商学研究科
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1414私はマクロ経済学、特に貨幣政策や財政政策について理論的な研究をしています。ビジネスはマクロ経済の環境の中で行われるわけですから、景気変動や、その対策としての金融・財政政策の仕組みを理解することはとても重要です。しかし、現時点のマクロ経済学は複数の視点に立った理論モデルが並立しており、それぞれの立場によって、マクロ経済の見方は大きく異なり、金融・財政政策の効果に対する評価も違います。私は、そのような視点の多様性こそが、複雑な経済現象を理解するうえで有効なのだと考えています。大学院生には、マクロ経済学の幅広いフロンティアの中からひとつを自由に選び、研究してもらっています。多様な経済理論から得られる刺激を大切にします─片岡ゼミでの学びとは?【つどう】片岡 孝夫ゼミに個々の企業は経済環境の中で経済活動を営んでいます。したがってビジネスを研究するにあたっては、経済システム全般に対する理解が不可欠でしょう。経済学の中には、企業や家計がとる経済的な最適化行動や、それらを調整する市場・政府の役割等に関する膨大な理論研究の蓄積があります。さらに計量経済学は、さまざまな経済行動を計測し、仮説の検定を行う手法を開発してきました。理論・計量専修は、これら経済学の研究、また経済学的な手法を利用したビジネスの研究を行います。母国では為替に関する仕事をしていました。働いている中で自分には経済分析能力が足りないと感じ、仕事に活用できる知識を得ようと大学院に進学しました。現在は片岡先生の指導のもと、貨幣政策と国債に関する研究を進めています。日々研究に打ち込むうちに、以前は理解できなかった経済現象もわかるようになってきました。商学研究科には研究分野に関する理論経済学だけではなく、ファイナンスや会計などさまざまな科目があります。これらの科目を通じて、経済理論のフレームワークを構築するとともに、実務に応用できる能力を高めることもできます。片岡 孝夫 教授北海道大学経済学部卒業。米国ロチェスター大学経済学研究科博士課程修了。福島大学助教授、東京経済大学助教授を経て現職。専門分野はマクロ経済学。著書『ビジネスのための経済学入門』(共著、中央経済社)など。企業経済学応用ミクロ計量ミクロ経済学応用マクロ経済学計量経済学開発経済学研究指導丁寧な指導により、分析力が高まりました─商学研究科の魅力とは?華中師範大学外国語学部卒業(中国)早稲田大学大学院商学研究科修士課程在学生【りろん・けいりょう‐せんしゅう】理論・計量専修片岡 孝夫ゼミ 在学生 来 文正さん産業・経済コース

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