後期からバロックにかけての作品を比較し、各時代、地域、流派あるいは画家の特徴について論じる。毎回、テーマを決めていくつかの作品をとりあげて考察する。様式と図像が分かち難いものであることや社会や宗教と作品との関係について具体的に議論する。今回は特に16世紀に焦点をあてる。なかでも16世紀後半のカトリック美術における隠修士と孤独の表現について着目する予定である。授業の到達目標特に以下の3点を目標としたい。(1)中世後期、イタリア・ルネサンス美術からマニエリスム美術へ、さらにカトリック宗教改革(対抗宗教改革)の美術、そしてバロック美術への変遷を、造形的な側面のほか、宗教的、政治的な観点からも理解を深める。(2)芸術作品と同時代の芸術理論との関係について把握する。(3)トレント公会議と造形美術について理解を深める。成績評価方法出席、授業参加、発表内容を総合的に評価します。科目名美術史学特論8トレント公会議後の芸術理論担当者名Ph.D.ピサ高等研究院児嶋由枝美術史学コース2単位秋学期火曜日5時限1年以上―――授業概要トレント公会議(1545年〜1563年)後のカトリック美術に関する芸術理論書の英訳を読み、実際の美術作品や建築においてどのように反映されているのか考察する。同時に、それが日本のキリシタン美術にどのように反映されたのか見当する。特に、カルロ・ボッローメオの聖堂の建築と装飾に関する指針(CarloBorromeo,InstructionumFabricaeetSupellectilisecclesiasticae)とガブリエレ・パレオッティの宗教画と世俗画に関する議論(GablielePaleotti,Discorsointornoalleimmaginisacreeprofane)を取り上げる。授業の到達目標芸術理論と実際の美術作品・建築との関係について、特定の領域に限定せず、普遍的な観点から理解する。成績評価方法授業の参加度や出席など、総合的に判断する。科目名美術史学研究1日本彫刻史、仏教美術史基礎研究担当者名川瀬由照美術史学コース2単位春学期木曜日3時限1年以上―――授業概要美術史研究は基礎資料からえられる情報を文字にして他者に伝えることからはじまる。日本彫刻史の基準作例や重要作品を中心として作品や資料を十分に把握して文章化を行う。最新の研究成果にもとづきながら基礎研究と実践的な研究への橋渡しを行いながら、実作品に関する基礎的な事項の把握が、論文作成や現場での調査・取扱い・展示・修理等にとって欠くことのできないものであることを提示したい。美術史の現場(調査・研究・展示・修理)に出ようとするなら必ず身につけておくべき事柄を精選し、美術作品の基礎的な事柄の意義と実践、それらを応用した個別研究について受講生とともに深めていく。春学期は基本的な事項の確認を行い、作品の形状把握を徹底的に行う。あわせて表面彩色等の記述や特徴について把握するよう作品研究の基礎トレーニングを行う。授業の到達目標美術作品の基礎を再確認・再考し、調査研究や論文作成に結びつく実践的な研究能力の向上を目標としたい。日頃の調査・研究が実際の現場(調査・研究・展示・修理・原稿)でどのようにいかされるのか理解でき、美術史の最前線の現場における即戦力が身につくように配慮する。研究者として独り立ち支援を行う。成績評価方法試験0%行わないレポート0%行わない平常点70%出席及び各回ごとの内容の理解度を総合的に判断する。出席重視!その他30%文化財の取扱いや考え方の習熟度備考・関連URL各回は独立した内容ではないので毎回の授業参加は必須です。科目名美術史学研究2日本彫刻史、仏教美術史基礎研究担当者名川瀬由照美術史学コース2単位秋学期木曜日3時限1年以上―――授業概要美術史研究は基礎資料からえられる情報を文字にして他者に伝えることからはじまる。本演習では日本彫刻史の基準作例や重要作品を中心として作品や資料を十分に把握して文章化を行ってもらう。その後最新の研究成果にもとづきながら基礎研究と実践的な研究への橋渡しを行う。実作品に関する基礎的な事項の把握が、論文作成や現場での調査・取扱い・展示・修理等にとって欠くことのできないものであることを提示したい。美術史学コース―209―

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