商学研究科
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13伝統的な管理会計研究では、製造活動を中心にとりあげた研究成果を蓄積してきました。現在では、流通業やサービス業などの製造業以外の業種、または、各企業における製造以外の諸活動における管理会計情報の重要性が認識されつつあり、この傾向は今後一層増すと確信しています。このような状況で利用される管理会計情報の有用性を検討するにあたり、理論的な考察のみならず、実務における有用性についても吟味します。具体的なフレームワークとして、この数年間バランスト・スコアカード(Balanced Scorecard: BSC)を中心に研究しています。企業のみならず非営利の組織における、経営戦略の策定および実行、ならびに、マーケティングに関する意思決定に有効な管理会計情報がどうあるべきかについて、大学院生の皆さんと議論したいと思っています。企業経営・組織運営に役立つ管理会計情報を研究─長谷川ゼミでの学びとは?【かいけい‐せんしゅう】会計専修現在は国税専門官として国税に携わる仕事をしています。私は商学部在学中に5年一貫制度を知り、元々興味を持っていたこともあり、大学院進学を決意しました。就職活動と並行しながら1年間で修士論文を書くことはとても大変ですが、その分成長することができると思います。そのためには、4年生のうちからしっかりと構想を練ることが大事です。大学院時代には組織間コストマネジメントに関する論文を書きました。企業側の視点からコストマネジメントを学んだことは今の仕事にも役立つ面もあります。また、研究テーマを決める段階でさまざまな業種について調べる必要があるので、経済活動について深く学ぶことができます。─商学研究科の魅力とは?早稲田大学商学部卒業同大学大学院商学研究科修士課程修了(5年一貫修了制度)東京国税局勤務長谷川 惠一 教授早稲田大学商学部卒業、早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得後、高崎経済大学専任講師、早稲田大学専任講師・助教授を経て現職。現在の研究テーマは、戦略的管理会計、宿泊業を中心とした観光産業の管理会計・原価計算、管理会計史である。企業の経済活動を貨幣額で記録・計算して作成した会計情報は、企業外部へ報告され、経営管理における意思決定や業績管理に用いられます。また、利用する会計情報は、その信頼性についての確証を得る必要があります。会計専修では、企業外部への財務報告において利用する財務会計、企業内部の経営管理において利用する管理会計、ならびに財務報告の信頼性に関する確証を検討するための会計監査および内部統制を研究対象とします。学生は、これらの基本的な理論や概念を基盤として、各自の研究テーマを設定します。財務会計財務報告管理会計会計情報財務会計情報会計と公共政策会計・監査モデル分析研究指導長谷川 惠一ゼミ 修了生 梅田 奈緒美さん社会に出てからも役立つ実学が学べる【つどう】長谷川 惠一ゼミに会計コース

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