日本語教育研究科
3/32

早稲田大学大学院日本語教育研究科(通称:日 にっけん研)は、2001年に日本語教育を主専攻とする独立研究科として設立されました。設立当時もそして現在においても、日本で唯一の日本語教育を主専攻と する独立研究科です。日研は、これまでに856名の修士号(日本語教育学)取得者、84名の博士号(日本語教育学)取得者を輩出し、日本国内はもちろんのこと、世界各地の教育機関やさまざまな分野で活躍 しています。そして、世界各地で活躍する修了生をつなぐグローバル・ ネットワークが構築されており、修了後もともに学び合う環境が維持されています。日研が目指しているのは、「日本語教育の専門家」の養成です。しかし、それは必ずしも「日本語教師」に留まるものではありません。日本語教育学に関する知識と実践力を修得することにより、言語や文化を越え、相互理解と相互尊重を深めることができる人材であり、日本語教育の知見を持って、これからの社会作りに貢献できる人材です。「ことばは、未来を創る」というキャッチコピーには、私たちのこのような思いが込められています。日研は、学部を持たない独立研究科であるが故に、入学してくる方々のバックグラウンド、日本語教育経験は多様です。そのような 多様な学生が、自分自身にあった学びをデザインし、充実した大学院生活を送れるように、日研では「日本語」「学習/教育」「社会」を 3本柱に据えた、理論と実践を両輪とするカリキュラムを用意しています。また、授業TAや授業ボランティアといった実践経験を積める機会や国内外の日本語教育機関への派遣、学会や研究会をはじめとする学びの場、相互交流の場など、さまざまな機会を提供しています。2020年のコロナ禍のもと、日研ではすべての科目(理論,実践,演習)を全学的なLMS(ラーニング・マネジメント・システム)であるWaseda Moodleと遠隔会議システムを利用して実施いたしました。私たちは遠隔での教育実践により、単なる技術的な課題のみならず、「授業とは何か」「教室とはどこか」といった根本的な問いを突きつけられました。これからは「大学」や「留学」の機能についても議論が必要になるでしょう。人の移動や交流が、国や地域などを越え、地球規模に拡大している現在、人と人をつなぐ「ことば」や「ことばの教育」が社会に果たす役割はますます重要になっています。日研ではコロナによる社会の変容を踏まえつつ、学生と教職員が手を取りあって広い視点から日本語、日本語教育学をとらえようとしています。私たちとともに未来を創りだしていくことに情熱を持つ皆さんを、私たち日研は歓迎します。早稲田大学大学院日本語教育研究科・研究科長小林 ミナ3研究科長挨拶

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る