商学研究科
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公共政策・経済史専修では、経済の諸事情を政策や歴史という視点からアプローチします。公共政策分野では、雇用・労働、社会保障に関して政府の役割を中心に政策的な分析を行います。これらは公共部門のみならず、産業社会そのものの活動とも関係しています。また、経済史分野では、内外経済の諸事情を歴史的に分析するとともに、経済学の発展過程を史的に考察します。このように、経済と産業社会の実相を把握し、歴史研究をはじめ雇用・労働、財政・社会保障など幅広い領域を研究するものです。現在は、社会保険労務士として顧問企業の就業規則・人事制度の策定、給与計算、労務相談をはじめとする人事労務管理全般を行っています。また、一般の方向けの街頭相談会などにも参加しています。商学研究科在籍時には、障害者雇用について精神障害を中心に、さまざまな統計データを用いて研究していました。最近では、過重労働により就職後に精神障害を発症するケースも増えており、実際にこうした相談を受けることもあります。会社で勤務する方が大半を占める現在の日本社会では、労働経済について学ぶことが極めて実社会と繋がりがあると感じています。 極めて少人数で、教員から手厚い指導を受けられるところ商学研究科の魅力とは?天沼 聡史さん早稲田大学商学部卒業同大学院商学研究科修士課程修了社会保険労務士として社会保険労務士早坂事務所にて勤務公共政策・経済史専修小倉ゼミの特長は?労働市場の異同に注意しながら労働問題について実証研究していますこれまでの履修生は、障害者雇用や新しい形の労働組合などを研究テーマにしています。私の関心は、労働時間や非正規雇用の問題です。「働き方改革」が注目される中で、長時間労働の問題が取り上げられることが多いですが、これには正社員というメンバーシップの問題が大きく影響していることは間違いありません。とはいえ、学生の就職活動ではメンバーシップを得ることが重要なのはなんとも皮肉です。どうすれば企業活動を損ねずに働く人の環境改善に資することができるかは、私にとっても最重要の関心事です。商学研究科では、経済学の理論や統計分析の方法も深く学ぶことができます。また、経営や流通などの幅広いビジネス関係の科目を受講できることも魅力でしょう。小倉 一哉教授早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得。労働政策研究・研修機構に勤務、早稲田大学准教授を経て現職。主要著書は『「正社員」の研究』『エンドレス・ワーカーズ』(いずれも日本経済新聞出版社)など。修了生interviewPublic Policy and History of Economics小倉 一哉ゼミPICK UP労働経済計量経済学史・比較経済思想近代日本経済史欧州経済史労働経済現代日本経済論・経済史経済政策研究指導産業・経済コース15

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