日本語教育研究科
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岡本 英久2018年4月修士課程入学2011年に長崎外国語大学を卒業後、中国の大学や母校で日本語教師として勤務。スペインへのフラメンコ留学を経て、帰国後は中学校の支援員を務めながら地域の日本語ボランティアも経験した後、当研究科修士課程に入学。現在「第二言語習得における漢字表記習得適性の測定ツールの開発」をテーマに修士論文に取り組んでいる。修士課程在学生林 錦園2017年4月修士課程入学2017年に目白大学外国語学部日本語・日本語教育学科を卒業後、当研究科修士課程に入学。中学2年の時に呼び寄せの形で中国から来日した自身の経験を活かし、「日本における複数言語文化間に生きる若者の言語教育について」をテーマに修士論文に取り組んでいる。修士課程在学生14教授全員とやりとりを重ね自分に合った研究室を選べるカリキュラムが魅力 学部時代に副専攻で日本語教育を学んでいた頃から、日研は進路の選択肢として頭にありました。卒業後、国内外の大学で日本語教師を務めたり、スペインへフラメンコ留学したりとさまざまな経験を積んだ後、かねてからの希望だった大学院進学を実行に移しました。 1年目で印象的だった科目は「日本語教育学演習Ⅰ(2020年度より科目名「基礎演習」)」です。同期学生4~5名がグループになり、毎週違う教授から研究計画書についてご指導いただいたり、グループのメンバーも含めてディスカッションをしたりしました。1学期間で日研のすべての教授と当たるため、多角的かつ示唆に富んだアドバイスを受けることができました。その過程で、自身の研究計画書を練り直しながら、2学期目から所属する研究室をじっくりと選べるのが日研のカリキュラムの特長の一つです。 修士課程で学び始めてから、日本語教育への見方が大きく変わりました。以前は教育の現場で働くことのみを考えていましたが、今はテストを作成する機関や出版社などを含め、より広い範囲で捉えるようになりました。何より、長く研究を続けたいという気持ちが強まっています。日研は日本語教育の研究方法を学ぶ場であり、日本語教育とどう向き合っていくかを常に考える場でもあります。研究を進めるなかで自らの価値観が揺さぶられる場面もあり、その過程を経るからこそ、次のステップに進めるのではないかと感じています。自分自身と似た境遇にいる外国につながりを持つ若者の言語教育を支えていきたい 学部時代、将来は日本語教育の中でも子どもに関わる仕事をしたいと考えていた時、日研の川上郁雄教授の著書を読み感銘を受けました。中学2年で中国から来日した私も、先生が著書で提唱された「移動する子ども」の一人で、複数の言語文化を持つ葛藤の中で成長してきました。先生のもとで学び、将来は自分と同じような境遇にいる若者の言語教育を支えたいという思いが強くなり、日研への進学を決めました。 2学期目に履修した池上摩希子教授の「日本語教育実践研究(1)」では、その教室で行われる「日本語教育」について考えを深め、教室づくりや授業づくりを一から行うコースデザインに取り組みました。この授業で得た経験をもとに、外国につながりを持つ横浜市の高校生や大学生と協働して学びの場を立ち上げ、現在、その実践を修士論文にまとめています。 理論と実践の両方を重視したカリキュラムが日研の良さだと実感します。また、学期ごとに行われる中間発表や合同ゼミを通して、ほかのゼミの学生とも活発に議論ができるオープンな雰囲気があります。そうした環境で学ぶなかで、自分の意見や考えを論理立てて主張できるようになってきました。先輩や同期との交流を通して、より多様な進路の可能性にも気づき、高校教師になるという新たな目標が生まれました。修了後は日研での学びを活かしながら、外国につながりを持つ生徒たちの言語教育を支えていきたいと考えています。

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