会計研究科
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学んで考えてバランス感覚を磨く当研究科には、財務会計に関連する科目が数多く設置されています。財務会計の基本領域を網羅する科目、知識を体系化し、より深く考えるための科目、知識を実務的に応用する科目が含まれています。このうち財務会計の基本領域は、財務会計リテラシー、財務会計A・B・Cの4科目によって網羅されており、私が主に担当する財務会計Aは、資産会計と財務諸表の表示に関する領域を取り扱っています。財務会計は、企業等の経済主体の経済活動に関する情報を外部の利害関係者に伝達する会計の領域です。財務会計は、多様な利害関係者の利害を調整しながら、財務諸表によって企業の実態を忠実に表現することを課題としているので、常にバランスを考えていくことが必要です。例えば、ある資産を時価で評価することは、貸借対照表において当該資産の価値に関する最新の情報を提供しますが、時価を市場から直接ではなく、将来のキャッシュ・フローを見積もってこれを割り引くことによって入手する場合、見積りや仮定に誤差が含まれる可能性、さらには恣意的に操作される可能性もあります。このような長所と短所の両方を考慮に入れて、時価で測定すべき資産の範囲を決定しなければなりません。財務会計では、特定の会計処理方法を採用する際に、さまざまな概念を用いています。対応・配分・実現といった、会計独特の操作に関する概念もありますし、さらには有用性・目的適合性・信頼性・比較可能性・中立性・検証可能性・慎重性・適時性などの質的特性の判断に関する概念もあります。財務会計Aでは、資産会計や財務諸表の作成に関する会計基準の内容はもちろん、その背景にある理論や概念を学びます。さらに、最新の基準設定の議論など、発展的な問題についても考える材料を提供します。「学んで考える」という作業の繰り返しによって、皆さんのキャリアを支えるような会計観の醸成と洗練化に貢献します。財務会計A[基礎科目群]財務会計簿記Ⅱ財務会計A財務会計リテラシー財務会計各論Ⅰ財務会計英文外書講読Financial Accounting Workshop財務会計テーマ研究担当科目教授川村 義則財務会計を体系的に学び将来のキャリアを支える会計観を醸成する会計を極める講義学生の声原価計算(清水 孝教授)▼受講した講義理論と実務の両面から学び短期間で会計士試験に対応できたこの講義では、原価計算を理論と 実務の両方の視点で学ぶことができます。公認会計士試験では、原価計算基準が頻繁に出題されますが、公表された当初の基準と現在の実務には大きな乖離があります。この講義では基準の内容はもちろん、基準と実務の原価計算の違いを学ぶことができます。この講義のおかげで、私は短答式でも論文式試験でも具体的に計算をイメージしながら問題を解くことができるようになりました。私は、入学前は、管理会計が苦手でしたが、この講義によって原価計算を完全に得意論点にでき、1年生の5月の短答式試験、さらに、続く8月の論文式試験にも合格することができました。この講義で深い理解をしていたからこそ、5月からの短い期間で論文式試験にすぐに対応できました。ぜひ、この講義を受講して真の知識を得て欲しいです。会計専門コース 1年生金子 裕哉Real Voice12

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