科目名中国文学講義6清代言語史の研究(二)(2019年後期)担当者名落合守和中国語中国文学コース2単位秋学期火曜日2時限1年以上―――授業概要(1)清代から民国にかけて北方中国に流行した藝能のうち旗人小説,北京評書と裁判供述,満漢合璧課本から四つの作品を選び,その読解を通じて,百年前の北京の話し言葉に対する感触をつかむ。(2)三つの作品の,18世紀半ばの石頭記(紅楼夢),19世紀半ばの児女英雄伝から20世紀初めの実事小説春阿氏・社会小説小額を経て,老舎30年代の我這一輩子・離婚に至る,北京語の成立過程への位置付けを試みる。(3)朝鮮中国語課本老乞大の初期刊本に見られる語漢児言語(中国語)や黒龍江省ドルブトモンゴルの混合言語(包聯群)を手がかりに中国語の複合的性格に目を向け先行研究を見直そうとする近二十年来の研究動向にも触れる。(4)1990年代終わりから2018年にかけて放送されたテレビドラマを参照し,二百年前,百年前の言葉との異同について理解を深める。授業の到達目標・十六世紀の末に清の太祖ヌルハチがエルデニとカガイに命じ満洲文字を制定してからおよそ三百年国語騎射のかけ声に示されるように,満洲語には標準言語の地位が与えられた。一方,清代中国で生み出された書物のうちには,満洲文字満洲語と漢字漢語が並列対照する満洲語読本があり,その形式には,ある時期の北京において,満洲語と漢語とが言語接触の状態にあったことが反映していると考えられる。すでに早く乾隆(1735-95)の末年北京の内城では日常言語として漢語が話され,満洲語は衙門(役所)の公用語としての役割しか持たなくなっていたという。居住地域を内城に限定されていた満洲旗人が,なぜどのようにして自らの言語から被征服民族の言語への切替えを行なったのか,その具体的な契機や経過はほとんど解明されていない。北京語が形成される過程を,資料に基づいて解明したい。成績評価方法試験0%レポート50%・小レポート,報告内容などによる総合評価平常点50%・小レポート,報告内容,理解度の確認などによる総合評価その他0%備考・関連URL・満洲文字の書き方と音声については清文啓蒙巻一,満文十二字頭及び同清書運筆先後,・満洲語の語法については季永海等198満語語法(北京:民族出版社)及び季永海2014満語語法増訂版(北京:中央民族大学出版社)を参照する。・新聞連載(の小説・評書)及び満漢課本の刊本では原件または原件複製(写真・複写・pdf)を,小説及び裁判供述の抄本では,原件またはそのマイクロフィルム版から抄写したテキスト(1999-2018落合による抄写)を使用する。複写テキストを配布。科目名中国文学講義7中国文献学の基礎と応用担当者名高橋智中国語中国文学コース2単位春学期金曜日1時限1年以上―――授業概要中国文献学の範疇についての講義と研究意義についての理解を深める授業の到達目標中国に於ける古籍文献研究の現状を知る成績評価方法試験0%なしレポート0%なし平常点100%毎回、出席確認をするその他0%なし科目名中国文学講義8中国版本学講義担当者名高橋智中国語中国文学コース2単位秋学期金曜日1時限1年以上―――授業概要中国版本学に於ける中国印刷史の意義と中国蔵書史の概要を講義する授業の到達目標中国に於ける版本学・蔵書史研究の現状を知る成績評価方法試験0%なしレポート0%なし平常点100%毎回出席確認をするその他0%なし科目名中国文学講義9担当者名王瑞来中国語中国文学コース2単位春学期木曜日2時限1年以上―――授業概要日本には昔から優れた漢文の訓読方法がある。この方法は漢文史料の解読において大いに裨益する。しかし古代中国語である中国語中国文学コース―182―
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