日本語教育研究科
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教員紹介5小林 ミナ 教授「日本語を学ぶ」というのは、教科書の文法記述や教師の文法説明をただ丸暗記するだけの受動的・静的な営みではなく、学習者が周りの日本語をリソースとして取りこみながら、自らの中にさまざまな言葉のルール(=文法)を構築していくきわめて能動的・動的な営みです。そのような営みを支援するためには、実際に言葉が他の素材とともにどのように使われているのか、どのように学ばれているのかを丁寧に観察、記述することが必要です。その成果を踏まえて、コース・デザイン、教室活動の内容や方法についても考えていきたいと思います。 研究課題「マルチモーダルなコミュニケーション研究」「文法教育」「言語習得」「コース・デザイン」1985年青山学院大学文学部日本文学科(国語学専攻)卒業、1993年名古屋大学大学院文学研究科博士課程(日本言語文化専攻)満期退学。博士(文学、名古屋大学)。名古屋大学言語文化部助手、北海道大学留学生センター助教授を経て2006年4月より現職。著書に『日本語教育の過去・現在・未来 第3巻教室/第5巻文法』(編著)凡人社、『外国語として出会う日本語』岩波書店、『コミュニケーションのための日本語教育文法』(共著)くろしお出版、『日本語教育能力検定試験に合格するための教授法37』アルクなど。小宮 千鶴子 教授日本語教育における語彙教育は、理解力だけでなく表現力の養成も目標としていますが、その実現には、①日本語がどのように使われているかを記述する研究、②多くの学習者に必要な語彙や学習目的に応じて必要な語彙を具体的に明らかにする研究、③語彙の習得や指導に関する研究などが必要です。小宮研究室ではこれらについて理論と実践の両面から考察します。 研究課題「語彙研究」「語彙教育研究」「専門日本語教育」1978年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、1982年早稲田大学大学院文学研究科博士前期課程修了(文学修士)。東京外国語大学外国語学部附属日本語学校(現、留学生日本語教育センター)専任講師、中央学院大学教養部専任講師・同商学部助教授・教授、早稲田大学日本語研究教育センター教授を経て、2003年より現職。著書等に『日本語教育チェックブック』(共著)バベル・プレス、『ここからはじまる日本語教育』(共著)ひつじ書房、『表現と文体』(共編著)明治書院、「経済のにほんご」http://keizai-nihongo.com/池上 摩希子 教授日本語教育においては、多様化する学習者、多様化する教育方法など、「多様化」について久しく指摘がなされています。しかし、「多様化」は学習者の属性だけに見られるものではありません。時代や社会の流れの中で、日本語教育にはどのような目的と方法が求められているのでしょうか。学習理論や習得研究、関連の諸領域からの知見をもとに、理論と実践の両面から探究していきます。学習者/教授者といった軸を越え、成人であれ子どもであれ「人がことばを学ぶ意味」そのものを捉えていきます。 研究課題「地域日本語教育」「年少者日本語教育学」「言語教育政策」津田塾大学国際関係学科卒業、お茶の水女子大学日本言語文化専攻修了、日本言語文化学修士。日本語教育学会(チャレンジ支援委員)、異文化間教育学会(紀要編集委員)所属。中国帰国者定着促進センター講師、早稲田大学日本語教育研究科准教授を経て、2010年より現職。著書・論文に『体験学習法の試み』(共著)凡人社、「年少者日本語教育における「書くこと」の意味」(共著)『日本語教育』日本語教育学会、『「移動する子どもたち」のことばの教育を創造する̶ESL教育とJSL教育の共振̶』(共編著)ココ出版、『外国人児童生徒の学びを創る授業実践』(共編著)くろしお出版など。蒲谷 宏 教授「待遇コミュニケーション研究」は、「人間関係」や「場」に対する認識に基づく「表現行為」「理解行為」を「コミュニケーション」の観点から捉えることで、従来の「待遇表現」をさらに広げた研究分野です。日本語母語話者、日本語学習者の待遇コミュニケーションを記述、分析、考察するとともに、待遇コミュニケーション教育のあり方、研究の方法論、具体的な教育/学習方法などについて、「主体」「場面」「意識」「内容」「形式」をキーワードとして研究を進めています。 研究課題「待遇コミュニケーション」「待遇コミュニケーション教育」「敬語表現教育」1979年早稲田大学第一文学部卒業、1986年早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。1982年~早稲田大学語学教育研究所、日本語研究教育センターを経て、2001年より現職。著書・論文に、『敬語表現』、『敬語表現教育の方法』、『敬語表現ハンドブック』(共著)、『待遇コミュニケーション論』、『敬語マスター』、『敬語だけじゃない敬語表現』大修館書店、『大人の敬語コミュニケーション』筑摩書房、『敬語コミュニケーション』、『日本語教育学序説』(共著)朝倉書店、『待遇コミュニケーション教育の構想(Ⅱ)』『早稲田日本語教育学』11など。川上 郁雄 教授幼少期より複数言語環境で成長する子どもたちが世界各地で増加しています。私はそれらの子どもたちを「移動する子ども」という分析概念で捉え、その子どもたちのことばの教育に関する多様な研究課題を日本語教育の視点から考えています。日本国内外で成長する子どもたちの日本語教育は「移動する時代」のグローバル・イシューであり、「移動する子ども」学は子どもから老人まで含む新しい研究領域なのです。 研究課題「年少者日本語教育学」「移民・難民研究」「移動する子ども」学1990年大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得。博士(文学、大阪大学)。オーストラリア・クイーンズランド州教育省日本語教育アドバイザー、宮城教育大学助教授・教授、早稲田大学日本語研究教育センター教授を経て、2003年より現職。著編書に『「移動する子どもたち」と日本語教育-日本語を母語としない子どもへのことばの教育を考えるー』(編者)明石書店、『私も「移動する子ども」だった-異なる言語の間で育った子どもたちのライフストーリー』(編者)くろしお出版、『「移動する子どもたち」のことばの教育学』くろしお出版、『「移動する子ども」という記憶と力-ことばとアイデンティティ』(編者)くろしお出版。IKEGAMI, MakikoProf.KABAYA, HiroshiProf.KAWAKAMI, IkuoProf.KOBAYASHI, MinaProf.KOMIYA, ChizukoProf.

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