会計研究科
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 「財務会計A」は、資産会計、すなわち、資産会計総論、棚卸資産、有形固定資産、無形固定資産、金融商品などに関する基本的な論点を学びます。 資産の認識および測定が中心的なテーマになります。ある資産を貸借対照表に認識するタイミングと貸借対照表から除去するタイミングを学んでいきます。また、取得原価で測定するのか、時価で測定するのかの判断が必要となるケースを学びます。あわせて、資産の帳簿価額を切り下げる減損処理も取り上げます。さらに、資産の認識および測定が利益の測定にどのような影響を及ぼすかについても習得していきます。 資産会計を学ぶことによって、財務会計に通底する基礎概念を学ぶこと川村 義則 教授資産会計を中心に財務会計の重要概念を学ぶ[ 財務会計A ] ケーススタディを用いたプレゼンテーションやディスカッションなどを通じて、それまでに習得した知識を、より実践的な場面で利用するためのトレーニングを行う科目です。学部や研究大学院に設置されている「演習(ゼミ)」に類似していますが、複数の科目を履修することができます。ワークショップ科目特定のテーマについて、「テーマ研究論文」を作成することを目的とした科目です。1年生の秋学期から3セメスター(1年半の期間)にわたり、自らが選定したテーマについて、文献サーベイ、ヒアリングおよび統計的分析などを行い、指導教員のもとで論文を作成します。テーマ研究科目募集人数:修了要件:1学年 80名2年以上在学し、定められた必修科目を含む60単位以上を修得することができるほか、受講者のみなさんには、様々な財務会計上の問題を俯瞰的に考えることによって、それぞれの「会計観」を養ってもらいたいと考えています。「財務会計A」の授業は、その基礎となるはずです。 「財務会計A」は、プラスワンを直接的に具現化するというよりも、プラスワンを育てるための土台となります。そのような土台がしっかりしたものになればなるほど、プラスワンで得られるものも大きくなるはずです。金子 裕子 教授監査の役割や基礎理論と監査制度を学ぶ[ 監査基礎 ]  上場企業に代表される大規模な企業は、グローバルに事業を展開し、世界経済や私達の生活に大きな影響を与えています。企業は株式の発行や借入によって多くの資金を調達し、設備投資を行い、事業を発展させます。経営者は、経営状況を説明するために財務諸表を作成し公表しますが、企業の取引は膨大かつ複雑なうえに、会計も複雑化していることから、財務諸表の適正性を判断するのは容易ではなく、会計と監査の専門家による監査が不可欠となります。 「監査基礎」は、これまで監査を学んだことがない人を対象に、監査の役割や基礎理論、さらに法定監査制度について解説します。特に、企業がどのような事業活動を行い、どのような取引やリスクがあるかをイメージしながら、監査の全体像(リスクアプローチに基づく監査計画、リスク評価、リスクに対応した監査手続の実施、監査意見の形成と監査報告書の発行)を理解することを目的としています。 「監査基礎」を学んだ後は、「監査A・B・C」、「監査各論」の講義で理論をより深く学びます。さらに、ワークショップでは、具体的な事例や企業を題材に、リスク評価や必要な監査手続、監査において留意すべき点を考え議論します。こうした学びによって、自分の考えを実践的かつ理論的に説明できるプロフェッショナルとしての付加価値が身につくはずです。講義型以外にもユニークな科目が多数科目PickUp授業PickUp07

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