会計研究科
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当研究科には、財務会計に関連する科目が数多く設置されています。財務会計の基本領域を網羅する科目、知識を体系化し、より深く考えるための科目、知識を実務的に応用する科目が含まれています。私が主に担当する財務会計Aは、資産会計と財務諸表の表示に関する領域を取り扱っています。財務会計は、企業等の経済主体の経済活動に関する情報を外部の利害関係者に伝達する会計の領域です。財務会計は、多様な利害関係者の利害を調整しながら、財務諸表によって企業の実態を忠実に表現することを課題としているので、常にバランスを考えていくことが必要です。それぞれの会計処理には、長所と短所の両方があります。そのバランスを考慮に入れて、適用すべき会計処理を決定しなければなりません。財務会計では、特定の会計処理方法を採用する際に、さまざまな概念を用いています。対応・配分・実現といった、会計独特の操作に関する概念もありますし、さらには有用性・目的適合性・信頼性・比較可能性・中立性・検証可能性・慎重性・適時性などの質的特性の判断に関する概念もあります。財務会計Aでは、資産会計や財務諸表の作成に関する会計基準の内容はもちろん、その背景にある理論や概念を学びます。さらに、最新の基準設定の議論など、発展的な問題についても考える材料を提供します。「学んで考える」という作業の繰り返しによって、皆さんのキャリアを支えるような会計観の醸成と洗練化に貢献します。財務会計リテラシー/簿記Ⅱ/財務会計A/財務会計各論Ⅰ/財務会計英文外書講読/Financial Accounting Workshop/財務会計テーマ研究担当科目教授川村 義則会計を極める会計はしばしば経済社会のインフラストラクチャーといわれます。実際、企業経営者が行う多くの意思決定に会計情報は欠かせません。そして企業は多くの利害関係者(株主、債権者、取引先、従業員、政府等)に支えられていますが、彼らも企業が発信する会計情報に基づいて各種の意思決定を行っています。このように企業会計は経済社会を支える様々な機能を果たしているのですが、このうち企業外部の利害関係者が必要とする会計情報の作成と伝達に関わる領域を財務会計と呼んでいます。財務会計は英語でFinancial Accountingといいます。この用語が示しているように、財務会計は英米において資金調達のための重要な手段として発達してきました。具体的に述べると、会社が株式や社債を発行して資金を調達しようとする場合、自社の有価証券が安全で有利であることを投資家に納得してもらわなければなりません。その最も有効な手段が自社の財務諸表の公表です。やがて財務諸表の公表が一般化すると、投資家は財務諸表の信頼性の向上と、企業間の比較可能性の向上を求めてきます。公認会計士による財務諸表の監査制度や会計基準の統一化の作業はこれらの要求に対応するものです。授業では、資本市場への情報提供機能を中心に据えながら、情報の伝達手段である財務諸表の作成に必要な各種の処理方法を段階的に説明します。授業の到達目標は公認会計士試験の論文式試験レベルです。財務会計B/財務会計トピックス/財務分析/財務会計応用ワークショップ/国際交流会計ワークショップ/財務会計テーマ研究担当科目教授松本 敏史財務会計A[基礎科目群]財務会計財務会計を体系的に学び会計観を醸成する財務会計B[基礎科目群]財務会計基準を読み解くための会計マインドの醸成をめざして08

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