日本語教育研究科
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日本語教育学オンデマンド講座192018年度 ①5月21日-5月27日②5月28日-6月3日日本語教育の語彙(1)(2)早稲田大学大学院日本語教育研究科教授 小宮 千鶴子日本語の単語は数えきれないほど多く、その学習は母語話者にとっても一生続くものです。では、学習時間も限られ、さまざまな目的をもつ学習者に対する日本語教育においては、どのような単語をどのように教えるのが最も効果的でしょうか。この講座では、日本語教育で教えるべき単語の選び方とその数、語彙教育の中でも中心となる意味の教え方について考えます。〔参考図書〕『国際交流基金 日本語教授法シリーズ3 文字・語彙を教える』(ひつじ書房 2011)AコースBコースCコース○○③6月4日-6月10日④6月11日-6月17日日本語教育と音声(1)(2)早稲田大学大学院日本語教育研究科教授 戸田 貴子外国人に日本語を教えるときに必ず気付くのが、日本人とは異なる発音の特徴です。外国語学習において母語の影響が最も顕著に現れるのが「音声」であり、発音だけではなく、聞き取りにも母語の特徴がみられます。この講座では、日本語学習者が伝えたい内容が伝わる発音で話せるようになるための学習方法について、考えていきます。このことは、日本語の音声を客観的に捉え、再認識することでもあります。〔参考図書〕戸田貴子『コミュニケーションのための日本語発音レッスン』(スリーエーネットワーク 2004)、戸田貴子編著『シャドーイングで日本語発音レッスン』(スリーエーネットワーク 2012)〔参考URL〕https://www.edx.org/school/wasedax○○⑤6月18日-6月24日⑥6月25日-7月1日待遇コミュニケーション教育(1)(2)早稲田大学大学院日本語教育研究科教授 蒲谷 宏「待遇コミュニケーション」というのは、従来の「待遇表現」を発展させたもので、「人間関係」や「場」に応じて使い分けられるコミュニケーション行為のことです。特に「敬語コミュニケーション」を中心に、日本語の大きな特色になっており、日本語教育においても、「待遇コミュニケーション」をどう捉え、どう教え・学ぶかということは、大きな課題になります。ここでは、言語とは表現行為、理解行為そのものだと規定する「〈言語=行為〉観」に基づく「待遇コミュニケーション」の研究・教育に関する基本的な点について考察していきたいと思います。〔参考図書〕蒲谷宏『待遇コミュニケーション論』(大修館書店 2013)、蒲谷宏『待遇コミュニケーション教育の構想(Ⅱ)』(『早稲田日本語教育学』第11号 2012)○○⑦7月2日-7月8日⑧7月9日-7月15日コミュニケーションと文法(1)(2)早稲田大学大学院日本語教育研究科教授 小林 ミナ「文法の説明」「文法の授業」などというと、無味乾燥な暗記モノのように思われがちです。しかし、実際の教室では、一つの文の正誤を巡って意見が対立したり、教師が予想もしなかった解釈がうまれたり、その人ならではの新しい文が作られたり、実にダイナミックな活動が行われています。この講座では、「コミュニケーションを支える1要素」として文法をとらえ、日本語教育に役立つ文法研究、文法記述について考えます。BBSを使った意見交換をしながら、「新しい文法の世界」を体感してみませんか。〔参考図書〕『コミュニケーションのための日本語教育文法』(くろしお出版 2005、共著)、『外国語として出会う日本語』(岩波書店 2007)、『日本語教育能力検定試験に合格するための教授法37』(アルク 2010)○○⑨9月24日-9月30日⑩10月1日-10月7日「移動する子どもたち」と日本語教育(1)(2)早稲田大学大学院日本語教育研究科教授 川上 郁雄現在、幼少期より複数言語環境で成長する子どもたちが世界中で増加しています。私はこれらの子どもたちを「移動する子ども」ととらえています。では、これらの子どもたちに対する日本語教育はどのようなものなのでしょうか。この講座では、「移動する子どもたち」のことばの学び、ことばの教育のあり方、自己形成とアイデンティティ等の課題を取り上げます。 子どもを対象とする日本語教育について考えるとともに、日本語教育全体のあり方や課題についても、BBSを通じて議論していきたいと思います。〔参考図書〕川上郁雄編『「移動する子どもたち」と日本語教育―日本語を母語としない子どもへのことばの教育を考える―』(明石書店 2006)、川上郁雄編『「移動する子どもたち」の考える力とリテラシー―主体性の年少者日本語教育学―』(明石書店 2009)、川上郁雄編『海の向こうの「移動する子どもたち」と日本語教育―動態性の年少者日本語教育学―』(明石書店 2009)、川上郁雄編『私も「移動する子ども」だった―異なる言語の間で育った子どもたちのライフストーリー』(くろしお出版 2010)、川上郁雄『「移動する子どもたち」のことばの教育学』(くろしお出版 2011)、川上郁雄『移民の子どもたちの言語教育―オーストラリアの英語学校で学ぶ子どもたち』(オセアニア出版社 2012)、川上郁雄編『「移動する子ども」という記憶と力―ことばとアイデンティティ―』(くろしお出版 2013)、川上郁雄他編『日本語を学ぶ/複言語で育つ/子どものことばを考えるワークブック』(くろしお出版 2014)○○⑪10月8日-10月14日⑫10月15日-10月21日「学び」の多様性をどう捉えるか(1)(2)-広がる日本語教育の可能性-早稲田大学大学院日本語教育研究科教授 池上 摩希子日本語教育においても、久しく、学習者の多様化が言われています。大学や日本語学校で学ぶ留学生の他にも、地域で生活しながら日本語を学ぶ人たちや子どもたちが増えています。こうした学習者の多様性について考えることは、すなわち「学び」の多様性をどう捉えるかにつながるのではないでしょうか。学習の目標、方法、内容がそれぞれ異なる学習者に対して、どのような日本語教育が展開されているのかを知ることは大切なことです。同時に、どのような日本語教育が望まれているのかも知る必要があります。この講座で、日本語教育という領域が持つ大きな可能性について、一緒に考えてみましょう。〔参考図書〕『「移動する子どもたち」のことばの教育を創造する―ESL 教育とJSL 教育の共振』(ココ出版 2009 共編著)、「体験型学習の意味と方法」(細川英雄編『ことばと文化をむすぶ日本語教育』凡人社 2002)、『外国人児童生徒の学びを創る授業実践』(くろしお出版 2015 共編著)○○⑬10月22日-10月28日⑭10月29日-11月4日学習環境のデザイン(1)(2)早稲田大学大学院日本語教育研究科教授 舘岡 洋子日本語の教室では、さまざまな背景や目標を持った人々が、教師や他の学習者と相互作用をする中で多様な学びが生まれています。また、彼らの学びは教室の中だけに限ったものではありません。つまり、学習者は自らを取り巻く環境との相互作用の中で学んでいるということができるでしょう。 この講座では、日本語学習を学習環境との相互作用という観点からとらえ、学習環境としての教室をどのようにデザインしていくかを考えます。〔参考図書〕舘岡洋子『ひとりで読むことからピア・リーディングへ―日本語学習者の読解過程と対話的協働学習』(東海大学出版会 2005)、池田玲子・舘岡洋子『ピア・ラーニング入門―創造的な学びのデザインのために』(ひつじ書房 2007)、『協働で学ぶクリティカル・リーディング』(ひつじ書房 2015)、『日本語教育のための質的研究入門』(ココ出版 2015)など○○⑮11月5日-11月11日⑯11月12日-11月18日Eラーニングと日本語教育(1)(2)早稲田大学大学院日本語教育研究科准教授 李 在鎬近年、教育のあらゆる場面で情報通信技術を取り入れた新しい教育活動が展開されています。日本語教育の現場もその例外ではありません。本講座では、コンピュータを使った日本語学習の歴史的な背景を確認した上で、現在、日本語教育の現場で利用可能なEラーニングシステムにはどのようなものがあるかについて紹介します。そして、こうしたEラーニングが持つ可能性について考えていくと同時に、私たち日本語教師はこの情報通信技術の進化とどう向き合うべきかについても考えてみたいと思います。○○

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