日本語教育研究科
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日本語教育実践ワークショップ212018年度 土曜日3回 13:30~15:30 幼少期より複数言語環境で成長する子どもが増えています。日本で第二言語として日本語を学ぶ子ども、国外で継承語として日本語を学ぶ子どもなど、多様な背景を持つ子どもが国内外で日本語を学んでいます。幼少期より複数言語を学ぶ子どもたちへの日本語教育はどのような実践が考えられるのでしょうか。本ワークショップでは、次の3つのテーマを考えます。1回目 : 子どもの直面する課題を考える2回目 : 子どものことばの学びと実践を考える3回目 : 子どものライフコースを考える ワークショップでは、具体的な子どもの例をもとに、子どもの抱える課題やことばの学びについて、受講生のみなさんと意見交換をしたり作業をしたりしながら考えていきます。みなさんの積極的なご参加を期待しています。テキスト:川上郁雄他編『日本語を学ぶ/複言語で育つ ― 子どものことばを考えるワークブック』(くろしお出版 2014)早稲田大学大学院日本語教育研究科 教授 川上 郁雄麗澤大学日本語教育センター 専任講師 森沢 小百合目黒区教育委員会 非常勤職員 人見 美佳6月9日6月16日6月23日「移動する子ども」の日本語教育 ―複言語・複文化の視点からことばの教育を考える―❷ 語彙の一般的な学習方法は、単語と訳を対で覚えるというものですが、この方法だけでは、学習した語句を、必ずしも適切に使用できるようにならないという問題があり、中級以降この問題は大きくなります。しかし、語彙の指導は、教師が経験や勘で、例文などを用い、一方的に教える形で行うことが多いのが現状です。 このワークショップでは、以下のような日程で行います。1回目:学習者が作成した短文の分析を行い、語句の使用に関して、学習者がどのような誤りを犯しやすいのかを知る。2回目:誤りを防ぎ、適切な使用ができるように学ぶための問題の作成を試みる。    対象は中級レベルを想定し、問題の作成はグループで行う。    問題の作成にあたり、語句の実際の使われ方を調べるための資料や方法を紹介する。3回目:作成した問題の発表を行い、問題とそれを用いた指導についてディスカッションを行う。 「語彙は覚えるしかないもの」と思われがちですが、覚えた言葉が使えないと悩む学習者は多く存在します。この講座では、語彙リストを覚えるだけでなく、考えながら使える語句を増やしていけるようにするための教材となる問題の作成を試みます。そして、問題の作成を通して、教師が一方的に知識を与え、覚えさせるのではなく、考え、理解させる語彙指導が実現できる可能性があることをお伝えするとともに、そのための方法を一緒に考えたいと思っています。早稲田大学日本語教育研究センター 講師(任期付) 三好 裕子*受講生の人数によりサポートスタッフがはいります。9月29日10月6日10月13日語句を使えるように学ぶための教材を作ろう ―中級からの語彙の学習と指導を考える―❸ 学習環境は学習者にとっても教員にとっても、学びの土壌として大切なものです。学習と環境について考えることは、実際の授業計画を立てる際の基盤となるでしょう。本ワークショップでは、参加者同士で意見交換しながら、簡易版ラーニングポートフォリオとリソースマップを作成し、学習環境を多角的・立体的に捉えていきます。1回目:簡易版ラーニングポートフォリオで学びを振り返る2回目:リソースマップを作成し学びを可視化する3回目:学びと学びのつながりから学習環境を捉える 本ワークショップはグループでのアクティブラーニングによって学習環境について考えていきます。第1回と第2回では、次回までの課題があり、それを活動のリソースとして持ち寄ります。アクティブラーニングを体験しながら、参加者ひとりひとりが考えを深め、気づき、発見することになります。早稲田大学日本語教育研究センター 講師(任期付) 齋藤 智美11月17日12月1日12月8日学習環境を捉えなおす ―ラーニングポートフォリオとリソースマップで立体的に考える―❹4月7日4月14日4月21日ものづくりや介護分野で働く技能実習生への日本語教育実践❶ 外国人技能実習制度は、2017年度には75職種(135作業)に達し、毎年多くの実習生が入国しています。実習生への日本語教育においては、渡日前と来日後のアーティキュレーション、日本語教師と実習先企業のアーティキュレーション、生活者としての視点など、課題が山積しています。 本ワークショップでは、技能実習生向け日本語教育について、製造業や介護の技能実習生を例に、アカデミック・ジャパニーズとは、どのように異なるのかを、実践例を紹介するとともに、カリキュラム、教材、評価、さらには、こうした実習生を教える場合、日本語教師が備えるべき資質などについて、専門分野別日本語教育の観点から、一緒に考えていきます。1回目:技能実習制度を概観し、渡日前と入国後の日本語講習におけるアーティキュレーション(連続・整合性)、および日本語教師と実習先のアーティキュレーションついて問題点と解決策を検討する。2回目:主に介護の技能実習生向け日本語教育の中でも、日本語学習と現場での実習の連動について考察し、日本語教師と介護職との協働を目指したシラバスを立案する。3回目:主に製造業に就労する技能実習生向け日本語教育について考察し、授業内で実施するタスクを考える。 このワークショップは、専門分野の日本語教育として、現在需要が高まっている技能実習制度で来日する実習生に対する日本語教育実践を紹介します。具体的には、制度設計や、カリキュラムのデザイン、教科書、教材の紹介、さらには、ワセダバンドスケール(介護版)と言う、早稲田で新たに開発された介護分野の日本語能力診断ツールを使った日本語診断の使い方も説明していきます。早稲田大学大学院日本語教育研究科 教授 宮崎 里司早稲田大学日本語教育研究センター インストラクター(非常勤) 中野 玲子早稲田大学日本語教育研究センター インストラクター(非常勤) 上田 潤子

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